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REIBOLA TOP > コラム > Vol.12 『スピード&パワーの源』
  • サッカー専門トレーナーX
  • J1チーム専属トレーナーを経て独立し、現在Jリーガー・欧州プロサッカー選手たちを中心に様々な種目のトップアスリートのパーソナルサポートを展開。これまで国内外のプロサッカー選手、約200名のコンディショニングに関わってきた経験をもとに、コンディショニングを多元的に追求し続けています。

こんにちは! 何回かにわたってメンタル的な側面を中心にお話ししてきましたので、ここらで少し、フィジカルについての話を挟んでいこうと思います!

というわけで、今回は「スピード&パワーの源」についてお話しします。皆さんの中には「もっとスピードを上げたい!」「パワーを高めたい」と感じている人も多いのではないでしょうか? 実はトップアスリートからも「スピードやパワーを上げたい!」という要望は多いのですが、正直、そんな選手たちの身体を診て感じるのは「これじゃぁスピードもパワーも上がらないな…」ということです。

まず最初に、選手の全身の筋肉を隈なく触り、上半身と下半身、右側と左側、前面と後面、外側と内側、アウターとインナーなど、どの筋肉のどの部分を使い過ぎているか、使えていないかを診ていくと、スピードやパワーが不足していると感じる選手の代表的な症例として下記の3つが挙げられます。

①『大腿四頭筋(もも前)をハムストリングス(モモの後ろ)より使っている』
大腿四頭筋も大事ですが、大腿四頭筋はブレーキの役割をしているため、そこばかりが強くなると、逆にブレーキをかけながらプレーしてしまうことになるため、スピードが出ません。

②『臀部とハムストリングスが連動していない』
臀部とハムストリングスはアクセルの役割を担いますが、臀筋を使わずにハムストリングスだけでアクセルを踏んでいる状態になると、股関節からの力の伝達が不十分となり、パワーの出力が高まりません。

③『臀部と対側の広背筋が連動していない』
臀部と背部の連動によってスピードやパワーが生み出されますが、左の臀部と右背部というように、対角線上に力が伝達されないと出力が高まりません。

④『大胸筋と腸腰筋が連動していない』
右足でボールを蹴る際、インパクトからフォロースルーの際に大胸筋から腕の畳み込む力と、腸腰筋の引きつける力を同時に出力しながら左腕と右脚がクロスしなければボールを遠くに飛ばしたり、強いボールに蹴ることができません。

⑤『インナーユニットが使えていない』
上記のすべての連動にインナーユニットが関与するため、体幹が安定性を持てないと軸が定まらず脚や腕への力の伝達がスムーズにいきません。

人間の身体は前後、左右、対角と連動して動作を行うため、スピードとパワーを求めるには、それぞれの機能と、それらが合わさった連動動作の両面から高めていく必要があります。日頃の練習やトレーニングからそういった意識を持ち、脚だけや上半身だけとパーツで考えるのではなく、どこが連動しているかを意識して行ってみてください!

それぞれについての詳細については、また追い追いお話ししていきます!

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