柴田 麗Urara Shibata
管理栄養士/公認スポーツ栄養士
大学にて体育の教員免許を取得後、カラダを動かすことから食べることの世界に興味を持ち、栄養学を学んで管理栄養士を取得する。筑波大学修士過程を修了した後、05年に明治製菓株式会社(現・株式会社明治)に入社。
様々な競技のトップアスリートの栄養サポートに携わり、19年3月に退社。現在はフリーで活動している。好きなスポーツに出会うことは人生を豊かにすると信じてやまない。
皆さんは朝からしっかりとごはんを食べられていますか?
朝は食欲がない、出掛ける準備で忙しい、もっと寝ていたい、などの理由で、朝食は他の2食に比べるとおろそかになりやすい食事です。また「寝ているだけでカラダは動かしていないから、何も食べなくても大丈夫」とも思いがちです。
朝食の役割は、寝ている間に下がった体温を上昇させて、やる気を起こしたり、脳やカラダへエネルギー源を補給したり、と1日の元気の源になっています。
さらにサッカージュニアには朝食を食べたほうが良い理由が2つあります。
朝食を食べないと、前日の夕食から次の日の昼食まで、睡眠時間を含む10時間以上何も口にしないことになります。でも、人間は寝ている間もエネルギ―や栄養素を使っています。
例えば、体温を維持するため、カラダを修復するために、日中の食事から摂った栄養素等が使われています。そのため、朝ごはんを食べないで活動をすると、カラダの中のエネルギー源が少ないため、自分のカラダを削って、エネルギー源にしてしまいます。これからサッカーのためにカラダをつくっていきたいと思っているサッカージュニアにはとてもマイナスです。また、食習慣という長期的な角度で見ると、必要な栄養素が不足する可能性もあります。
サッカージュニアは大人よりも必要な栄養素が多いと、以前にコラムでもご紹介しました。
朝食を食べなければ、昼食と夕食+補食で、1日に必要なエネルギーや栄養素を摂らなければいけません。それでは1食の量がかなり多くなります。まだ多くの食事量を食べられないジュニアも多いため、現実的に難しいと言えます。
朝食は習慣です。食べられないなぁ…で過ごしていると、朝食を食べない習慣が定着します。そうすると、毎日気がつかないうちに1日に必要な栄養素等が不足し続け、体調を崩しやすくなったり、練習でのスタミナが不足してしまいます。
もし今、朝食を食べられていないサッカージュニアがいたら、1品でもいいので、何かを食べる習慣をつけていきましょう。朝起きるのが苦手な場合、1分でも5分でも10分でも早く起きるようにしてみましょう。そして、ストレッチ、簡単な体操、散歩など、少しだけカラダを動かして、食卓に座ってみましょう。起き抜けのまま食卓に座るよりも食欲がわいてくるかもしれません。
その1食がサッカージュニアの戦えるカラダにつながっているのです。