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Vol.52 悔しすぎた大阪ダービー

  • 2022.05.24

    Vol.52 悔しすぎた大阪ダービー

発源力

©GAMBA OSAKA

5月21日はJ1リーグでの大阪ダービーでした。今シーズンはすでにルヴァンカップで2試合、大阪ダービーを戦っている中で、いずれも勝てていない状況もあり、何がなんでも勝ちたい、という思いで臨んだ一戦でした。また18,750人のファン・サポーターの皆さんがヨドコウ桜スタジアムに足を運んでくださって、個人的には初めて、本来の大阪ダービーに近い雰囲気で試合を戦えたのも素直に嬉しかったです。

どの国、どのリーグでも『ダービーマッチ』と呼ばれる戦いは、両チームを応援するファン・サポーターが、ダービー特有の臨場感を作り上げてくれることで、より戦いの熱を高めてくれている気がしていますが、声出し応援ができない状況が続いている近年は、正直、その雰囲気をみなさんに作ってもらうのが難しい状況にあります。もちろん、今回の入場時にガンバサポーターが作ってくれた青と黒のフラッグを使ったコレオグラフィに気持ちは昂りましたし、アウェイゴール裏がぎゅうぎゅうになっている状況を見ただけでも特別な力をもらいました。ですが、そうはいっても、皆さんの声がスタジアムに轟いていたときの『大阪ダービー』の雰囲気とは遠く…。と言っても僕はまだそれも想像でしかないのですが…だからこそ、ピッチに立つ僕たち選手が、結果はもちろんのことスタジアムに足を運んでくださった皆さんからより熱のこもった拍手を引き出せるようなプレー、熱い戦いをしなければいけないと思っていました。ピッチに立つ自分たち選手が主導でより『大阪ダービー』を盛り上げ、その面白さを伝えなければいけないと思っていました。
ですが、結果は知っての通り1-3の敗戦に終わりました。先制できた流れがあった中で、柏レイソル戦のようにしっかり1-0で締めくくろうと意識しながら後半に臨みましたが、セットプレーの流れからのカウンターでの2失点は非常にもったいなかったし、細かい部分でも相手のリスタートへの対応など見直すべきところはたくさんあったと思っています。
また、試合終盤には僕自身、アウェイの地で見苦しい姿をみせてしまったことも反省しています。試合後、ロッカーに戻ってからカタさん(片野坂知宏監督)のもとで、冷静に、なぜああいうことが起きたのか、僕とレアンドロ(ペレイラ)の考えをそれぞれ、みんなの前で話もしたし、翌日には改めて通訳を交えてレアンドロとも話しました。
その際、僕からは、自分の言葉は決して彼だけに向けたものではなくチームに対して伝えたものだったこと。あの瞬間、すぐにラインを上げてきたセレッソに対してガンバのアクションは明らかに遅く、相手を背負ってでもボールを受けようとする選手がほぼいなかった事実に、ピッチで叫んだ通り、「負けてるんだぞ。なんで歩いてるんだよ」と感じていたこと。それを、試合が終わってから伝えたところで結果は変えられないけど、試合中に言えば試合終了までの時間で結果を変えられるかもしれないからこそ、その場で伝えることに意味があると思ったこと。純ちゃん(一森)に投げる選択肢もあったとはいえ、負けている状況でそれをしても、純ちゃんはキャッチできない、相手からプレッシャーを受ける、ロングキックを蹴る、それを拾われて相手ボールになり、攻撃をしたい時間帯にまた守備に回らざるを得なくなる、という展開になると想像して得策じゃないと感じたこと、などを改めて伝え、彼からも「源の思いは僕もわかっていたはずなのに、あの時は勝ちたい思いを間違った方向に出してしまって申し訳なかった。これからも大事なアミーゴ(友達)でいてくれ」というような話もしてもらいました。

もっとも、ここで改めて僕ら二人だけの言葉を切り取ってしまうと、あのシーンがあたかも彼と僕との喧嘩だったように映るかもしれないですが、僕は全くそう思っていません。また、こういうシーンでは決まって、誰が言った、こいつが悪い、あいつが悪いと個人がフォーカスされがちですが、それも違うと思います。
自分としては、チームが勝つために必要だと思う言葉がけをしただけで、サッカーではごく当たり前の、チーム内での意見のぶつけ合いだと思っています。実際、先日、未月(齊藤)も『CAZI散歩』で以前、「源くんに試合中、言い返したこともある」という話をしていたとチームスタッフから聞きましたが、そんなふうにそれぞれがその場で、自分の考えを伝えることも、それが時に激しい口調になることも、公式戦を戦っている最中では決して珍しいことではありません。ましてや、それらの言葉は全て、個人を攻撃するためではなく、チームが勝つため、強くなるために発せられたもので、先ほども書いた通り、試合中に言うから結果に影響を持つものだとも思います。そして、そうして言い合えるチームになってきたことを、僕はむしろポジティブに受け止めています。
ただし、世間にそう映るに至った、あの瞬間の僕から仲間への伝え方、ボールを叩きつけてあからさまに自分がイラついていることを態度に出してしまったことは反省しています。何よりカタさんにも言われた「後ろと前の選手が要求し合うのは悪いことではないし、ゲームの中ではあって当然だけど、大阪ダービーで、ましてやあの時間帯にアウェイのピッチでああなってしまったら、相手の思う壺になるだけだ」という言葉もまさにその通りで、真摯に受け止めています。事実、あの状況を同じピッチで見ていた相手のセレッソが「よし、いける」というような気持ちになったのは間違いないはずで、実際に僕たちはあのあと、アディショナルタイムに失点を喫してしまっています。つまり、この世界は、結果論で語られることも多い中、仲間を奮起させるため、同点、逆転に持ち込むため、勝つためにとった言動が、今回は、敗戦、マイナスに働いてしまった事実もしっかり受け止め、今後の自分に活かそうと思っています。

ですが、だからと言って、僕はこれからも仲間を褒める、盛り上げる、怒る、要求するといった声掛けをやめるつもりはありません。先ほども書いた通り、こうしたチーム内での意見のぶつけ合い、要求をし合うことはガンバが勝つため、強くなるためには不可欠だし、ピッチに立つ限りは年齢もキャリアも関係なく、それぞれがリーダーという意識で戦う集団になるべきだと思うからです。というか、それを改めて表明するまでもなく、すでに練習でも変わらず、声を張り上げています。そもそも、僕自身は喧嘩をしたとは全く思っていないので、レアンドロとも仲直りをしたとかそういうことではなく、これまでと変わらずコミュニケーションをとっていますし、チームメイトとして信頼し、リスペクトしています。彼に限らず、全員が大阪ダービーで味わったとてつもない悔しさを晴らそうと次の試合に向かっています。幸い、連戦であるということは、悔しさを晴らす機会がすぐにあるということなので、今はとにかく今回の敗戦を、何がなんでもプラスに転じることに集中しています。明日のサンフレッチェ広島戦は、その思いをパフォーマンス、結果として証明したいと思います。
最後に、湧矢(福田)、待ってるぞ!

  • 昌子 源Gen Shoji
  • Gen Shoji

    1992年12月11日生まれ。
    兵庫県出身。
    11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
    18年12月に完全移籍が発表されたトゥールーズFCでもすぐさまレギュラーに定着したが、2シーズン目はケガに苦しみ、長きにわたり戦線離脱。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年2月にガンバ大阪への完全移籍が発表された。
    日本代表にも14年に初選出。18年のワールドカップ・ロシア大会でもレギュラーとして活躍した。

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