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Vol.8 J1リーグ2連勝! さて、今回のテーマは…。

  • 2020.07.21

    Vol.8 J1リーグ2連勝! さて、今回のテーマは…。

発源力

あっという間に7月が終わり、もうすぐ8月になろうとしています。大分トリニータ戦では再開後、初めて人数制限の中でサポーターの皆さんに足を運んでいただいて試合をすることができ、清水エスパルス戦に続く勝利を挙げることができました。スタンドにはたくさんの横断幕とともに、僕の横断幕も掲げてもらって、すごく嬉しかったです。内容の方は、試合を重ねるごとにガンバらしい形も増えてきていますし何より、ここ2試合で『勝利』という結果を得られたことで、この先の連戦も更に加速していけるんじゃないかと思っています。ただ、守備陣の一人として、毎試合、失点していることは気になります。また、試合の流れに応じて相手の狙いをいち早く察して対応する力だとか、リードした展開の中でより自分たちが優位に試合を進める戦い方といった部分でも、まだまだ改善していけるはずです。というか、そういった課題にみんなと一緒に向き合えるように僕も1日も早く、ピッチに戻りたい! 右足首は順調に回復していて、このままいけば次回のコラムではいい報告ができるはずなので、引き続き、しっかりとリハビリに向き合っていきます!
さて、これまでどちらかというとタイムリーな話題が続きましたが毎回、ネタがあるわけでもないため(笑)、今後は、その時々で僕が話したいと思うテーマに基づいていろんな話をしていこうと思っています。それによって昌子源という人間を少しでも知ってもらえたら嬉しいです。
今回のテーマは『国内組と海外組』について。近年は日本国内でも『海外組』『国内組』というワードで選手を分類する傾向にあります。と言っても以前であれば、Jリーグで活躍した次のステップとして『海外』を選択する選手を『海外組』と呼んでいましたが、最近はJリーグを経験せずに、高校や大学を卒業後、海外に乗り込んでセレクションを受けたり、いろんなルートでチームを探す選手も増えました。それによって、そのまま海外で活躍している選手もいますし、逆に海外から日本に逆輸入されてJリーグでプレーしている選手もいます。そう考えると『プロサッカー選手』を目指す上で『海外』も選択肢の1つになってきているということだと思います。
ただ、そんな風に以前より『海外』が身近になった状況でも、相変わらず日本国内では『国内組<海外組』と考える人が多く、日本代表として活躍するには海外に行かないと、的な風潮があることには違和感を覚えるというか…。思えばこれは、僕がまだ海外でプレーしているときに、日本代表で一緒になった川島永嗣さん(RCストラスブール)に言われて、考えさせられたことでもあります。
「日本代表を目指す上で、国内組とか海外組とか関係ないでしょ。むしろ俺は『Jリーグでプレーを磨いて、日本代表でバリバリ活躍してやる』って選手がもっと出てくるべきだと思うし、そうじゃないとJリーグはダメになっていくと思う」
永嗣さんのその言葉を聞いた時は雷が落ちたような衝撃を受けたというか。といっても、当時はまだ僕も日本に帰るつもりはなかったので「確かに、そういう選手がもっとJリーグから出てくるべきよな」と思い、ただただ頷くばかりでした。ですが、自分がいざJリーグに復帰するとなった際にはその言葉が蘇ってきて、そのことを自分が証明したいという思いが強くなりました。
それに、ガンバには身をもってそれを証明してきたヤットさん(遠藤保仁)がいます。Jリーグ再開直後の大阪ダービーではJ1最多出場記録を達成されましたが、ヤットさんはこのJリーグで活躍を続け、日本の心臓と言われるまでの存在になったし、日本代表の最多出場記録を持っているのもヤットさんです。そんな風に、Jリーグでプレーしていても十分、日本代表として活躍できるということを、目の前で証明してくれている人がいることで、よりその思いは強くなっています。実際、「海外組、海外組ってうるさいねん」とか「海外組だから何なん?」と胸を張って言える選手がJリーグからたくさん出てきたら、それは間違いなくJリーグや日本のサッカー界の発展に繋がるはずです。
もっとも、これは海外組を否定しているわけではありません。海外でプレーした経験を踏まえてもそれがどれだけ難しいことは理解していますし、実際に海外の、世界のトップリーグと言われる舞台で活躍しながら日本代表を牽引している選手もいます。でも、そこにばかり頼るのではなく国内からスター選手がどんどん誕生し、何でもかんでも『海外組』がすごいわけじゃないということを証明していかないとJリーグは衰退の一途をたどってしまうという危機感もある。だからこそ、復帰した暁には、そのことをしっかり心に据えてJリーグで成長し続ける自分を示していこうと思います。

  • 昌子 源Gen Shoji
  • Gen Shoji

    1992年12月11日生まれ。
    兵庫県出身。
    11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
    18年12月にトゥールーズFCに完全移籍。すぐさまレギュラーに定着するも2シーズン目はケガに苦しみ長期の戦線離脱に。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年から3シーズンはガンバ大阪で、23年は鹿島アントラーズでプレー。24年はFC町田ゼルビアに完全移籍となった。
    14年に日本代表に初選出。2018FIFAワールドカップ ロシア出場。

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