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Vol.42 新しい楽しみを見出して、来シーズンへ。

  • 2021.12.21

    Vol.42 新しい楽しみを見出して、来シーズンへ。

発源力

©GAMBA OSAKA

すごい早さで駆け抜けた2021シーズンを終え、12月5日からオフに突入しています。考えてみたら今年は家族とゆっくりオフを楽しむような時間がほぼなかったこともあり、日々「こんなのんびりした時間を過ごすのはホンマに久しぶりやなぁ」と噛み締めています。
というわけで、今回が今年最後の発源力になります。1年間、読んでいただいてありがとうございました。昨年は8月まで戦列復帰ができなかったことから、この発源力でもガンバ以外の話題に少し触れていましたが、今年は怒涛の連戦になったため、まさにサッカー漬けの毎日で…。シーズンが始まる時には、僕の素顔を知ってもらえるようなオフの話題にも触れようと思っていたのに、結果的にはほとんどがガンバの、タイムリーな話題になってしまいました。

その中では、自分の素直な感情を包み隠さず言葉に変えてきた分、後になって「踏み込み過ぎたかも」と反省することもありましたが(笑)、踏み込んだからこそ皆さんに昌子源という人間を知ってもらえる機会にはなったのかなとも思っています。
また、昨年、僕がガンバの一員になってからずっとコロナ禍にあり、なかなかファン、サポーターの皆さんと触れ合う機会がなかったからこそ、たくさんのコメントやメッセージをいただけたのも嬉しかったです。僕はSNSを利用していないので、皆さんからいただくコメントは毎回、編集部にまとめて送ってもらって読んでいましたが、皆さんの声に触れられたことでほんの少しですが、皆さんのことを知れた気もしました。
また、VOL.30で今は亡き僕の親友で、元ガンバサポーターだった道下稔晃について書きましたが、実はあの後、稔晃のお母さんから久しぶりに連絡をもらいました。お母さん曰く「稔晃と一緒にガンバを応援していたサポーターの方が久しぶりに連絡をくれて記事のことを教えてくださった」そうで…そんな風に発源力がいろんな人の思い、記憶をつなぐ場所になれたのも個人的には嬉しかったです。
というのが、僕なりの今年の発源力の振り返りですが、皆さんはどんな感想を持たれましたか? もっとこんなことを書いて欲しかった、こんな話を聞きたかった、という意見があったら是非聞かせてもらえたら嬉しいし、今後はもっとこういうテーマで話してほしい!という要望があれば教えてほしいです。皆さんからのニーズがどのくらいあるかによって、来年も連載を継続するか決めようと思います(笑)。

あと今年最後ということで、前回の2021シーズンの振り返りで触れていなかったことについて少し話したいと思います。それは、この時期に必ず訪れる『別れ』についてです。プロサッカー界では毎年シーズンが終わると同時に様々な『別れ』がやってきます。今年のガンバも然りで、すでにリリースでも発表されているように何人かのスタッフ、選手が今シーズン限りでガンバを去ります。
当然ながらそれぞれの人に思い入れがあり、どの別れも寂しく感じていますが、同じ年の裕二(小野)との別れは自分の中に特別な感情を残しました。みなさんも知っての通り、裕二は稀に見る『ファイター』でとても心の芯が強く、熱い男でした。同時期にガンバに加入したことから、お互いに刺激しあってやってきた部分もすごくあったし、ああでもないこうでもないと常に意見を交わしてきた一人でした。彼自身、ケガで離脱していた期間も長く同じピッチでボールを蹴る時間はそれほど長くはなかったですがピッチ内外での振る舞いはもちろん、彼との会話を通して気づかされたこともたくさんありました。
また同じセンターバックとしてプレーした(キム)ヨングォンも僕にとっては特別な選手でした。人として、サッカー選手として常に大人な、紳士的な振る舞いをするヨングォンには、たくさんのことを学びました。プレー面ではもちろん、彼のサッカーに対する姿勢、考え方に触れて勉強になることも多かったし、同じピッチで隣に立つ『兄貴』にはいつもすごく心強さを感じていました。もっと隣で一緒にプレーしたかったです。

ですが、どれだけ自分が願っても、同じチームでずっと一緒にボールを蹴ることはできないのがこの世界です。誰一人メンバーが変わらずに新しいシーズンを迎えることはないに等しく、すなわち同じチームで戦えることは二度とありません。ですが、同じユニフォームを着ることはできなくなっても、いつかまた同じピッチでボールを蹴るチャンスがあるのがこの世界の良さでもあると考えれば、この時期は単に寂しいばかりでもなく、新たな楽しさを見出せる時期でもあると思っています。だからこそ、感傷的になり過ぎず、次に会った時に、お互いがどんな姿になっているのか。どんなプレーを魅せられるのか。そこでどんな真剣勝負ができるのか。そのことを楽しみにしながら新しいシーズンに向かおうと思っています。

  • 昌子 源Gen Shoji
  • Gen Shoji

    1992年12月11日生まれ。
    兵庫県出身。
    11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
    18年12月にトゥールーズFCに完全移籍。すぐさまレギュラーに定着するも2シーズン目はケガに苦しみ長期の戦線離脱に。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年から3シーズンはガンバ大阪で、23年は鹿島アントラーズでプレー。24年はFC町田ゼルビアに完全移籍となった。
    14年に日本代表に初選出。2018FIFAワールドカップ ロシア出場。

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