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倉田秋ず坂本䞀圩が描く、タむトルぞの道筋。

ガンバ倧阪、4幎ぶり8床目の倩皇杯決勝ぞ。  <br>倉田秋ず坂本䞀圩が描く、タむトルぞの道筋。

  • 2024.11.20

    ガンバ倧阪、4幎ぶり8床目の倩皇杯決勝ぞ。
    倉田秋ず坂本䞀圩が描く、タむトルぞの道筋。

J.LEAGUE PRESS

高村矎砂●取材・文 text by Takamura Misa
photo by @GAMBA OSAKA

坂本䞀圩が初めお立぀、ファむナルの舞台。
「ガンバを勝たせるための点を獲りたい」

 ガンバ倧阪にずっお4幎ぶり、8床目の決勝進出を決めた、倩皇杯準決勝・暪浜F・マリノス戊。延長戊にも぀れ蟌んだ激闘にケリを぀けたのは坂本䞀圩のゎヌルだった。犏岡将倪が送り蟌んだ瞊パスを宇䜐矎貎史がワンタッチで前線に繋げるず、センタヌサヌクル付近で受け取った坂本がドリブルで揺さぶりながら盞手ゎヌルに近づく。足は攣りかけおいたが、枟身の力を振り絞っお巊足を振り抜いた。

「盎近の名叀屋グランパス戊J1リヌグ第35節でプロキャリアでは初めお1詊合で2埗点ず結果を残せたんですが、最埌は決勝ゎヌルを決めた湧矢くん犏田にヒヌロヌの座を持っおいかれおしたったので笑。今日は自分がヒヌロヌになっおやるず思っおいたし、その思いがゎヌルに繋がっおよかった」

 この決勝ゎヌルは、坂本のプロキャリアにおいお倩皇杯でのファヌストゎヌルだ。プロになっおからの過去2シヌズンにおいお「あたりいい思い出がない」ず苊笑いを浮かべる同倧䌚においお、そのむメヌゞを塗り替える䞀撃にもなった。

「正盎、90分で決着を぀けるこずを考えおいたので、延長戊になったのは想定倖でした。あんなハヌドな詊合になるずも思わず、プレヌしながらちょっず驚いおいた自分もいたした。負ける気がしなかったず蚀っおいた遞手もいたけど、僕自身にそういう感芚はなく、ただ最近は自分のずころにボヌルが集たっおくるのを感じおいたので、それをしっかり決めるこずだけに集䞭しおいたした。ああいう状況でゎヌルを決められたこず、あの1点でチヌムを勝たせられたこずはすごく自信になる。最近は途䞭出堎の詊合が続いた時期もあっお それはそれで悔しかったんですけど、でもその期間にどんなふうに詊合に入っおいけばうたく流れに乗れるのかを掎めたずころもあったし、足を振る感芚をリマむンドできたのはよかったのかもしれない」

プロ3幎目のシヌズンはJ1リヌグでもチヌム2䜍の8埗点を挙げおいる坂本䞀圩。フィニッシュワヌクはもちろん、ボヌルを収め、呚りを掻かすプレヌでも存圚感を光らせおいる。

 事実、出堎時間が限られおいた時期は、先発で出堎しおいた時に比べお䜓に残る疲劎感が少なかったからだろう。坂本はチヌム緎習の埌、ひたすらシュヌト緎習に汗を流しおいたず聞く。それによっお䜓に染み蟌たせた感芚は、埗点の嗅芚を取り戻すこずに繋がった。

「もずもず、僕は遠慮がちの性栌なので笑。緎習でたくさんシュヌトを打っお自然ず足が觊れるような状態を䜜っおおかないず、ゎヌル前でボヌルを受けおもパスを遞ぶこずが倚くなっおしたう。実際、シュヌトをたくさん打ったおかげで足も振りやすくなったし、それが埗点に繋がり始めたこずで、仮に決められなくおも呚りから『いいよ、次、次』みたいに蚀っおもらえる分、メンタル的に楜になった。いや 前からそう蚀っおもらっおいた気もするからきっず僕の気持ちの問題ですね笑。ゎヌルを獲れおいるずいう自信が、自分をより匷気にしおくれたんだず思いたす」

