明治安田J1百年構想リーグ第2節の水戸ホーリーホック戦の試合中に少し足に違和感を覚えてピッチを離れましたが、2月24日から全体練習に合流しました。昨シーズンはフル稼働のシーズンだったせいか、2試合欠場しただけで、自分自身はかなり戦列を離れてしまっていたような感覚もありますが、水戸戦から数えると実質、10日ほどの離脱で済んだのでホッとしています。週末の第4節・ジェフ千葉戦後を経た3月3日にはいよいよAFCチャンピオンズリーグ・エリート2025/26のラウンド16の戦いも始まるので、ここからまたしっかりとチームの競争に加わりながら、勝利を後押しするようなパフォーマンスを示していきたいと思っています。
J1百年構想リーグのここ2試合は、いずれもPK戦にもつれ込んで決着がつきました。開幕前から、この特別大会のみに適用される『PK戦』については計り知れない部分が多く、どんな気持ちになるのかなと思っていましたが、結論から言って、どんなレギュレーションでもやっぱり勝てば嬉しいし、負ければ悔しいというのが素直な気持ちです。
もちろん、僕たちが目指すのは90分で勝ち切ることなので、PK戦にもつれ込んだ時点でまずもっての目標は実現できなかったことにはなります。水戸戦後、晃生(谷)がチームに向けて「レギュレーション上、勝点2を取れたのはすごく大きいけど、90分で試合を決めないといけなかったし、今日の試合展開は優勝するチームの戦いじゃない」と話してくれたように、あの1試合に限って言えば、苦しい前半ながら先制できた流れがあったのに、その直後、わずか2分間で逆転に持っていかれてしまったのは自分たちの甘さに他ならないし、間違いなく晃生の言う通りだと思います。水戸は今年J1に昇格したばかりのチームとはいえ2年前の自分たちの姿を思い出せば、ある意味、怖いものなしでアグレッシブに挑んでくることは想像できたし、それはチームとしても警戒していたからこそ、結果的に相手のアグレッシブさに飲まれてしまったのも反省すべき点だと思います。
ただ、見方を変えれば、流れ的には相手のペースで進んだ時間帯が長かった試合を引き分けに持ち込めたこと。思うような90分にはならなかったとはいえ最終的には相手より多く勝点を積み上げられたことは、『シーズン』という大きな括りで見るとポジティブに受け止めてもいいんじゃないか、とも思います。
これまで何度も発源力でも書いてきたように、シーズンを通して結果が出る長いリーグ戦においては、全試合で理想的な戦いができるとは限りません。思うように体が動かないとか、チームとしてうまくいかない試合もあるはずだし、水戸戦のように準備してきたことが出せない試合も出てきます。ですが、ディフェンディングチャンピオンの鹿島アントラーズを含め、昨年の戦いを振り返ると、厳しい試合でも引き分けに持ち込む、勝ちに転じるしぶとさを示せたチームが最後まで優勝争いを繰り広げていました。それを踏まえても、たとえPK勝ちでも勝点を積み上げられた事実はポジティブに受け止めてもいいんじゃないかと思うし、何より、このハードな『5連戦』の全試合で勝点を掴めたことも、チームを前に進める上では大切なことだと思っています。
これは、内容的には自分たちのペースで進められたにも関わらず、結果的にPK負けに終わった第3節・東京ヴェルディ戦にも言えることです。
もちろん、2-0の状況から試合の最終盤、89分と90+5分に失点し、追いつかれたことはチームとして反省すべきだし、この試合にこそ、先の晃生の言葉をリマインドすべきだと思います。走行距離やスプリント数でも上回れたことからも、それをそのまま勝利に繋げなければいけない試合でした。まして、ヴェルディ戦はその流れからPK戦で敗れてしまっただけに「勝点2を失った」という思いになるのも当然です。
でも、ヴェルディ戦も『シーズン』で考えれば「あの内容の試合をできたのに、勝点0で終わらずによかった」と思ってもいいんじゃないか、とも思います。繰り返しますが、長いリーグ戦で大事なのは、試合ごとに出た課題を受け止め、それを成長に繋げながら、より多くの勝点を積み上げて前に進んでいくことです。そしてそんなふうにポジティブに考えることが、並行して戦うACLEの戦いにも勢いにもなっていくんじゃないかと思っています。
ところで、先に書いた「計り知れないところが多いPK戦」についてですが、実際にPK戦に直面して感じたのは、率直に、PK戦はコイントスでどちらのゴールでするかを決めなくても、ホーム側のゴールですればいいんじゃないの? ってことでした(笑)。レギュレーションでは、コイントスを2度行って、どちらのゴールで行うのかと、先攻・後攻かを決めることになっていますが、ホームの利を明らかにするためにもそこは、先攻・後攻を決めるだけでいいんじゃないかと思いました。(異議ではなく、率直な受け止めです!)
また今後は、PK戦にもつれ込む試合が増えるほど、キッカーのデータが貯まっていくので、より、データ合戦の色合いが強くなっていくのかな、とも感じました。実際、偶然か、狙っていたのかはわかりませんが、ヴェルディとのPK戦で相手GKは、水戸戦から引き続きキッカーに立っていた町田の選手には全員、水戸戦で蹴った方向に飛んでいました。
それを踏まえても、今後はもしかしたら忠実にデータを活かしてセービングをするGKが出てくるかもしれないし、それに応じてGKにもキッカーにも、いろんな駆け引きが生まれる気もします。より心理戦の意味合いが強くなるかもしれません。
また今はまだシーズンの序盤戦ですが、この先、順位を意識する終盤戦に差し掛かるにつれて、PK戦におけるプレッシャーの度合いも変化していきそうな気がしています。単純にこの序盤戦と終盤戦では、PK戦で勝点2を取れるか、勝点1に終わるかが顕著に順位にも影響してくるはずだし、それに伴ってキッカー、GKそれぞれにかかるプレッシャーもより大きくなっていく気もします。
という『シーズン』での戦いを想像すると、やはり第一は目の前の試合を90分で勝ち切ることを目指しながら、でも、結果に対しては常にポジティブに受け止めて進んでいこうと思います。
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昌子 源Gen Shoji
1992年12月11日生まれ。
兵庫県出身。
11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
18年12月にトゥールーズFCに完全移籍。すぐさまレギュラーに定着するも2シーズン目はケガに苦しみ長期の戦線離脱に。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年から3シーズンはガンバ大阪で、23年は鹿島アントラーズでプレー。24年はFC町田ゼルビアに完全移籍となった。
14年に日本代表に初選出。2018FIFAワールドカップ ロシア出場。






