いよいよ、2026年の公式戦が始まり、J1百年構想リーグ開幕の横浜F・マリノス戦、AFCチャンピオンズリーグ・エリート2025/26リーグステージMD7・上海申花戦の2試合を戦い終えました。
毎年、どの大会だろうとシーズンの『開幕戦』はすごく特別で「あー、シーズンが始まるんだなー」という高揚感と「今年もピッチでプレーできるんだ」という幸せを実感します。併せて、聞き慣れているはずのファン・サポーターの皆さんの声援が体を突き抜けるように自分の中に入ってきて、ギアを1つあげてもらうような感覚になるのも開幕戦ならではです。もちろん、それ以外の試合でも皆さんの声援にはいつも力をもらっていますが、昨年の最終戦から約2ヶ月ぶりに耳にする開幕戦のそれはホームであろうとアウェイであろうとすごく特別感があって、何度味わっても言葉に代え難い喜びを感じます。ありがとうございます。改めて、今シーズンも皆さんの思いをしっかり背負って戦えるシーズンにしたいと思っているので、ぜひ一緒に戦ってください。
さて、先に書いた2つの試合はいずれも勝利で締めくくることができました。リーグ開幕戦は試合直前のウォーミングアップのタイミングでイボ(ドレシェビッチ)にアクシデントがあったりして少しバタバタしましたが、試合自体は落ち着いて進められたと思っています。ACLEの上海戦もリーグステージ最終節を待たずしてラウンド16進出を確定できてひとまずホッとしています。
この2試合を振り返った時に特筆すべきは、なんといってもマリノス戦のエリキです! 約10ヶ月ぶりに期限付き移籍から復帰してきた彼は同じピッチに立つ僕らも驚くほどの「まさしくエリキ!」というパフォーマンスを示してくれました。彼が決めた2ゴールのうち、特に2つ目はエリキだからこそ決められたゴールで頼もしさしかなかったです。試合後のロッカールームでの締めの挨拶で彼は「みんなが笑顔で、快く僕を受け入れてくれたことに改めて感謝します」って話をしていましたが、その言葉にもエリキの人間性が溢れていました。
これは僕の勝手な想像ですが、彼は昨年3月にFC町田ゼルビアを離れる際、おそらくゼルビアに対して複雑な思いがあったのではないかと思います。治療の関係で始動日に合流できなかったとか、いろんな経緯があったとはいえ、合流後の公式戦には一度もメンバー入りすることなくチームを離れることになった状況も彼にとっては悔しさが募る期限付き移籍だったはずです。プロサッカー選手である以上「試合に出たい」と思うのは当たり前のことで、それが叶わないとなった時に、心に重いものが積み重なっていく状況は僕もすごく理解できます。
ですが、今シーズン、ゼルビアに戻ってきたエリキは、そんなことはなかったかのように、始動日からフレッシュにサッカーに向き合い、このチームで戦うことを楽しんでいるように見えました。もちろん、受け入れる側だった僕たち選手やスタッフには「帰ってきてくれてありがとう!」という気持ちしかなかったですが監督、選手を含めてチーム体制が大きく変わっていないことを考えると彼自身は内心、不安もあったんじゃないかと思います。ですが、彼は常にプロフェッショナルで、チームとして求められる役割を理解しながら自分を適応させることに力を注いでいたし、いろんなシーンで彼らしい明るい笑顔を見せていました。その姿勢も含めて、開幕戦の2ゴールにつながったと思うからこそ、彼の活躍はすごく嬉しかったです。
また、この2試合を通して、もう1つ印象に残ったのが、いずれの試合にも途中出場したシラ(白崎凌兵)の存在感です。
一昨年の夏にゼルビアに加わったシラですが、同シーズンはほぼフル稼働したのに対し、昨シーズンはあまり出場機会に恵まれませんでした。特に夏以降はメンバー外になる試合も多く、彼にとっては苦しい時間が続いたんじゃないかと思います。そうした状況には先に書いたエリキと同様、思うこともあったはずですが、普段のトレーニングを含めてひとたびピッチに立てば、サッカーが大好きなシラらしく溌剌とプレーしていたのが印象に残っています。1選手としても、サッカーIQも高く、経験値もあって、戦えて、ヘディングも競れて、ゼルビアでは1、2を争う巧い選手で、蹴る、止めるはもちろん、相手を騙すようなプレーも連続して表現できる彼なので、僕たちセンターバックにとっても心強い存在であり続けてくれました。何より後輩の面倒見もよく、若い選手の兄貴分でもあるシラが試合に出られなくてもチームのために戦い続けていた姿は、僕に限らずいろんな選手の刺激になっていたんじゃないかと思います。
そうした状況を乗り越えて新シーズンを迎えた中で、そのシラがこの2試合、途中出場ながらピッチに立ち、彼らしいプレーを見せてくれたのも個人的にはすごく嬉しかったです。何より、彼を慕う若い選手にとってシラが示した姿は改めて大きな刺激になったんじゃないかとも思います。本人は「俺、なんだかんだ言ってサッカー好きだからなー」と言っていましたが、改めて彼の存在は今シーズンもゼルビアにとって不可欠な力だと実感した2試合でした。
この先、シーズンを進んでいく中ではチームも、僕たち選手もいろんな逆境に直面します。過去のシーズンを振り返っても、思わぬアクシデントもあるだろうし、自分が描いた通りに進まないことも出てくるはずです。ピッチに立てるのは11人で、全員がその座を射止められるわけではありません。そんな時に、このスタートの2試合でエリキやシラが示した姿は、僕を含めたみんなの指標になるんじゃないかと感じています。というか、そうした財産をしっかりとチームの力にしながら、今シーズンも互いの存在を認め合い、高め合って強さに変えられるようなチームになっていきたいと思っています。
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