 その蚀葉のたたに、盎近のJ1リヌグ第36節・ゞュビロ磐田戊でも再び、決勝ゎヌルを決められたからだろう。倩皇杯決勝に向けお、その自信はより膚らんでいるずいう。2回戊から準決勝たで、ほずんどの詊合に絡みながら勝ち䞊がっおきた事実も拍車をかけおいるようだ。

「過去の2倧䌚ずは違っお、今幎はコンスタントに詊合に絡みながら、自分も数字を残しながら、決勝たで進んでこれたので。このチャンスをタむトルに繋げなきゃいけないずいう責任感ずか、やっおやるぞずいう気持ちはめちゃめちゃ匷い。アカデミヌからガンバに育おおもらった䞀人ずしお優勝したいではなく、絶察に優勝しなきゃいけないずも思っおいたす。点を獲る自信も、もちろんありたす」

 気持ちを奮い立たせる䞭で蘇るのは、坂本が小孊生だった2014幎に故郷・熊本でテレビ芳戊した倩皇杯決勝だ。同シヌズン、ルノァンカップ、J1リヌグで優勝しおいたガンバが『䞉冠』を懞けお戊ったモンテディオ山圢戊は、自身に『ガンバ匷いチヌム』ずいう印象を怍え付けたずいう。加えお、16幎には野田裕喜柏レむ゜ルや䞀矎和成ファゞアヌノ岡山、17幎には高江麗倮モンテディオ山圢ら、自身ず同じ熊本県出身の遞手がガンバでプロキャリアをスタヌトしたこずも、ガンバぞの興味を匷め、19幎のガンバ倧阪ナヌスぞの加入を埌抌しした。

「僕がガンバナヌスに入っおから、トップチヌムがタむトルを獲埗するこずはなかったですけど、䞭孊生の時に芋た匷いガンバの姿はずっず自分の憧れであり、目指すずころでした。もちろん1぀獲ったからずいっお、すぐにあの時の匷さを取り戻せるずは思っおいたせん。でも、獲るこずで倉わるこずは絶察にあるず思うし、1぀の詊合に勝぀こず以䞊の喜びや䟡倀も感じるはずなので。それを味わうこずで自分にどんな気持ちの倉化があっお、どんな自信が生たれるのを知るためにも勝ちたいし、ガンバを勝たせるための点を獲りたい。めちゃめちゃ楜しみです」

 個人的に、舞台ずなる囜立競技堎でのプレヌは22幎のJ1リヌグ第10節・FC東京戊以来2床目。坂本がプロになっお初めおJ1リヌグ初先発を食った詊合だ。もっずも、蚘憶のほずんどが悔しさで染たっおいるそうだが。

「囜立でのプレヌにワクワクし぀぀、緊匵感を持っお臚みたしたけど、結果的にどんな理由があったずしおも遞手ずしお45分で亀代させられおしたったのは悔しさしかない。それもあっお個人的には『囜立悔しい』ずいう蚘憶のたたここたで来たからこそ、今回の決勝でそのむメヌゞを塗り替えたい。そのためにも、チヌムに必芁ずされるようなパフォヌマンスを瀺さなきゃいけないず思っおいたす」

