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Vol.18 2021シーズン始動

  • 2021.01.28

    Vol.18 2021シーズン始動

BRAIN〜ズミの思考〜

1月25日、FC TIAMO枚方(以下、ティアモ)の2021シーズンがスタートした。昨年、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(以下、全国地域CL)で優勝し、今年は戦いの場が日本フットボールリーグ(以下、JFL)になる。このJFLはJ1リーグから数えると4部リーグにあたり、アマチュアリーグでは最高峰。Jリーグ参入を目指す上では、最後の壁となる。

昨年、昇格を決めた直後からJFLでの戦いに向けた準備が始まった。全国地域CL後、1週間のオフを挟んで、12月1日から2週間のトレーニングを実施。理由は3つある。
1つ目は、2021年3月14日のJFL開幕戦を見据えて、選手を休ませすぎないようにするため。ある程度の休みは必要だが、2ヶ月も休んでしまうと再びトップコンディションに戻すまでにかなり時間がかかってしまう。2つ目は、試合出場が少なかった選手や若い選手たちの成長のため。若い選手は悔しい気持ちをすぐにトレーニングにぶつけることで成長の振り幅が大きくなるからだ。
そして3つ目は、来季への新戦力獲得に向けた練習参加選手を受け入れるためである。12月7〜11日までの5日間で約20人が参加し、その中から4人の加入が決まり、年明けの20日のセレクションでも新戦力の発掘を目指した。昨シーズンは、年明けに監督に就任したことから選手編成にはほとんど携わることができなかったが、今シーズンは自分の目で見て選考させてもらえたことで、自分の中で試合をイメージしながら選手を選び、獲得することができた。

チーム始動ミーティングでは、昨シーズンの振り返りと、今年の目標、目指すサッカーとともに「今シーズンはJFLの舞台で『ティアモ旋風』を巻き起こしたい」とチームに伝えた。
この『旋風』という単語は「社会の反響を呼ぶような突発的な出来事・事件。またそれによる反響」という意味を持つ。ティアモは現在、J3クラブライセンスを取得できていない。なので、今シーズンJ3昇格に必要な4位以内という成績を残せたとしても、J3に上がることはできない。このJ3クラブライセンスの取得には、たくさんの課題があるのだが、一番大きいのはスタジアム問題だ。規約では『ホームスタジアムの収容人数が原則として座席(椅子)で5000人以上』と定められているのに対し、今年もホームスタジアムとして使用する枚方市立陸上競技場はその条件を満たしていない。この問題はティアモというクラブだけで解決できるものでは到底なく、枚方市やクラブを取り巻く全ての方々と共に立ち向かわなければ乗り越えられない壁である。だからこそ、今年ティアモがJFL昇格初年度で事件となるような結果を残し『ティアモ旋風』を巻き起こすことで、クラブを取り巻く環境に反響を与え、スタジアム問題の解決に向けた流れが加速するきっかけにしたいと考えている。
そしてホームタウンを活気づけるのもサッカークラブの持つ役割の一つだ。
去年までは関西サッカーリーグという関西地域のチームに過ぎなかったティアモだが、今年はJFLという全国リーグを戦うチームとなる。ティアモというクラブがサッカーを通じて全国にその名を轟かせ、元気を与えたり、子供たちに夢を与えることが、サポートしていただいている枚方市や支援いただいているスポンサー様への恩返しになると思うからこそ、全国の方々に『枚方』を「まいかた」ではなく「ひらかた」とちゃんと認知してもらえるようにアピールしていきたい。

去年は、監督就任1年目にして、目標である『無敗でのJFL昇格』を達成できた。正直、運にも味方してもらった出来すぎた1年で、自分にとっての本当の意味での勝負は今年だと考えている。
選手を成長させ、勝ち切るチームになること。そのために自分自身も勝たせられる監督になること。その2つを意識しながら、新しいシーズンも選手、スタッフが一丸となって戦い、ティアモ旋風を巻き起こす。大きな覚悟とともに、楽しみな1年が始まった。

  • 小川 佳純Yoshizumi Ogawa
  • Yoshizumi Ogawa

    1984年8月25日生まれ。
    東京都出身。
    07年に明治大学より名古屋グランパスに加入。
    08年に新監督に就任したドラガン・ストイコビッチにより中盤の右サイドのレギュラーに抜擢され、11得点11アシストを記録。Jリーグベストイレブンと新人王を獲得した。09年には、かつてストイコビッチも背負った背番号『10』を背負い、2010年のリーグ優勝に貢献。17年にはサガン鳥栖に、同年夏にアルビレックス新潟に移籍し、J1通算300試合出場を達成した。
    20年1月に現役引退とFC TIAMO枚方の監督就任を発表し、指導者としてのキャリアをスタートさせた。

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