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Vol.132 ACLE2025/26の戦いが始まります!

  • 2025.09.16

    Vol.132 ACLE2025/26の戦いが始まります!

発源力

9月16日のFCソウル戦を皮切りに、FC町田ゼルビアが初めて挑む『AFCチャンピオンズリーグ・エリート2025/26(ACLE)』の戦いが始まります。個人的には7度目の出場とはいえ、僕が最後に同大会を戦ったのは21年です。その時とはまた少しレギュレーションが変わったと考えても、またゼルビアとしては初めて臨む大会であることからもすごくワクワクしています。
近年のACLEを戦っていないので僕の過去の記憶が参考になるのかは分かりませんが、間違いなくJリーグとは違う様々なイレギュラーと向き合うことになるはずだし、まして初めてのスタジアムで戦うアウェイ戦ではきっといろんなアクシデントに直面することが予想されます。『試合をする』ことに変わりはなく、ACLEだからと特別、プレーを変える必要はないと思っていますが、ピッチ外のところでは…特にアウェイ戦では普段とは違うストレスを感じてることも出てくるはずです。また、クラブスタッフの方にとっても初めてのこと尽くしで毎試合、相当の労力を要するんじゃないかと思います。遠征等に関する準備のところでもいつもと違う大変さがあって、準備する量も、中身も変わってくるはずです。現地に到着してからも想定外のアクシデントに直面するのは必至で、その都度、スピーディな判断力を求められることになると思います。
そう考えても、ACLEはチームだけではなく、クラブの総力を上げて臨まなければ太刀打ちできない大会だと思っています。そのことにクラブに関わる全員が気持ちを揃えて、多少のアクシデントも面白がってやり過ごすくらいの心の余裕を持って臨みたいです。また、ACLEはユニフォームに『日の丸』が入ることからも分かる通り、日本を代表してアジアに臨む大会でもあります。僕らがいい戦いができれば、日本、Jリーグをアピールすることに繋がりますし、逆に情けない戦いをしようものなら日本、Jリーグの評価を下げることになりかねません。つまりは日本サッカー界、Jリーグの価値をアジアで示すための戦いだということもしっかり頭に置いて臨もうと思っています。

またサポーターの皆さんも『未知の大会』だと感じている方が多いはずですが実際、スタジアムに足を運べば、Jリーグとはまた違った雰囲気を体感することになると思います。それを皆さんにもぜひスタジアムで体感してもらいたいし、ゼルビアがアジアを戦う姿をその目にしっかりと焼き付けてもらいたいと思っています。
かつて、僕は18年にイランの地でACL決勝を戦ったことがあります。ペルセポリスFCのとのホームでの第1戦を2-0で折り返した僕たちは、第2戦、テヘランのアザティ・スタジアムに乗り込みました。入場者数はなんと10万人!! もちろんその雰囲気ではピッチでの『声』も全く通らず、終始、ブブゼラやブーイングを浴びせられまくるという『ド・アウェイ』の戦いを強いられました。ですが、それだけのド・アウェイの中でも、日本から足を運んでくれた200人強の鹿島アントラーズサポーターからふとした瞬間に聞こえてくる『アントラーズコール』にめちゃめちゃ元気をもらったし、その都度、背中を押してもらったのを覚えています。
その経験からも、ゼルビアサポーターの皆さんにはぜひ、一緒にアジアを戦ってもらいたいです。もちろん、ACLEのアウェイ観戦はJリーグ以上に距離もお金もかかるはずだし、ホーム戦も平日開催でなかなか足を運びづらいかもしれません。もしスタジアムに足を運ぶのが難しければDAZN越しの応援でも嬉しいです。ぜひ、僕たちに大きな勇気を送ってください。

過去のACLでの経験を思い出した時に、パッと思い浮かぶことがいくつかあります。
1つ目は純粋に、アジアを戦う面白さです。Jクラブとは戦い方も違いますし、クラブによっては世界的に名を知られた強力な外国籍選手が在籍していまます。例えば、初戦のFCソウルに在籍するジェシー・リンガード選手もかつてイングランド代表としても活躍した選手です。そういった世界の猛者たちはもちろん、名前は知られてなくても「こんな、すごい選手がいたのか!」みたいな衝撃を受けることが多々あります。また、海を跨いだ『クラブVSクラブ』の対戦は、代表戦で外国勢と戦うのともまた違った面白さがあります。国ごとにサッカースタイルにも特徴があって、駆け引きの仕方も全然違ってきます。かつて衝撃だったのがシドニーFC(オーストラリア)と対戦した際、ボールのないところで僕の手を向こうから掴んできて自分の体に当て、まるで僕が手で押したかのような駆け引きをする選手がいたことでした。今の時代はVARがあるのでそこまでのことをしてくるかは分かりませんが、いずれにせよそうしたラフプレーに対するレフェリーの笛の基準も大きく違います。試合全体を通しても、Jリーグとは違う笛の基準に戸惑うことも出てくるかもしれません。そこに翻弄されないように、早めにレフェリーの基準や性格を察知するのもすごく大事になってくるんじゃないかと思っています。
また、過去にJリーグで対戦したことのある選手が、自国のリーグでは全く違う顔を見せてくるというのも国を跨いだ戦いの特性かもしれません。特に韓国人選手はそれが顕著で、Kリーグのクラブの選手として対峙すると、Jリーグでは感じられなかった強さや「ここもビビらず飛び込んでくるのか」みたいな激しさを感じることもよくあります。これは代表戦でもよくみられる『国』を背負うことによる責任感があってこそだと思います。そういう意味では、知っている選手ほど事前データが実はあまり参考にならないというのもACLEならではかもしれません。
…というように挙げればキリがないほど、Jリーグとは全く違う戦いになる難しさもありますが、戦いを重ねるごとにそれが面白さに変わっていくのもACLEです。何よりこうした国際試合を経験することで個人としてはもちろん、チームとして備えられる『逞しさ』は必ずあります。それをまたチームの強さに変えていけるように、アジアを代表するクラブになっていけるように1戦1戦、全員で戦っていこうと思います。

最後に、少し流帆(菊池)の話を。先日、流帆の長期離脱が発表されました。彼のキャラクター、プレースタイルは皆さんも知っての通りで、あの『ファイター』たる姿をピッチで感じられなくなるのは、チームとしてもかなり痛いです。彼自身は明るく「またすぐに戻ってきます!」と言って、すでに「よっしゃー! よっしゃー!」と叫びながらリハビリに向き合っていますが、流帆がどれだけ悔しい思いをしているのかは、計り知れません。ただ、僕たちにできるのは彼が強くなって戻ってくるのを待つことと、チームとしての結果を出し続けることに他なりません。それがきっとまた流帆のパワーになると信じます! だからこそ、彼の思いもしっかり背負ってこの先の戦いを進めていこうと思っています。そういえば、流帆が「ゼルビアサポーターのみんなはSNSの反応が薄すぎる!」と少し残念がっていました(笑)。そこにしたためられるポジティブな言葉は彼のパワーに変わると思いますので、ぜひ、反応してあげてください!

  • 昌子 源Gen Shoji
  • Gen Shoji

    1992年12月11日生まれ。
    兵庫県出身。
    11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
    18年12月にトゥールーズFCに完全移籍。すぐさまレギュラーに定着するも2シーズン目はケガに苦しみ長期の戦線離脱に。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年から3シーズンはガンバ大阪で、23年は鹿島アントラーズでプレー。24年はFC町田ゼルビアに完全移籍となった。
    14年に日本代表に初選出。2018FIFAワールドカップ ロシア出場。

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