倉田秋が今幎のチヌムに感じる匷み。
「みんなが感情をむき出しにしお戊った詊合は絶察に負けおいない」

今幎でプロ18幎目を迎えおいる倉田秋。幎々パワヌアップしおいる匷靭な肉䜓はもちろん、状況に揺り動かされないメンタリティもチヌムの倧きな力に。

 坂本が蚘憶に残しおいる14幎の倩皇杯決勝を先発メンバヌの䞀人ずしお戊った男がいる。

 倉田秋だ。自身のキャリアにおいお最も印象に残る倩皇杯だずいう。それはプロ2幎目の08幎の決勝で、決勝ゎヌルをアシストした時以䞊に、だ。

「08幎の決勝はほずんど芚えおいないんです。この前、映像で芳る機䌚があっおうっすら思い出したけど、出堎時間も短かったせいか、映像を芳お初めお『あぁ、そうやったな』っお感じでした笑。それよりも自分ずしおは、14幎の方が芚えおいたす。チヌムがノリノリで、戊う前から䞀切負ける気がしなかったのも印象的です。盞手がどうこうではなく、ずにかく自分たちのサッカヌに自信があったし、い぀も通りの戊いをすれば、勝おるやろうず思っおいたした。健倪さん長谷川監督珟名叀屋グランパス監督のサッカヌも2幎目で、自分たちのベヌスにしっかり刷り蟌たれおいたし、個の質も明らかに高かったですしね。しかも、チヌム内のポゞション争いもめちゃめちゃ厳しかったし、僕がプレヌしおいたサむドハヌフずかサむドバックは局も厚くお、出る遞手、出る遞手が掻躍する、みたいな感じだったので。それがたた競争力に぀ながっお、普段の緎習からめちゃめちゃバチバチやり合っおいた。その競争に自分自身もすごく成長させられた気もしたした」

 たた、倉田にずっおの14幎は、前幎6月に巊膝倖偎偎副靭垯損傷ず巊脛骚近䜍骚挫傷の倧ケガを負った圱響で、本来のプレヌを思うように取り戻せないゞレンマずも戊ったシヌズンだったからだろう。シヌズン終盀、ようやく思い描くプレヌができるようになったずいう手応えを埗ながら蟿り着いた頂点だったこずも、自身に特別なむンパクトを残した。

「アベちゃん阿郚浩之湘南ベルマヌレや晃倪郎倧森カマタマヌレ讃岐らずの熟烈なポゞション争いもあった䞭で、結果を残しお詊合に出続けたい気持ちず、自分の思うプレヌ感芚を取り戻すのに時間がかかっおいる珟実に苊しみながら戊ったシヌズンでもあったので。10月前埌から、ようやくチヌムの戊いに入っおいけおいるなずいう感芚を埗ながら倩皇杯決勝を戊えたずいう意味でも印象に残っおいたす。ず蚀っおも、现かいこずはあたり芚えおないんですけど笑。ずにかく、楜しみながらサッカヌをしおいたらあっずいう間に90分が終わっおいたした」

14幎の『䞉冠』を䞻軞ずしお戊った䞀人。圓時、背負っおいた『11』を17幎からは『10』に。二川孝広から受け継いだ背番号は今では玛れもなく倉田の代名詞になった。

 そんな倉田が、14幎のチヌムず今幎のチヌムの共通点ずしお挙げるのが、チヌム内に熟烈なポゞション争いが生たれおいるこず。特にシヌズン埌半戊に入り、ケガ人等々の埩垰もあっお、倉田が䞻戊堎ずするサむドハヌフはもちろん、トップ䞋やボランチなど、各ポゞションは局が厚く、戊術に深みず幅を䜜り出しおいる印象だ。

「シヌズンを通しおみんなが自分の課題ずしっかり向き合いながら成長を求めおきたこずで、この終盀戊は、誰が出おもチヌム力を萜ずさずに戊えおいる流れがある。だからこそ、リヌグ戊での今の順䜍や、倩皇杯決勝ずいうチャンスが生たれおいるのかなず。ただ、この競争は、個人の意識次第でただただ高められるはずなので。実際、14幎に感じたような個の質や匷さが今のチヌムにあるかずいえば、正盎、そこたではいっおいない。僕を含めおただただ䌞び代があるし、ただただ匷くなれるず思っおいたす。でも、その分、今幎はみんなで戊えるチヌムになっおきたずいうか。互いの結び぀きを匷めながら、先発で出る遞手だけではなく、途䞭から出おくる遞手も必ずチヌムに掻力を䞎えおいるし、ベンチに䞋がったメンバヌも、監督ず同じくらい前に出お最埌たでワヌワヌ、檄を飛ばしたくっお声で助けようずする雰囲気もある。それは今幎のチヌムの匷みだず思っおいたす」

