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Vol.131 クラブ史上初の天皇杯ベスト4進出。

  • 2025.09.02

    Vol.131 クラブ史上初の天皇杯ベスト4進出。

発源力

©FCMZ

天皇杯準々決勝・鹿島アントラーズ戦を3-0で勝利し、FC町田ゼルビアとしては初めての『ベスト4』進出が決まりました。
昨年、J1リーグに昇格したゼルビアがこの先、強豪クラブの仲間入りをしていく未来をできるだけ早く実現するには、各大会におけるコンスタントな上位争いは不可欠です。だからこそ、今回のベスト4進出もクラブをまた一歩、前に進める出来事だと受け止めています。

鹿島戦は、『公式戦5連戦』の4試合目にあたる試合でしたが準々決勝ともなれば、まして、相手が同じJ1クラブで、リーグ戦で上位争いをしている鹿島アントラーズとなれば、当然、ターンオーバーなど生ぬるいことは言っていられません。ということから、黒田剛監督の考える「現時点でのベストメンバー」で臨みましたが、その中でチョイスされた朝陽(増山)が活躍したこと。ここ最近は少し出番が減っていた北斗くん(下田)や途中出場のシラ(白崎凌兵)らが、普段の練習からしっかりと準備している姿を、そのままパフォーマンスで示してくれたこと。直近のJ1リーグ第27節・横浜F・マリノス戦は出場停止だった翔太(藤尾)が、その一戦をスコアレスドローで終えたことに対して、いい意味で自分に責任を向けて得点への意欲を示し、追加点を奪ってくれたことは、チームにとってすごくポジティブな要素でした。
また、この試合は『連戦』での試合だったことからも、攻守におけるセットプレーが結果を分けるんじゃないかと考えていた中で、そのセットプレーから朝陽と翔太が得点を奪い、おまけに、後半立ち上がりに北斗くんがエグいロングシュートを決めてくれたことで、勝負があったと感じています。さらに言えば、70分からピッチに立ったシラの姿もすごく心強かったです! 途中出場という難しい状況下ながらギア全開で試合に入ったシラが、ファーストプレーから迫力のある『球際』を示してくれたことが、チーム全体への檄になり、最後まで集中を切らさず無失点でゲームを締めくくることにも繋がりました。

また僕自身は、流帆(菊池)やハチ(岡村大八)が不在の中、久しぶりに3バックの真ん中を預かりました。そもそも、僕と彼らとはプレースタイルが違います。だからこそ、最初から「彼らと同じプレーはできない」と割り切って、できるだけハイラインを保つことや、こまめなラインコントロールなど、僕なりの『真ん中での勝負の仕方』を心掛けていました。その中で、左の雄太(中山)や右のイボ(ドレシェヴィッチ)とも連携しながら、大崩れせず、鹿島の強力なFW陣にほとんど仕事をさせることなく、試合を締めくくれてホッとしています。

実は、この試合を迎えるにあたり、僕自身は4日前に戦った、マリノス戦後に感じた雰囲気をどう振り払えるかもキーになると思っていました。
というのも、マリノス戦をスコアレスドローで終えた後、チームにはなんとなく『負けた雰囲気』が漂っていたからです。当然、僕自身も、自分たちより下位のチームから勝利を掴めなかったことや、リーグ8連勝が止まったことに対する悔しさはありました。ですが、一方で改善点はあるにせよチームのコンセプトである『無失点』は遂行できたし、何より、アウェイで勝点1を積み上げられた事実は、長いリーグ戦を考えれば決してネガティブなことではありません。試合後、黒田監督がおっしゃった通りだと思います。
「今日の結果は取り返せない。次は大会が変わるけど、自分たちがやってきたことを鹿島相手にしっかり出せれば、必ずまた波に乗っていける。この先も簡単な戦いはないけど、またここから、この先の試合で連勝していくためにみんなで戦おう」
その言葉に対してチームとしてどんなリアクションを示せるか。個々がしっかり気持ちを切り替え、今一度、自分たちのサッカーを示せるか、を含め、鹿島戦はシーズンの分岐点になるかもしれないと感じていました。であればこそ、チーム全員がしっかりと気持ちを切り替え、結果を掴めたのはすごく意味があることだと思っています。

また、そうした中で、改めてリマインドしたのは、この先、AFCチャンピオンズリーグ・エリートの戦いも始まる中で、より大きな緊張感と向き合うことになる終盤戦では、それぞれの戦いの結果を、自分たちに『都合よく変換』していくべきだということです。
この先、どんな戦いが待ち受けているのかは誰にもわかっていませんが、これまで以上に大きなプレッシャーに直面することは間違いありません。シーズン終盤の優勝争いはリーグ戦にせよ、カップ戦にせよ、想像以上にピリつくし、まして、ACLEのアウェイ遠征では環境の違いを含めたいろんなストレスを抱えることも目に見えています。知らず知らずのうちに、ネガティブな方向に気持ちを持っていかれるようなことも起きます。そうした状況に巻き込まれないためにも、目の前の試合で起きたこと、出た結果に対して、選手個々がしっかりと自分の気持ちをコントロールし、起きた事実を『自分たちに都合よく変換できるか』は、すごく大事になってきます。
例えば、仮にACLEのスタートでこけるようなことがあっても「まだまだ7試合も取り返せるチャンスがある」と考えればいいし、リーグ戦での『負けなし』記録が止まったとしても「まだまだ首位を狙える位置にいる」と切り替えればいい。そんなふうに出た結果に対して、反省、改善はしながらも、自分たちに都合のいいように解釈して進んでいくことが、この痺れる争いに生き残っていく手段にもなるはずです。そう思えばこそ僕もキャプテンとして、そういうポジティブな促し方をしながらチームを引っ張っていこうと思います。
これは、ゼルビアに関わる人たち、サポーターの皆さんにもお願いしたいことです。この先、1つの結果にナーバスになりすぎず、今シーズンの戦いを通して感じてくださっているであろう、ゼルビアの強さ、逞しさを信じ、状況に揺り動かされずに最後まで一緒に戦い抜いて欲しい。その姿を『ゼルビア』に関わる人たち全員で遂行できれば、シーズンが終わった時にはその姿に相応しい結果が出ているんじゃないかと思っています。

  • 昌子 源Gen Shoji
  • Gen Shoji

    1992年12月11日生まれ。
    兵庫県出身。
    11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
    18年12月にトゥールーズFCに完全移籍。すぐさまレギュラーに定着するも2シーズン目はケガに苦しみ長期の戦線離脱に。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年から3シーズンはガンバ大阪で、23年は鹿島アントラーズでプレー。24年はFC町田ゼルビアに完全移籍となった。
    14年に日本代表に初選出。2018FIFAワールドカップ ロシア出場。

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