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Vol.128 シーズン初のリーグ4連勝!

  • 2025.07.15

    Vol.128 シーズン初のリーグ4連勝!

発源力

©FCMZ

J1リーグ後半戦は、第20節・湘南ベルマーレ戦に始まり、直近の第23節・清水エスパルス戦まで、今シーズン初の『4連勝』を飾ることが出来ました。
全体を見渡せば、いずれの試合も『先制点』を奪えたことが流れを良くしてくれたし、日を追うごとに暑さが厳しくなっている状況下でも、全員がハードワークを惜しまず、チームのために戦えたことも結果に結びつく大事な要素だったと思っています。また、前半戦最後の試合となった第19節・横浜F・マリノス戦で3失点を喫してしまった『守備』のところでも、昨年のような『堅守』を示せるようになってきました。

中でも、中断明け最初の試合で、FC町田ゼルビアとしては公式戦で一度も勝ったことのなかった湘南にようやく勝てたこと。ダントツで首位を走っていた鹿島に勝利できたことは、間違いなくチームを勢いづける白星になりました。また、続く第22節・アルビレックス新潟戦も、鹿島とは対照的な降格圏で苦しむチームとの対戦となり…。特に相手は監督が交代した直後というチーム状況も相まって、難しいアウェイ戦になりましたが、拓真(西村)や相馬(勇紀)といったシャドーの選手の躍動にも助けられて、前半終了間際に相手のゴールをこじ開けられたことがチームにいい流れを生んでくれました。

また4試合のうち2試合をホーム、町田GIONスタジアムで戦って、結果を出せたことも僕らにとってはさらに大きなエネルギーを貯める要素になったと思っています。前半戦はホームでわずか2勝しかできなかったことを受け、改めて『ホームで勝つこと』に対して強い気持ちを持ってスタートした後半戦でしたが、そのホームゲームで連勝を飾り、たくさんのゼルビアファン・サポーターの皆さんと喜べたのも嬉しかったです。しかも、鹿島戦ではGスタ史上最高入場者数を数えた『満員のGスタ』が僕らを後押ししてくれましたし、23節・清水エスパルス戦では、それにも増して「これぞ、ホーム!」という雰囲気で試合を戦えて、心強かったです。

僕は前回の発源力で『町田特有の強さ』を備えたチームになっていきたいという思いを伝えましたが、そこには当然、ファン・サポーターの皆さんや、皆さんが作り上げてくれるスタジアムの雰囲気も含まれています。VOL.126でも書いたような『圧倒的なホーム感』がGスタに漂うようになれば、間違いなくそれも僕らの強さに変わっていくと思うからです。
ただし、それは他のチームの戦い方や応援を真似ればいいということではありません。どこかの『真似』である限り、それは『特有の』ものにはならないからです。そうではなくて、クラブが受け継いできた伝統や姿勢は大事にしながらも、そこに新たに上乗せしていく何かーー。例えばGスタであれば、ゼルビアサポーターが本来備えている『心の感じられる温かい応援』とか『仮にわずか半年間の在籍だったとしても一度はゼルビアの仲間として戦ったことのあるアウェイチームの選手を必ず拍手で迎え入れる姿勢』、また『無闇矢鱈に、相手チーム、選手を罵るようなことはしないモラルのある声援』『自チームだけではなく相手選手にもリスペクトを持った応援』は、伝統として継承しながら、相手チームの選手がGスタに足を踏み入れただけで、なんとなく緊張感が増したり「ここで戦うのは大変だな」と思わせるような何か。それは、鹿島戦のような『満員のスタジアム』なのかも知れないし、直近の清水戦で感じたスタジアムの『一体感』も1つかも知れません。

事実、清水戦で僕たち選手はいつもに増して、スタンドのファン・サポーターの皆さんが一緒に戦ってくれている心強さを感じながら試合を進めていました。
ゴールシーンを喜ぶだけではなく、いいプレーには歓声やどよめき、拍手が湧き起こったり、マイボールになるはずのボールが相手ボールになった時には、選手と一緒になって異を唱えてくれたり。ハチ(岡村大八)に対する相手選手のファウルの際には「このスタジアムでそれは許さない」と言わんばかりにブーイングが起きたシーンもありました。
『ブーイング』というワードにはネガティブな印象もありますが、僕はハチのシーンのように、本当に危ないファウルや、仲間やチームを守るためのそれは時にあってもいいんじゃないかと思っています。実際、この日もそうした試合の流れを汲んだスタンドの反応は、頼もしさしかなく、何より、それが相手チームに対する圧になっていたような気がしたのも嬉しいことでした。
そんな、雰囲気を感じて、僕たち選手も「やらなければ!」という気持ちにさせられたし、そんなふうに『お互いが呼応しながら戦っている感』みたいなものは、実際にGスタに足を運んでくださった方も感じられたのではないかと思います。また漠然とながら、こうして1つ1つ、選手とファン・サポーターの皆さんが互いを認め合って、積み上げていくことも『特有の』財産になっていくのかもしれないとも感じました。

7月7日には今シーズンのJリーグ第二登録期間(ウインドー)が開いたことを受け、新たに朝陽(増山)の加入が発表されました。毎年のことながら、ここからウインドーが閉まる8月20日までは、Jリーグの各チームが少しずつ変化を見せながら終盤戦の戦いに向かっていきます。
4連勝を受けて、首位・柏レイソルとの勝点差は7に縮まりましたが、7位という順位の通り、まだまだ乗り越えなきゃいけない壁(チーム)はたくさんあるし、昨年の経験からもここからが本当の意味での正念場です。
現時点で自分たちより上位にいるチームのうち、鹿島との対戦は終わりましたが、それ以外の5チームとの直接対決は残していることを考えても、この先の戦いの重要性は言うまでもありません。
特に、今週末の第24節・東京ヴェルディ戦のあとには、8月10日の第25節・ヴィッセル神戸戦を皮切りに3試合、Gスタでのホームゲームが続きます。その戦いに『5連勝』で戻ってくるためにも、まずは目の前の東京V戦での白星を全力で獲りにいきます!

  • 昌子 源Gen Shoji
  • Gen Shoji

    1992年12月11日生まれ。
    兵庫県出身。
    11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
    18年12月にトゥールーズFCに完全移籍。すぐさまレギュラーに定着するも2シーズン目はケガに苦しみ長期の戦線離脱に。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年から3シーズンはガンバ大阪で、23年は鹿島アントラーズでプレー。24年はFC町田ゼルビアに完全移籍となった。
    14年に日本代表に初選出。2018FIFAワールドカップ ロシア出場。

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