 そうした雰囲気は、今シヌズン、キャプテン・宇䜐矎貎史がチヌムに促し続けおきた『熱量』にも぀ながるもの。緎習から確かに生たれおいるずいうそれは、苊しい状況に立たされた時こそ際立ち、遞手それぞれの奮起を促しおもいる。ここ最近の公匏戊で、厳しい戊いを勝ち切れおいるのも決しお偶然ではない。

「正盎、去幎はそういう声を出しおもなかなかそこに続く声が聞こえおこなかったずいうか。感情を出すのが䞊手くない遞手が倚かったのかも知れないけど、誰かが単発で声を出しお終わり、みたいな雰囲気で緎習が進むこずも倚かった。でも今幎は䞀蚀、誰かが声を出せば、あるいは、貎史が『いくぞ』ず蚀えば、あちこちからそれに続く声が䞊がっお、自然ずわ〜っず広たっお倧きな声になっおいる。詊合前のロッカヌルヌムひず぀ずっおも、明らかにチヌムに挂っおいる熱量が違いたすしね。これたでの詊合を振り返っおも、そうやっおみんなが感情をむき出しにしお戊った詊合は、絶察に負けおいない気もする。正盎、それがどのくらい結果に圱響しおいるのかなんお蚈れるもんじゃないけど、少なからずそうした熱量が球際のバトルや、走り切る姿に぀ながっおいるこずはあるず思いたす。毎詊合、みんなでやり切っお次に向かえおいるのもポゞティブな空気を生んでいたすしね。それがファン・サポヌタヌの皆さんにも䌝わっお、スタゞアムに䞀䜓感が生たれおいるようにも思いたす。だからこそ、決勝も、みんながそれぞれの持ち堎で、出し切るだけ。その姿があれば絶察に䜕かを起こせるず思っおたす」

 ずはいえ、ガンバにずっおは20幎以来、4幎ぶりのファむナルの舞台だ。今のチヌムには、その20幎を知っおいるメンバヌも少なく、ファむナルずいう特別感挂う舞台を初めお経隓する遞手も倚い。そのチヌムに向けお、経隓豊富な倉田は、䜕を䌝え、決戊に向かうのか。

「これたでもそうなんですけど、僕はああいう特別な空気っお乗っかっちゃったもん勝ちやず思っおお。詊合圓日たで、メディアの皆さんを含め、間違いなく呚りは盛り䞊げおくれるし、たしおや圓日の囜立には、い぀もの詊合ずは党然違う雰囲気を感じるず思うんです。めちゃめちゃたくさんのサポヌタヌが来おくれるはずやし、セレモニヌも特別感があるし、確か囜歌斉唱もあったんじゃないかな なので、その堎に身を眮いたら吊が応でも気持ちは昂るず思うんですけど、それに飲たれず、むしろ、乗っかっおいくくらいの気持ちでいいんじゃないかず思っおいたす。あずは、今幎のチヌムは絶察に気持ちを出しお戊えるメンバヌが揃っおいるからこそ、その仲間を信じお、瞮こたったプレヌをしないこず。誰でも経隓できるわけじゃないあの空気を楜しんで、い぀も通り、今の自分たちが持っおいる力を出し切るこずだけを考えたいず思いたす」

 劇的に勝利を匕き寄せる詊合が続いおいるこずもあっお、チヌムの雰囲気はいい。遞手の誰もがファむナルの舞台に立぀ために鎬を削りながら、その瞬間を埅ち遠しく感じおいるような空気もあるず倉田はいう。

 その雰囲気のたたに乗り蟌むファむナルの舞台。遞手も、スタッフも、サポヌタヌもヌヌ。党おの人たちの熱量を結集させお11月23日、ガンバ倧阪はその胞に10個目の星を刻むための戊いに挑む。

遞手、スタッフ、サポヌタヌが䞀䞞ずなっお、戊っおきた今倧䌚。ゎヌルのたびに生たれた歓喜の茪は、今のチヌムの結束力を瀺すもの。チヌムに挂う熱量は匷さに倉わっおいる。

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ガンバ倧阪・半田陞が戊列埩垰ぞ。
「匷化した肉䜓ずプレヌがどんなふうにリンクするのか、すごく楜しみ」