百年構想リーグが開幕した。ACL出場権が懸かっているのもあり、J1のクラブは勝ちにいっているなと思った。いつものリーグ戦と変わらない印象。多少は試しているチームもあるだろうけど、やはり勝つことが最優先という感じだった。緊張感に欠けることがあるかもしれないという心配は杞憂に終わったね。盛り上がっていてよかった。観るものとしてはガチンコの勝負が楽しい。
鹿島アントラーズはFC東京と対戦した。去年よりやるべきことが整理されているという感じだった。退場者が出たしPKで負けてしまったけど、見応えのある仕事だった。鹿島は昨季リーグ優勝を果たしてACL出場権を持っているけど、当たり前のように目の前の試合を勝ちにいっていた。そこにけがで離脱している安西(DF安西幸輝)たちが戻ってくると味の出る試合になってくると思うし、安定感も増すだろう。けがで出遅れる選手にとっては、この半年でリーグ戦に向けて調整できるというメリットがあるよね。年末「リハビリの段階」と言っていた安西も練習試合に出ていると聞いてほっとしている。郁万(DF関川郁万)、師岡君(FW師岡柊生)も含めて、全員が戻ってきたときに本当の競争が始まる。鬼木さん(鬼木達監督)がどうしていくのか。また強いチームに仕上がるんじゃないかなと思って見ていた。ヴィッセル神戸はサコ(FW大迫勇也)のチームという印象が強まったね。サコにボールが収まるところから攻撃が始まる。それぐらい実力のある選手が前線にいるのは大きい。サコが45分で下がってしまうと、ボールの収まりが悪くなって攻撃が停滞していた。
実は先週、インフルエンザにかかった。何年ぶりだろうか、本当にきつかった。喉がやばくて声も出ないし、食事をしようにも飲み込むのに一苦労。インフルエンザってこんなにつらかったんだな。しっかり弱まった。絶対にうつらない自信はあったんだけどなあ。家族で旅行に行く予定だったのに最悪だ。3日目でようやくお風呂に入ったものの、髪を乾かすだけでめちゃくちゃ疲れる。現役だったら無理だわって思うぐらいへばっていて、結果としてテレビ観戦三昧になった次第だ。実家に隔離されて家族と離れているのがマジで寂しい。そんなときに限って鹿嶋は大雪が降ったそうだ。あの地域に大雪なんてとんでもないこと。力になりたいけど、動けない。そういう無力感でどんどん落ち込んでいく感じは、シーズン終盤にコンディションが整わず試合に出られない選手の心境と似ている。コンディション不良と発表される選手の中には、小さなけがの他にこういう病気系も含まれる。早く復帰したいという強い気持ちで急いで状態を上げようとしていかないと、案外長引く。そして、練習に合流しても最初の1週間は本当にきつい。ボールを蹴った感覚が違っていて、おなかに力が入らない感じになる。とにかく力が入らない。戦列復帰するためには、体重をしっかり戻すことが重要なので、しっかり炭水化物を取って水分補給が第一。なんでも食べる。ゼリーでもバナナでも。とにかくまず食べる。シーズン中だと焦るよ。アスリートは意外と風邪をひきやすいんだよね。体脂肪が少ないし、キャンプ中なんかはきつい練習で追い込むものだから、抵抗力も落ちる。誰かがかかるとすぐ広がってしまう危険性をはらんでいる。コロナ禍ではチームから感染症患者があまり出なかったかな。マスクを着け続けて手洗いうがいを徹底していたし、黙食だったからかもしれない。それでも数年前のベガルタ仙台のキャンプ中、沖縄から延岡に移動する直前に、ある選手がコロナ陽性になった。最終日の練習は中止になり、移動できないかもしれないという事態に陥った。クラスターが発生していないかチェックするのに時間がかかったし、ベガルタの移動後に他のチームが同じホテルを使う予定だったので焦ったのを覚えている。あの時はJリーグも大変だった。今こうしてマスクなしで声を出せるって幸せなことだよね。
そのベガルタは、コンディション不良などで主力を欠いたまま臨んだ開幕戦に4-1で圧勝した。新戦力では古屋くん(FW古屋歩夢)めっちゃよかったね。素晴らしいシュートだった。しっかりと体をぶつけてスペースをつくれていた。懐をつくるのは経験や感覚。あの若さでそれが自然にできている。オレも小さかったからパスをもらう前に体をぶつけてスペースをつくっていた。岩渕君(MF岩渕弘人)は味方にいたら助かる選手だと思った。無理めなボールでもキープしてくれるし守備も頑張ってくれていた。竜(MF相良竜之介)たちが戻ってきてのポジション争いが楽しみだ。
ぶっちゃけベガルタが良かったのか、相手が弱かったのか、正直分かりづらいところはある。ゼロで抑えてほしかったとは思うけれど、しっかり勝てて勝ち点3を取れたことがいい。今季の3バックには少し課題が見て取れた。相手が持っているところで守備のスイッチが入りづらそうだ。だらだらボールを持たれている感じでもどかしい。相手のボランチやセンターバックがボールを持っている時に、もう少しパスコースを限定できたらいいと思う。今回はプレッシャーをかけなくても相手が勝手にミスしてくれていたからよかった。これからだと思う。このシステムは、昨季チームを支えた大夢(MF鎌田大夢)、ヒデ(MF武田英寿)、レンジ(MF松井蓮之)の3人を共存させるためのものだろう。大夢とヒデはサイドハーフよりもインサイドハーフでより輝くし、アンカーに置くことによってレンジの守備力はさらに際立っていた。いろいろと考えた結果がこの形なんだろう。まだ本人たちも物足りなさを感じているだろうから、ここからだね。良くも悪くも文化を変えるのはとてつもなく大変。前向きに4バックへ戻す判断が必要な時もある。クラブとして信念を持ってやっていくことが大切だ。近年は3バックが強いと言われていて採用するチームが増えているけど、仙台は4バックという印象。このことについては別の機会に語りたい。
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遠藤 康Yasushi Endo
1988年4月7日生まれ。
仙台市出身。
なかのFC(仙台市)から塩釜FC(宮城県塩釜市)を経て2007年鹿島アントラーズに加入。左足のキック精度が高く、卓越したボールキープ力も光る攻撃的MFで、10年以降は主力として3度のJリーグカップ制覇や、16年のJ1リーグと天皇杯優勝などに貢献した。J1通算304試合出場46得点。
2022年、15年プレーした鹿島を離れ、生まれ故郷のベガルタ仙台へ完全移籍した。
U-15、U-16、U-18の各年代で代表経験があり、15〜17年は日本代表候補に選出された。






