2026/27シーズンが始動しました。青森でのキャンプ(7月5〜11日)を終えて、すでに14日からは沖縄キャンプに突入しています。
個人的には初めての『青森』だったこともあり、すべてが新鮮なキャンプになりました。僕のこれまでの人生において、青森といえば『りんご』でも『ねぶた祭り』でもなく、柴崎岳(鹿島アントラーズ)で、だからこそ「ああ、岳の故郷だなー」と思いながら青森に入りました。そしたら、ある日、ファンサービスのためにファンの方たちが並んでくれている列に向かうと、そこに岳のご両親の姿が! 「うわぁ、ご無沙汰しています!」「俺たちは一方的にテレビで観ているから久々な感じもしないけどな」という会話から始まって、束の間でしたが話をすることができました。わざわざ手土産も持参してくださり、何より、今でも気にかけていただいていることがめちゃめちゃ嬉しかったです!
青森キャンプでの1週間はオフシーズンで休めていた体をまずはしっかり起こすことが目的で、午前はチームトレーニングを、午後は基本的にはフリーに過ごす毎日でした。このスタートの時期はいつも2部練習になることが多かったことを思うと、少し不思議な感覚もありましたが、黒田さん(剛/監督)曰く「2部練習にすると疲労が溜まりすぎて筋トレができなくなる選手もいるから午後は敢えてフリーにする。自分のコンディションに応じて自覚を持ってケガをしない体づくりをして欲しい」とのこと。というわけで、体を休める選手もいれば、筋トレをする選手もいる、というように各々が自分のペースでコンディションを整える時間に充てました。
僕自身は基本、ジャンボくん(守田達弥)と晃生(谷)と3人で、筋トレ部を作り、毎日、筋トレに励むことが多かったです。今シーズンは僕たちの体、コンディションづくりをサポートしてくださる裏方スタッフに、新しく高木紀史ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチと、志賀淳アスレティックトレーナーが加わりましたが、彼らによる新たなトレーニングにも新鮮な気持ちで取り組めました。
『S&Cコーチ』はJリーグだといわきFC、RB大宮アルディージャに次いで3クラブ目の招聘らしく、サッカーというより体づくりに特化したスペシャリストです。僕も筋トレ中にいろんなアドバイスをいただきましたが、僕のようにパーソナルトレーナーを置かずにチームでのトレーニングが全てだと思っている選手にとっては、めちゃめちゃありがたい新たな刺激です。何より彼らとの取り組みが今後、自分の体にどんなふうに反映されるのかも楽しみです。
ちなみに、青森での1週間を過ごしたことで僕の『青森といえば?』には、食べ物がすごく美味しい、ということと「黒田さんは将来、青森の県知事になれるんじゃないか? それが無理でも市長には確実になれそうだな」という印象が加わりました(笑)。そのくらい、青森における黒田さんの影響力は絶大でした。あ、あと心なしか、りんごジュースが美味しく感じる毎日でした。
というわけで、すでに新体制でのチームづくりが始まっていますが、毎年ながら、このオフシーズンには何人かの選手、スタッフとの『別れ』もありました。
一緒にDFラインを構成することが多かった幸多郎(林/浦和レッズ)もその一人です。彼はどちらかというと黒子的な存在の選手でしたが、何1つサボることなく努力を続ければJ1の舞台で活躍できるということを、身をもって証明し続けた選手でした。失礼ながら身体能力が決して高いわけでも、技術的にめちゃめちゃ巧いわけでもないですが、その分、人一倍練習するし、言われたことを徹底するし、何があっても絶対に下を向かずにやり続けられる強さを秘めていたのが幸多郎でした。彼のパーソナリティというか、生き様そのものが、サッカーやプレーに表れているなと感じることも多かったです。
またサンホ(ナ/ファジアーノ岡山)も僕の中では苦楽を共にした一人という印象が強いです。昨シーズンは相馬(勇紀)やエリキとのポジション争いもあり、スーパーサブ的な起用も多かったですが、当然ながらスタメンでも十分活躍できる選手です。実際、キックも上手く、スピードもあって、センスもあるサンホの存在感には、同じピッチに立つたびに心強さを感じていました。ワールドカップ・カタール大会にも出場したW杯戦士でもあるのにそれを鼻にかけることもなく、どんな時も寡黙に戦い続けるプロフェッショナルな姿勢もリスペクトしかなかったです。
彼ら以外にも、絶えず人一倍のトレーニングで自分を磨き続けた、今の時代には貴重な後輩たちをしっかり叱咤できるGKのヨシ(新井栄聡/浦和)ら、FC町田ゼルビアを離れることになった選手が数名いますが、チームは変わっても、同じ時代を戦った仲間として彼らの成功を心から願っていますし、それぞれの『プロフェッショナル』が、新たなチームでどんな進化を見せるのか、また公式戦のピッチで戦える日が楽しみです。
そんなふうにチームを去る選手もいれば、加わった選手もいます。新加入選手はすでにリリースで発表されている通りで、明本(考浩)や松尾(佑介)ら、個性があって、熱く戦える選手ばかりです。始まったばかりの沖縄キャンプでは、そうした新加入選手との融合も意識しつつ、個をさらにブラッシュアップしながら、チームとしての戦い、戦術面を確実にアップデートする時間にしなければいけないと思っています。
特別シーズンを踏まえても、自分たちの強みをいかに発揮しながら、それを得点、勝利に結びつけていけるかが大命題だと思っていますが、当然、口で言うほどその実現は簡単でありません。だからこそ、キャンプを通してしっかりとみんなでチームを成熟させていかなければいけないと思っています。青森キャンプでのヴァンラーレ八戸との今シーズン初の練習試合は、立ち上げから間もない時期の一戦だったのもあって黒星スタートになってしまいましたが、ここから先は、仮に練習試合であっても勝って修正するということを繰り返しながら、8月の開幕に向けて進んでいこうと思います。
-

昌子 源Gen Shoji
1992年12月11日生まれ。
兵庫県出身。
11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
18年12月にトゥールーズFCに完全移籍。すぐさまレギュラーに定着するも2シーズン目はケガに苦しみ長期の戦線離脱に。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年から3シーズンはガンバ大阪で、23年は鹿島アントラーズでプレー。24年はFC町田ゼルビアに完全移籍となった。
14年に日本代表に初選出。2018FIFAワールドカップ ロシア出場。






