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Vol.136 クラブ史上初の天皇杯決勝進出。

  • 2025.11.18

    Vol.136 クラブ史上初の天皇杯決勝進出。

発源力

天皇杯準決勝・FC東京戦に勝利し、クラブ史上初の決勝進出を決めました。内容としては時計の針が進むにつれて、より固い試合になった中で、スコアレスで延長戦に突入しましたが、103分に幸多郎(林)のゴールで均衡を破り、109分にはセフン(オ)の追加点でとどめを刺すことができました。

今シーズン、僕たちはJ1リーグで5位以内に入ってAFCチャンピオンズリーグへの出場権を獲得することと、カップ戦を含めた4大会のうち何か一つでも、エンブレムに星をつけられるシーズンにしようということを合言葉にスタートしました。特にリーグ戦より試合数が少なく、毎年いろんなサプライズが起きるカップ戦でのタイトル獲得は、クラブの成長のために不可欠だという話は、以前の発源力でも書いた通りです。
そのことに気持ちを揃えて戦ってきた中で、リーグ戦は36試合を終えた時点で7位と、他力ながら5位入りの可能性を残している一方で、カップ戦での『タイトル』獲得のチャンスは天皇杯だけに絞られました。であればこそ、準決勝・FC東京戦は是が非でも勝って、決勝進出の切符を掴み取りたいと思っていました。もちろん、そこに1週間前のJ1リーグでも対戦し0-1で敗れた悔しさを晴らしたいという思いが含まれていたのは言わずもがなです。

もっとも試合前の準備期間は正直、うまくいったことばかりではなかったです。2試合続けて同じ相手との対戦とあって、かつ、直近のリーグ戦では敗れた相手という中で、どう戦うべきか、監督を含めて繰り返し議論もしました。リーグ戦ではここ最近の東京を象徴する点の取り方というか、ショートカウンター一発でやられてしまった状況もあった中で、その相手の戦い方を意識して守備に重きを置くのか、それとも自分たちの強みである、ハイプレス、インテンシティを含めた強度で勝負するのか。一発勝負の戦いとはいえ、今回に限っては1週間前に同じ相手と対戦したばかりで、従来の一発勝負とは少し違う駆け引きもある中でいかに勝利を引き寄せるのか。監督とも、選手同士でもたくさん言葉を交わした1週間でした。
そうした状況下で準備を続け、特に前日はすごくいい雰囲気でトレーニングができたし、アラートな空気で東京戦に臨むことができました。リーグ戦で敗れていたからこそ、明確に『リベンジ』という意思統一もできていたし、少し乱暴な言い方ですが「自分たちのサッカーをせずに負けるくらいなら、自分たちの戦いをして負けた方がよほどいい」くらいの雰囲気が漲る中で試合にも入りました。

ただし、蓋を開けてみれば先にも書いた通りで、想像以上に固い試合になったと思っています。0-0の状態が続くほど、個々のプレーも、ゲームそのものも固く、1つのミスが命取りになるという雰囲気も感じていました。実際、守備の選手からすると「もしも我慢の展開に焦れて、何かギャンブル的なプレーをしようものならそこから失点を喰らいかねないな」とも思っていました。1得点目のシーンでは、僕がセフンを目掛けてロングパスを送り込んだところから始まりましたが、正直、あれもあくまで『セフティに』を意識したプレーです。セフンを狙ってというよりは「セフンのいるあたりに届けよう」という『クリアパス』のようなボールでした。であればこそ、あれをしっかりマイボールにしてくれたセフンの競り合いの強さが大きなカギになったと思っています。あとは、なんと言っても幸多郎! 彼は普段からとにかく真面目で、練習でも試合の中でも一切怠らない選手ですが、まさにその愚直な姿勢が『1本中の1本』に繋がったんだと思います。
また、最近の公式戦を振り返ると、途中出場の選手がチームを加速させるとか、得点を生み出すことができていない状況が続いていた中で、今日は74分からピッチに立ったセフンが1得点目のアシストにとどまらず、109分には試合を決定づける追加点を奪ってくれたのも、チームとしての大きな収穫でした。
余談ですが、試合前日、相馬(勇紀)に第二子が誕生したこともあり、試合前の円陣では僕からみんなに「僕らの大事な仲間、家族である相馬に新たな家族ができた。それは僕たちにとってもすごく嬉しいことだし、今日の勝利を僕らみんなで相馬へのお祝いにしよう」と伝え、そこにも気持ちを揃えて臨んでいました。そういう意味では、無事、相馬や奥さん、子供たちにパパの仕事仲間から出産祝いを届けられたのも良かったです。彼自身も2点目はアシストもできてメモリアルな日になったんじゃないかと思います。1試合で2度もゆりかごダンスをするのは想定外でしたが(笑)、嬉しい勝利になりました。

ただ、僕たちはまだ何も手にしていません。大事なのは決勝に進んだ事実ではなく『タイトル』を掴むことに他なりません。
対戦相手のヴィッセル神戸は昨年、リーグ戦と天皇杯の二冠を手にした絶対王者ですが、『決勝』ではこれまでどんなふうに勝ち上がってきたかとか、今のリーグ戦の順位やチーム状況などは一切関係なくなります。この1試合にどれだけの想いを注ぎ、自分たちの良さをどれだけピッチで表現できるか。その割合の多い方が勝利を掴む舞台になります。その勝者になるために1週間、またみんなでいい準備をして、気持ちを揃えてファイナルに臨みます。FC町田ゼルビアが歩んできた歴史、支えてきてくれた人たちの想いをしっかり背負い、それを僕たちの力にして戦うことを約束します。その上で一人でも多くのサポーターの皆さんと国立、ファイナルを戦い、このクラブを愛する皆さんと新たな歴史を切り拓きたいと思っています。
獲るぞ、タイトル。11月22日、国立で会いましょう!

  • 昌子 源Gen Shoji
  • Gen Shoji

    1992年12月11日生まれ。
    兵庫県出身。
    11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
    18年12月にトゥールーズFCに完全移籍。すぐさまレギュラーに定着するも2シーズン目はケガに苦しみ長期の戦線離脱に。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年から3シーズンはガンバ大阪で、23年は鹿島アントラーズでプレー。24年はFC町田ゼルビアに完全移籍となった。
    14年に日本代表に初選出。2018FIFAワールドカップ ロシア出場。

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