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Vol.20 ガンバファミリーで目指す「1位」。

  • 2021.01.19

    Vol.20 ガンバファミリーで目指す「1位」。

発源力

©GAMBA OSAKA

プロ11年目のシーズンを迎えるにあたり、生まれて初めて年末年始を病院で過ごしました。
右足首のオペ後の経過は良好で腫れも少なく、すぐに退院することも可能でしたが、新型コロナウイルスの影響で病院の出入りの度にPCR検査を受けなければいけなくなること。また、年末年始の病院内でのリハビリは、入院患者しか受け付けてもらえなかったためそのまま病院にいることを選択しました。当然ながらコロナ禍で家族との面会もできず、入院中はまさにiPadだけが友達でした(笑)。
そんな時間を乗り越え、今は自宅に戻りリハビリを継続しています。年始からしばらくは「元日まで働いていたメディカルスタッフを年始早々、働かせられないな」と思い、個人的にトレーナーと契約してリハビリをしていましたが、チームの始動が近づいてからはこれまで通り、メディカルスタッフとしっかりコミュニケーションをとってリハビリに励んでいます。

ガンバのメディカルスタッフには今回の手術に至るまでの過程も含め、たくさんのサポートをしてもらいました。フランスではケガをした後、メディカルスタッフとのコミュニケーションがうまくいかず、不信感も募る中で帰国しましたが、昨年はリハビリの過程でも、復帰してからも逐一、榎本雄介チームドクターに足首の状態を報告し、相談しながら向き合ってきました。小さな不安にも真摯に耳を傾けてもらい、相談に乗ってもらいました。おかげで胸にある不安を最小限に留めることができたし、痛みとの戦いが続いた中でもトレーナー陣には最大限のサポートをしてもらい、背中を押してもらいました。
もっとも、それに応えられるようなパフォーマンスができた試合は1つもなかったし、手術に踏み切った今も、絶対に良くなるという保証はありません。経過も含めていろんなことが順調に進んでいますし、術後、3週間での検診でも執刀ドクターには「腫れも出ていないし、経過としては良好」と言われたけど、本格的に動き始めたら、また違うことを感じるかもしれないと覚悟もしています。
それでも、昨年1年を通して感じたメディカルスタッフへの信頼、安心感は間違いなく今年も僕に勇気をくれると信じているし、そうした環境にいられることを幸せに感じています。そのことは、早く復帰したいという思いにもつながっているし、Jリーグ開幕戦の日程が発表された今は尚更、はやる気持ちもあります。ただ、一方で「せっかく踏み切ったオペが無駄にならないように、焦るなよ」と言い聞かせている自分もいます。昨年以上の自分を見せたいと思えばこそ、です。
当たり前のことですが、アスリートは自分の体が万全でなければいいパフォーマンスは示せません。それは去年の戦いを通してより痛感したし、前回のコラムでも触れたように正直、口ばかりが先行してしまって、プレーが伴っていなかったことも自覚しています。常々、自分ができる最大限でピッチに立つことは心がけていたものの、チームメイトに不安を与えてしまうようなパフォーマンスも多かったと思います。であればこそ、今年は、チームメイトにも「足首はもう大丈夫なんやな! ここからが本領発揮やな!」という安心感を与えられる状態でピッチに戻りたいし、その上でプレーも、口も(笑)、走らせたいと思っています。

全ては、チームが目指す『タイトル』のためです。この世界は結果が全てです。昨年は2位につけることはできましたが、シーズンが終わってしまえば、優勝した川崎フロンターレと、その他のチームにしか分類されません。
また、天皇杯決勝や僕も出場して0-5大敗した川崎フロンターレ戦でも明らかになったように、優勝した川崎と僕らとの差は正直、あったと思います。だからこそ、今年、その差を埋めて『タイトル』を掴むことを考えるなら個人も、チームもレベルアップしなければいけないし、個々の選手がマックスの力を出し切った上で、それを組織としてより大きなものにしなければいけません。
その『レベルアップ』はサポーターの皆さんにも求めてもらいたいと思っています。なぜなら、僕たちはガンバの名の下に集うファミリーだからです。
先日、再び緊急事態宣言が発令されて、今年のJリーグがどのように開催されるのか、まだまだ不透明なところも多いだけに、厳しいことを言うのは心苦しいところもありますが、ファミリーだと思っているからこそ、敢えて言います。僕たちが昨年2位に終わったということは、サポーターの皆さんもJ1リーグでは2位の応援だったということになります。ファミリーとして、その現実を皆さんにも一緒に受け止めてもらいたいし、だからこそ「1位になるために」ということを意識して、昨年以上のパワーを送ってもらいたいとも思っています。
僕らのパフォーマンスが良くない時はサポーターの皆さんの応援に力を貸してもらう。応援のボルテージが上がらない時は僕たちがプレーで引っ張り、皆さんの熱を高める。そうして互いの力を引き出しながらファミリーとして一体感を持って戦うことができれば、確実に『タイトル』に近づくことはできると信じています。今シーズンがどういう状況になろうとも、僕たちはタイトルを目指し続けます。なので、皆さんも「昨年以上の応援を送ろうぜ」という気概で、タイトルを目指して熱を送り続けてください。
 
…と、今回も熱く語ってしまいましたが、このコラムも20回目を迎え、またリハビリ中ということもあり、正直、発言することがなくなってきたなという危機を感じています。『発源力』が、発言できないピンチです(笑)。
そこで、皆さんの力を借りて、僕に聞きたいこと、話して欲しいテーマを募集してみようと思います。と言っても僕はSNSをやっていないため、REIBOLAのTwitter上、今回のコラムのツイートに関するコメント欄で募集します! どれだけ集まるか、『発源力』の真価が問われるところですが、どんな内容でもいいのでぜひ、質問を送ってください。その上で、今シーズンの『発源力』では、現状についての話にとどまらず、皆さんからの質問に答えながらコミュニケーションを深める場にしていければと考えています。

  • 昌子 源Gen Shoji
  • Gen Shoji

    1992年12月11日生まれ。
    兵庫県出身。
    11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
    18年12月にトゥールーズFCに完全移籍。すぐさまレギュラーに定着するも2シーズン目はケガに苦しみ長期の戦線離脱に。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年から3シーズンはガンバ大阪で、23年は鹿島アントラーズでプレー。24年はFC町田ゼルビアに完全移籍となった。
    14年に日本代表に初選出。2018FIFAワールドカップ ロシア出場。

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