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Vol.15 『ケガを知って強くなる!』

  • 2020.01.08

    Vol.15 『ケガを知って強くなる!』

連載コラム(コンディショニング) カラダを知って、強くなる!

  • サッカー専門トレーナーX
  • J1チーム専属トレーナーを経て独立し、現在Jリーガー・欧州プロサッカー選手たちを中心に様々な種目のトップアスリートのパーソナルサポートを展開。これまで国内外のプロサッカー選手、約200名のコンディショニングに関わってきた経験をもとに、コンディショニングを多元的に追求し続けています。

新年あけましておめでとうございます。
本年も一つでも多く、皆さんの気づきとなるようなコラムを書いていこうと思っていますので、よろしくお願いいたします!
2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されるなど、サッカーのみならずスポーツ界全体が盛り上がる一年となりそうです。様々な競技の選手が大会に向けてパフォーマンスアップを追求しつつ、同時にケガをしないようにとコンディションを整えていっている最中だと思います。

アスリートにとって、ケガはつきものですが、極力避けて通りたいと望むもの。今回はその『ケガ』って何なのかを少し掘り下げていきたいと思います。

そもそも『ケガ』とは、どの状態を指すのでしょう?
ここでは分かりやすく『ケガ』という言葉で説明しますが、医学的には『ケガ』という用語は存在せず、「外傷」「損傷」と表現します。
外傷は、自分以外の力によって組織が本来の状態ではなくなってしまったことを指し、骨折や捻挫、打撲、裂傷、脳震盪などがそれに該当します。
それに対して、損傷は組織が本来の状態ではない状態のこと全般を指します。例えば、肉離れなどは◯◯筋損傷と、捻挫は◯◯靭帯損傷と言ったりもします。
これらはMRI検査やCT画像検査、レントゲン検査、超音波エコー検査などによって医師が診断します。

長年、トレーナーをやっていると色々なケガの不思議に出会います。
損傷していても痛みがほとんどない。痛みは強いが損傷はほとんど見られない。損傷は治っているのに痛みが変わらない。他の選手と同じ損傷なのに復帰が遅れる。
そんな経験をしたことがある人も意外と多いのではないでしょうか?! 他にも腰痛を感じて画像診断をしたら腰椎ヘルニアや分離症、すべり症という診断結果が出たのに痛みが強い時と、あまり痛みを感じない調子がいい時もある、といった浮き沈みを繰り返す、など。

実は多くの場合はケガに困っているのではなく、痛みに困っているのではないでしょうか。ですが、損傷と痛みは一概に同じ物差しでは測れません。なのに、これを同じものだと捉えてしまうことで迷宮入りしてしまうことも多々あるのです。
事実、「損傷」の回復、「痛み」の軽減は負傷から数日後からは違う道筋で進んでいきます。であればこそ、Xはそれぞれを分けてアプローチしていく必要があると考えています。

ケガの治療は、損傷した組織の修復を目的にした治療と、痛みの軽減を目的にする治療、という最低でも2通りの治療をしていくことで、復帰に向けてのリハビリの進み具合や本人の意欲も大きく変わっていきます。その過程では、ケガをした選手自身が「誰かがケガを治してくれるだろう」と他人任せになるのではなく、自分自身でケガを治していくんだ、という強い気持ちを持ち、まずは損傷や痛みについて理解することから始めるべきだと思います。次回はその、選手自身が知っておくべき知識についてお話ししていきます。

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