COLUMN

REIBOLA TOP > コラム > Vol68「鹿島優勝」

Vol68「鹿島優勝」

  • 2025.12.18

    Vol68「鹿島優勝」

絶康調

鹿島アントラーズが優勝したね。先日、鹿島時代のチームメートの聖真(モンテディオ山形MF土居聖真)とイベントで一緒になった。聖真とは結構境遇が似ていて、加入からしばらく試合に出られない時期を過ごし、その後自力でポジションを奪ったり、鹿島でタイトルを獲るために長くやってきたりっていうのも親近感がある。ベテランになって地元のクラブに移籍するところまで一緒だし。久しぶりに鹿島のことをいろいろ話せたから、今回は対談形式でお届けしてみようと思う。本当はもっとたくさんの選手名が挙がっているんだけど、だいぶ割愛してる。許して。

遠藤 鹿島が優勝したね。おめでたい。ここ数年いろいろとチームとしてしんどかったのもあったからうれしいね。
土居 ヤスさんがいなくなったあたりの2~3年は、脱皮しようとしてもがいていた時期だったと思います。浩二さん(中田浩二フットボールダイレクター)が強化部長になって、いろいろな事を思い切った印象があります。経験を還元したというか、ぶつけたじゃないですか、それがまたうまいこといったんじゃないですか。鬼木さん(鬼木達監督)にしても。
遠藤 チームが変革期だったんだろうなとは思うよ。それを今年で正解にしたのはすごいと思う。鬼木さんはうちらがやっている時はフロンターレの監督でライバルだった。その鬼木さんの練習を見ていて、自分ももっとうまくなって成長できるんじゃないかって感じたな。いい感じだよね。
土居 これで歴代一番優勝した監督なんじゃないですか? ※優勝5回、複数クラブで達成は初
遠藤 鬼木さんは『持ってる』とかじゃないよね。本当にうまくやりくりしている。奇跡的に勝った試合がすごくあったとかじゃなくて、交代で流れを変えるとか、けが人が出てもみんなですごく頑張ってる感じがしていた。
土居 ガク(MF柴崎岳)の『今年は一体感があった』ってコメントを記事で見ました。
遠藤 ガクもしんどかっただろうな。よく我慢して1年間やり抜いたと思う。
土居 苦しい。僕も同世代がみんないなくて何年かやりましたけど、その大変さを知ってくれたかな?(笑)。やっさんも同い年もいなくて。
遠藤 ガクはすごく話すようになったって聞くよね。だから今年の優勝はガクの頑張りも大きいよ。
土居 そういう立場になりましたからね。みんなそれぞれの立場でやることやったんじゃないですかね。
遠藤 遼太郎(MF荒木遼太郎)とかマツ(MF松村優太)は活躍するようになると期待していたけど、優勝の懸かった試合で得点に絡むなんて、まだ想像できてなかった。すごくうれしいことだし、勝手にあの子たちの年代がこれからの鹿島を引っ張ってほしいって思っている。満男さん(元鹿島MF小笠原満男)たちの強かった時代から代々つないできて、うちらやダイゴくん(元鹿島DF西大伍)とかと時代をつくったじゃん。世代ってこうやってつないでいかないといけないなって思う。
土居 鹿島が強い時は若手が生き生きしていてたなと思うんですよ。僕らがリーグ優勝してクラブW杯にいった時も、若手に優磨(FW鈴木優磨)たちがいて、彼らが『なにくそ』って僕らに対抗心を燃やしてやってた。こっちもそれに負けないように頑張った結果が、チームを引き上げていた。
遠藤 俺らが優勝したのを若い子が見てたじゃん。うれしいけどピッチに立てない悔しさがパワーになってくると思うんだよね。昔、三連覇を見ててめちゃめちゃ悔しかったじゃん。それでうちらが試合に出たときに三連覇以上の結果を残したいとか、選手として活躍したいってなるから、そのサイクルに今年優勝して入ってくるんじゃないかなって思うんだよね、むしろなってほしい。
遠藤 今年、優勝すると思ってた?
土居 1回、ヤスさんとリーグ中断期間に鹿島の練習を見に行ったじゃないすか。あの時は優勝するとかしないとかじゃなくて、戦う集団、勝つ集団ってこういう感じだなって思った。すごくエネルギーがあって、活気があって、いい意味で刺激を受けました。個人の質とかじゃなくて、一つの練習に全員が関わっているというかね、おおざっぱに言うとうるさかった。若手ベテラン関係なく何かしら声を出している。そういう雰囲気をつくりあげていた。
遠藤 プロフェッショナルというか、声のかけ方だったり、言わなきゃいけない相手にしっかり言ったりとか、取り組み方もやっぱり選手だけでは限界があると思っていて。鹿島はそれを含めてチームとしてできているのを感じるよね。
土居 鹿島だからという環境がそうさせているのかもしれませんよね。シンプルに全員が試合に出て活躍したいっていう意欲が、練習から表れている。
遠藤 外に出て鹿島のすごさを感じるっていうのは、やっぱり外に出た人にしか分からない感覚。聖真もいい経験をしていると思うよ。
土居 あの練習を見てから、自分をすごく変えたくなりました。鹿島イズムというか、『鹿島はこうだった』って話すのは嫌だったから、そういうのは移籍する時に置いてきたつもりだったんです。モンテディオ山形に入ったときは山形仕様の土居聖真だった。でも、あの練習を見てから鹿島仕様の土居聖真になった。背中で見せればいいやではなく、練習からプレーでも態度でも戦っているよっていうのをガンガン表に出すようになって。周りからも変わったって言われましたもん。そうしたら、僕がやったからかどうかは知らないけど、ちょっとずつ近くの選手も熱いものを表に出すようになった。いい感じになって、内容はどうであれ、モンテは結局最後8試合負けなしで終わった。熱量が高ければ高いほど、若手は前に進むし、ベテラン組も上がるし、チームが上がる。優勝するチームはそうなるんだなって思います。
遠藤 鹿島はここで満足せずに、ACLも天皇杯もルヴァンカップも、全部獲れるように突っ走ってほしいね。こういう熱量は東北のチームも切磋琢磨してやっていく上で絶対に大事なことだと思う。
土居 だったらヤスさんが仙台のためにあと5年は現役やってなきゃ駄目でしたね(笑)。
遠藤 無理無理。仙台は新たなベガルタの土台をつくるフェーズだったから、辞めるタイミングとしては正解だったと今でも思うよ。聖真と一緒にダービーで戦いたかったけどね。
土居 やりたかったっすね。
遠藤 でもうちらは敵としてやり合わない運命なんだよ、仲良くやる運命なんだよ。

  • 遠藤 康Yasushi Endo
  • Yasushi Endo

    1988年4月7日生まれ。
    仙台市出身。
    なかのFC(仙台市)から塩釜FC(宮城県塩釜市)を経て2007年鹿島アントラーズに加入。左足のキック精度が高く、卓越したボールキープ力も光る攻撃的MFで、10年以降は主力として3度のJリーグカップ制覇や、16年のJ1リーグと天皇杯優勝などに貢献した。J1通算304試合出場46得点。
    2022年、15年プレーした鹿島を離れ、生まれ故郷のベガルタ仙台へ完全移籍した。
    U-15、U-16、U-18の各年代で代表経験があり、15〜17年は日本代表候補に選出された。

  • アカウント登録

  • 新規会員登録の際は「プライバシーポリシー」を必ずお読みいただき、ご同意の上本登録へお進みください。

ガンバ大阪・半田陸が戦列復帰へ。
「強化した肉体とプレーがどんなふうにリンクするのか、すごく楽しみ」