サッカー専門トレーナーX
J1チーム専属トレーナーを経て独立し、現在Jリーガー・欧州プロサッカー選手たちを中心に様々な種目のトップアスリートのパーソナルサポートを展開。これまで国内外のプロサッカー選手、約200名のコンディショニングに関わってきた経験をもとに、コンディショニングを多元的に追求し続けています。
腹式呼吸でお腹が膨らむようになってきましたか?! 息を吸いながらお腹を膨らませるのは意外と難しいかもしれません。
ですが、呼吸は人が生きる上で最も大切なこと!! 今回はその腹式呼吸が体幹トレーニングとしてだけではなくすごく重要なんだ! ってことを知ってもらおうと思います。
人間は水のないところでは3日間ぐらいは生きられるけど、酸素のないところでは5分も生きていられないというのは知っているかな?! それは僕らの体が酸素をエネルギーにして生きているから。
つまり、酸素がなければサッカーだって出来ない! しかも、サッカーで求められるのは『技術とエネルギーを発揮し続けられる選手』だからこそ、プレーをする上でエネルギーの獲得と発揮は不可欠な要素なんだ。
そのエネルギーの源となる酸素は呼吸から獲得しているとなれば、呼吸のトレーニングがいかに大切かも分かってもらえるよね!
そもそも、人間は呼吸(換気)をすることで、空気中に含まれる21%の酸素を、体内で必要な酸素濃度6%に保つように生きています。
普通の生活をしている時の一回の体の換気量は平均500mlだけど、実際に肺に入る空気の量はそのうちの350mlで、全部が肺に入ってくるわけではない! しかも、サッカーをしている時などは胸式呼吸が優位になるため、一回の換気量は250mlぐらいが平均で、肺に入る空気の量は100mlあるかないか…。その上、体内では取り込まれた酸素の取り合いが行われていて、優先的に脳がその内の25%を消費しちゃうし、内臓なんかも先に酸素を奪っていっちゃうから、筋肉に回ってくる酸素は、微微たるものになっちゃう…。
だから、できるだけ換気量を上げて多くの空気を取り込み、筋肉に回す分まで酸素を奪ってくるしかない!! 普段から、試合中でも300mlくらいの換気ができるようになっておくことを目指すべし!
特に、腹式呼吸などの深い呼吸では一回の換気量が1,000mlを超え、肺にも850ml以上の空気を取り込めるから理想的。腹式呼吸を日常生活や練習中から意識的に繰り返しておけば、徐々に試合中にもできるようになり、呼吸の質が向上して普通に呼吸をする時にも横隔膜が大きく動くようになれば、インナーユニットも使いやすくなる! そうやって、より多くの空気を取り込めるようになれば、試合後半にボーッとしてきたり、体が止まってしまうことも防げるはず!
プロの選手でも『しっかりと息を吸う、吐く』ができない選手は多いけれど、呼吸を意識したエクササイズを続けていくことでスタミナや試合中の判断力が向上したという例も! そのくらい呼吸はすごく大事だって忘れないで!