COLUMN

REIBOLA TOP > コラム > Vol.149 J1リーグ百年構想リーグEASTは3位で終了。

Vol.149 J1リーグ百年構想リーグEASTは3位で終了。

  • 2026.06.02

    Vol.149 J1リーグ百年構想リーグEASTは3位で終了。

発源力

5月22日のJ1百年構想リーグ第18節・浦和レッズ戦を勝利で締めくくり、地域ラウンド(EAST)の全日程を戦い終えました。
正直、百年構想リーグが始まるまでは、どういうモチベーションで今大会を戦っていくのか、未知な部分もありました。同リーグでの出場試合数や得点が、自分のキャリアの記録に反映されないとか、J1チームを東西に分けて試合をし、半年でシーズンが終わってしまうとか。90分で決着がつかなければPK戦に突入するといったレギュレーションも初めてで、自分がどんなマインドになるのかも含めて想像できないことも多かったです。
ただ、蓋を開けてみれば、これまで戦ってきた公式戦となんら変わりはなく、「目の前の試合を集中して戦い、最高の結果を求める」という繰り返しの中でシーズンを進んできました。これは、第一に、スタジアムに足を運んでくださったたくさんのJリーグファン・サポーターの皆さんのおかげだと思っています。皆さんが変わらずにスタンドを埋め、熱い声援を送ってくださり、盛り上げ続けてくれたことが、選手である僕らの大きなモチベーションになりました。FC町田ゼルビアのファン・サポーターの皆さんにも、ACLE2025/26を並行して戦う厳しい連戦の中で、変わらずに背中を押していただき、たくさんの勇気をもらいました。ありがとうございます。

また、僕たちにとってはACLE2025/26を並行して戦えたことも、常に特別シーズンをモチベーション高く戦う理由になりました。もちろん、それによって過密日程を強いられた部分もあり、その時々でしんどさ、厳しさは感じていました。特に中2日での連戦は心身両面でかなり苦しめられた印象もあります。ですがシーズンが進むにつれて「中3日ならなんとかなる」という声が聞かれ始めるくらいチーム全体が逞しくなっていったのも事実です。これは、ACLEファイナルズまでを経験したゼルビアやヴィッセル神戸、ACL2を決勝まで戦ったガンバ大阪にしか培えないタフさだったんじゃないかとも感じています。事実、どんなにハードな連戦でも「絶対にアジアの頂点に立ちたい」という思いが自分たちを奮い立たせてくれたし、ひいては百年構想リーグを全力で戦うというマインドに繋がっていました。

一方、ACLE2025/26ということでいうと、ゼルビアにとっては、ファイナルズの戦いに臨む時点で、J1百年構想リーグEASTで首位を走る鹿島アントラーズに勝点で大きく遅れをとってしまっていたことがACLEで頂点に立つことへ決意をより強いものにしていました。それが実現できなければ来シーズンのACLE 2026/27への出場がかなり厳しくなる状況に置かれるのが明白だったからです。昨年の天皇杯優勝によってゼルビアはすでにACL2 2026/27の出場権は手にしていましたが、僕たちが一番に目指していたのはACLE2026/27です。昨年9月からACLE2025/26を戦ってきた中でその面白さ、そこでしか見出せない成長を体感していたからこそ「継続して、来シーズンもACLEを戦いたい」「そのためにはACLE2025/26で優勝するしかない!」が合言葉でした。
結果的にACLE2025/26は決勝で敗れ、頂点に立つことはできませんでしたが、帰国後、J1百年構想リーグの戦いに戻ってからも、ファイナルズの痺れる試合をした経験は僕たちの中で生き続けました。決勝までの痺れる戦いの全てが僕たちの大きなハングリー精神に繋がったことは、以降の百年構想リーグにおける結果を見ても明らかだと思います。

この7試合において、ゼルビアは全試合で勝点を積み上げることができました。PK負けはあったものの、90分で負けた試合が1つもなかったことも僕たちのタフさ、勝ちへの執着を証明するものになったんじゃないかと思います。もちろん、どの試合も勝点3が最大の目標だったことを思えば、パーフェクトではなかったし、まだまだ成長の余地もたくさんあります。でも一方で、ACLE2025/26の経験をもとに試合の進め方、終わらせ方を含めてチームがタフに戦えるようになったこと。90分で勝ち切る姿を想像しながら『いい意味での余裕』を持って戦える試合が増えたのは胸を張るべきだと感じています。
また、12節・東京ヴェルディ戦のように、かつてはボール保持率で圧倒的に上回られてしまっていた相手に対して、ボール保持率で上回ったり、倍近いパス数で試合を進められたり、五分の展開に持ち込めるようになったのもこの7試合における収穫だと思っています。相手の出方を見ながら、その都度、何をしなければいけないのか、チームとしてどう戦うのかを感じながら、ボールを保持しながら試合を進める時、そうじゃない時の使い分けができるようにもなってきました。これもACLE2025/26ファイナルズの経験がすごく活かされている部分だと思っています。

もっとも先にも書いた通り、チームとしての伸び代はまだまだあります。特にACLE2025/26で一番痛感させられた『個の成長』は、僕を含めてまだまだ意識しなければいけないと思っています。日本代表を見てもそうであるように、日本サッカーの強みは間違いなく『組織力』ですが、その組織を構成する『個』を抜きにして組織の強化はあり得ません。これは僕の持論ですが、今の日本代表も、世界で戦える個が集まった上に、日本特有の組織力があるからドイツ、スペイン、ブラジルやイングランドといった強豪国に勝ち始めたのではないかと思います。それを踏まえても、僕たちゼルビアもまた組織を強くするための『個』の成長を求め続けることが、今以上の確固たる強さを備え、アジアを勝ち抜けるチームになるための1番の近道だと思っています。

最後になりましたが5月30日から始まるプレーオフラウンド・名古屋グランパス戦が、このイレギュラーな半年のシーズンの締めくくる2試合になります。最後まで勝ちにこだわって、1つでも上の順位、5位を目指して戦い切ることが僕たちの目標です。今シーズンはEASTとWESTと分かれて試合をしてきた中で、監督も交代した名古屋の戦い方をしっかり感じながら結果を目指します。最後まで応援よろしくお願いします。

  • 昌子 源Gen Shoji
  • Gen Shoji

    1992年12月11日生まれ。
    兵庫県出身。
    11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
    18年12月にトゥールーズFCに完全移籍。すぐさまレギュラーに定着するも2シーズン目はケガに苦しみ長期の戦線離脱に。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年から3シーズンはガンバ大阪で、23年は鹿島アントラーズでプレー。24年はFC町田ゼルビアに完全移籍となった。
    14年に日本代表に初選出。2018FIFAワールドカップ ロシア出場。

  • アカウント登録

  • 新規会員登録の際は「プライバシーポリシー」を必ずお読みいただき、ご同意の上本登録へお進みください。

REIBOLA RADIO 配信中!