COLUMN

REIBOLA TOP > コラム > Vol.115 2025年。

Vol.115 2025年。

  • 2025.01.07

    Vol.115 2025年。

発源力

©FCMZ

2025年が始まりました。今シーズンもどうぞよろしくお願いします。

1月3日にリリースされた通り、今シーズンもFC町田ゼルビアの一員として戦います。

僕にとってはゼルビアでの2シーズン目ということもあって、昨年のこの時期とはまた違う気持ちで新しい年を迎えています。言うまでもなく、昨シーズンは移籍を決断した中で、新天地でどんなプレーができて、どういうキャリアを築けるのか。どんな仲間と出会い、どんなサッカーをするのか、まっさらな状態からシーズンが始まりましたが、今年は違います。昨年の戦いを通して得られた経験値、ゼルビアのサッカー、このクラブにおける自分の立ち位置みたいなものが明確な中で新たなシーズンが始まりますし、その分、少し肩の力を抜いてスタートできる感覚もあります。引き続き、黒田剛監督のもとで戦うことから、まだ始動していないこの時期でさえ、どういうコンディションや心構えで準備を進めればいいのか、いろんなことを予測して過ごせるのもアドバンテージになっています。

と言っても、僕はもともと、オフシーズンにはあまり『サッカー』をしないため、今オフも基本的にそこは変えていません。始動してからは必然的にサッカーどっぷりの毎日になることからも、敢えてボールを蹴らないことで自分の中に新鮮さを呼び起こしたいからです。ただ、昨年を想像してやや早めには動き出し、ランニングマシーンで走ったり、バイクを漕いで心肺機能を高めたり、ということは続けてきました。また、この時期は自然と筋肉が落ちるため、それを取り戻すだけではなく少しボリューミーにしようと、重い重量の筋トレにも取り組んで来ました。

あとは、いつもよりゆっくりと家族との時間を過ごしてエネルギーを蓄えられたのも僕にとっては有意義な時間でした。昨年、我が家に第三子が誕生したばかりということもあり旅行こそ控えましたが、3年ぶりにユニバーサルスタジオジャパン(USJ)に行ったり、買い物に出掛けたり、穏やかな時間を過ごしました。
そのUSJでは、長男が絶叫系のアトラクションに乗れる身長になっていたことに成長を感じつつ、長男と二人で、スーパー任天堂ワールドエリアのドンキーコングのクレージー・トロッコに乗ったりもしました。思いの外、絶叫系だったことから息子は内心ビビっていたのか、終始体に力が入っていてあまり楽しそうではなかったのもいい思い出です(笑)。

また、新年を迎えてからは1月3日に勝尾寺に初詣にも出掛けました。昨年もここにお詣りに行って、チームとしても僕自身も、いいシーズンを過ごせたことから、今年も同じ勝尾寺に足を運びました。おみくじを引く際には巫女さんから「願い事を心の中で1つ思い浮かべて引いてください。その願い事に対してのお言葉が書かれています」と言われたので、その通りにサッカーについての願い事を1つ、思い浮かべて引いたら、ぴったりの言葉をもらえたのも嬉しかったです。ここでその願い事の内容を明かしてしまうとご利益が薄れてしまいそうなので控えますが、自分としては真っ直ぐにその言葉と向き合って1年を過ごしていこうと思える言葉だったということだけ伝えておきます!

さて、そんなオフシーズンを過ごし、明日8日にはいよいよ新チームが始動します。スタートにあたって描いている個人的な目標は、シーズンを通して離脱を余儀なくされるような大きなケガをしないこと。これは昨シーズン、コンスタントに公式戦を戦うことができればいいパフォーマンスを継続できるという手応えを得られたからでもあります。当然ながら、年齢が上がるほどいろんなケアは必要だし、シーズン中は僕に限らずほとんどの選手が大なり小なりケガを抱えながらプレーすることもあります。ですが、改めて試合を継続して戦うことでしか得られないコンディションがあると実感したからこそ、今シーズンも第一にそこを自分に求めたいと思います。

また、昨年を通してキャプテンという仕事を任された中で、改めてチームの大黒柱というか、精神的支柱として信頼されるような存在になっていこう、ということも自分に課しています。チームというのは、苦境に立たされた時、困難に直面した時に、しがみつける戦術やスタイル、人がいれば必ず這い上がっていけます。僕が一緒に仕事をさせてもらった選手でいうと鹿島アントラーズ時代の満男さん(小笠原)や日本代表のハセさん(長谷部誠)さんが真っ先に思い浮かびますが、彼らはたとえ何人にしがみつかれようと絶対に揺らがない、絶対的な大黒柱でした。いや、揺らがないどころか、しがみついてきた全員を引っ張り上げられるくらいの強さも備えていました。

そういった存在がチームにいれば、苦しい状況に置かれてもチームがそのまま沼に沈んでいくことは絶対にありません。戦術やスタイルの部分は黒田監督が引き続き、チームに落とし込んでくれるからこそ、僕はその「人」の部分で力になれるようにしていきたいです。もちろん、昨年もそういう意識でキャプテンという仕事を預かってきましたが、自分がそのレベルの存在になれたのかを振り返ると、自信を持って示せたなと思えるような試合もあった反面、もっとやれたんじゃないか、これで良かったのかなと半信半疑のところもあり……。だからこそ今年はキャプテンであろうと、なかろうと、そうした半信半疑の部分を確信に変えられるようなシーズンにしたいと思います。

またチームとしての目標は、始動後に監督から伝えられるはずなので、あくまで現時点で僕が思うことで言うと、先にも書いたような『2年目』の難しさをしっかり乗り越えていくためにも、チームとして地に足つけて戦っていきたいと思っています。スタッフ、選手の入れ替わりもあった中で、昨年とは違う種類の逆風に立ち向かわなければいけないことも出てくるはずですが、そこにしっかりとみんなで向き合って、最初から最後まで全力で戦い抜きたい。その上で、ゼルビアに関わるすべての人たちと共にたくさん笑って、喜び合えるシーズンにしたいと思います。

  • 昌子 源Gen Shoji
  • Gen Shoji

    1992年12月11日生まれ。
    兵庫県出身。
    11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
    18年12月にトゥールーズFCに完全移籍。すぐさまレギュラーに定着するも2シーズン目はケガに苦しみ長期の戦線離脱に。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年から3シーズンはガンバ大阪で、23年は鹿島アントラーズでプレー。24年はFC町田ゼルビアに完全移籍となった。
    14年に日本代表に初選出。2018FIFAワールドカップ ロシア出場。

  • アカウント登録

  • 新規会員登録の際は「プライバシーポリシー」を必ずお読みいただき、ご同意の上本登録へお進みください。