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Vol.50 いい競争がチームを育てる。

  • 2022.04.19

    Vol.50 いい競争がチームを育てる。

発源力

©GAMBA OSAKA

4月17日の湘南ベルマーレ戦は今シーズン初めて、完封負けを喫しました。今シーズンのホームゲームでは最多の16,576人の方が観戦に訪れてくれていたからこそ、勝ちたかった、ガンバクラップでたくさんの人と喜び合いたかったというのが素直な気持ちです。立ち上がりから湘南がいつものようにアグレッシブに前線から追いかけてこず、どちらかというとブロックを作って構えるような戦い方を敷いてきた中で、そのブロックに無理に突っ込んでいくより、左右に揺さぶったり、敢えてバックパスを使って相手を前に出てこさせるなど、もう少し個々が状況に応じて賢く、相手にとって嫌な立ち位置をとってボールを動かせれば良かったのですが、その連携、連動がスムーズにいかず…。また後半は特に、両ウイングハーフを含めて全体が5バック気味に下がってしまった中で、やられる気はしないけど、でも点を取れる形も作れないという状況で試合が進み、後半終了間際、ダワンが足を痛めてピッチを離れている10人の時間帯に点を決められてしまいました。
もっとも、失点した局面は相手の山本脩斗選手を褒めるしかないというか。うちのDF陣の死角になるところから山本選手が入ってきて、尚かつ、五分五分のボールに思い切って先に頭を出されたことからも山本選手の技術、執着が優ったシーンだったと思います。であればこそ、それ以前のシーンを見直すべきというか。ダワンが戻ってくるまでの時間帯にチームとして焦りが出てしまい、ボールの失い方が悪くなってカウンターを受けたと考えても、あの時間帯の使い方、攻め方にもっとチームとしての共通理解を持てれば良かったなと思ってます。
実際、僕自身も周りのチームメイトに「10人になっているぞ」とは伝えたものの、だからボールを持つのか、裏返して時間を稼ぐのか明確に伝えられなかったのは反省です。また、もっと遡れば、先ほども書いた通り、チームとして後半、思うようにラインを押し上げられなかった流れも失点シーンに影響したはずなので、そこをチームとして見直さなければいけないとも思います。というか、そこについては試合後すぐにポジションが近い選手とも意見を交わして、個々の選手のポジショニングをどうしたら良かったのか、どうすればもっとスムーズに相手を押し込めたのかを確認し合ったので、そのトライ&エラーを続けてチームを熟成させていくしかないと思っています。

またこの試合では、ディエゴ(クォン・ギョンウォン)、弦太、僕の組み合わせで初めて3バックを形成しましたが、公式戦で互いの特徴、状況に応じたプレーの癖を確認できたのは収穫でした。ただ、個人的には初めて右を預かった中で立ち上がりから20分間くらいは正直、左とはあまりにも見える景色が違いすぎて戸惑った部分もあったというのが本音です。20分過ぎからはボールを受けてもスッと周りを見れるようになり、右サイドハーフの康介(小野瀬)や前線のパトリックを狙った裏へのボール、逆サイドへの対角のボールも蹴れるようになり…30歳はまだまだチャレンジと成長ができる年齢だと実感しましたが、まだまだやれると思っています。公式戦を戦って気づけた課題はトレーニングで改善しながら、ここでもトライ&エラーを続けていくしかないと思っています。

そのディエゴやダワンなど、ここ数週間で新外国選手が完全に合流してきた流れもあり、チーム内ではより熾烈なポジション争いが生まれています。カタさん(片野坂知宏監督)には始動したときから一貫して「練習でいいパフォーマンスを発揮している選手を試合で起用する」と言われてきましたが、その考えのもと、それぞれの選手がより意識高くトレーニングに取り組むことで、色んなポジションでいい競争が生まれているんだと思います。そして、そうした練習の雰囲気と競争があるからこそ、先日のルヴァンカップ・大分トリニータ戦のようにメンバーを大きく入れ替えて戦っても、個々の選手がしっかりと躍動し、かつ、チームとしてもいいパフォーマンスが示せたんだと思います。
もちろん、大分は今、J2リーグを戦っているチームで、メンバーも普段のリーグ戦とは変えて臨んできたことを思えば、ある意味、勝って当然、いいパフォーマンスを示せて当然だと思っている人も多いかも知れません。そこはピッチで相手のレベルを体感した選手もシビアに受け止めているはずです。それでも、公式戦で結果を残すこと、勝つことの難しさを考えれば、普段のトレーニングで示してきたパフォーマンスを遺憾なく発揮できた事実は自信にしていいんじゃないか、と思っています。
とはいえ、カップ戦で結果を残せたからリーグ戦でもやれる、というほど甘い世界ではないとも思います。僕自身も若い時は、例えば、カップ戦では起用されてもリーグ戦では使ってもらえないという経験をし、「俺の方がいいパフォーマンスをしているのに、なんでベンチやねん!」とモヤモヤしていたこともあります(笑)。そういう自信が自分を奮い立たせることもあると考えれば、自信を持つことも決して悪いこととは思わないですが、キャリアを積んだ今なら、それが自信ではなく過信だったということが痛いほどわかります。
というより、この世界は、1つ結果を出したからOKではなく、いいパフォーマンスを継続できるか。どの相手に対しても一定のレベルのパフォーマンスを発揮し続けられるか。成長への欲を持ち続けて真摯にサッカーと向き合えるかが全てです。ディエゴが合流し、センターバックのポジション争いもより熾烈化してきた今、僕自身も今一度そのことを自分に突きつけて、普段のトレーニングに全力で向き合っていこうと思っています。

  • 昌子 源Gen Shoji
  • Gen Shoji

    1992年12月11日生まれ。
    兵庫県出身。
    11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
    18年12月に完全移籍が発表されたトゥールーズFCでもすぐさまレギュラーに定着したが、2シーズン目はケガに苦しみ、長きにわたり戦線離脱。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年2月にガンバ大阪への完全移籍が発表された。
    日本代表にも14年に初選出。18年のワールドカップ・ロシア大会でもレギュラーとして活躍した。

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