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Vol.21 質問に答えます!編①

  • 2021.02.02

    Vol.21 質問に答えます!編①

発源力

©GAMBA OSAKA

1月18日に新シーズンが始動しました! 僕はその前からリハビリに励んでいたため、一足先に始動していましたが、久しぶりにチームメイトやスタッフとも顔を合わせ、改めて気が引き締まる思いです。ちなみに、リハビリは順調に進んでいますのでご心配なく!

さて、前回、サポーターの皆さんから僕に聞きたいこと、話して欲しいテーマを募集したところ、編集部にたくさんのメッセージが届いたと聞きました。ありがとうございます! 正直、こんなにたくさんの人が質問を寄せてくれると思っていなかったので素直に嬉しいです。そのすべてに目を通しましたが…率直な感想は、いい質問が多くて驚いた、です。正直もっと軽いノリの質問が来ると思って油断していました(笑)! というわけで、僕も心して答えていこうと思いますが、残念ながらスペースの都合もあり、すべてにお答えすることはできません。ただ、できるだけ公平に、たくさんの質問に答えたいと思い、編集部に似たような質問は統合するといった工夫をしてもらい、その中から僕が無作為に選んだ質問に答えることにしました。なので「これは自分の質問と似ているな!」とか「自分の質問の答えにも通じるかも」などと想像して読んでもらえたら嬉しいです。今回はまず3つの質問に答えます。

■Q.自分の言葉が影響力を持つと感じるようになったのはいつですか? 言葉を発するときに、伝えやすくするために心がけていることや、話し方で意識していることを教えてください。

基本的に、僕は高校生くらいから『言葉』で自分の考えを伝えられるタイプでした。先生ともコミュニケーションはよく図ったし、プロになってエージェントをつけていなかった時期はシーズン終了後の契約交渉も自分で行っていました。
「来年の僕に期待して、少しでもいいから年俸を上げてください」
強化部長にそんな話をして驚かれたこともあります(笑)。
またピッチでの声も、鹿島アントラーズでレギュラーに定着したくらいからより増えていったし、15年に日本代表デビューをし、18年にワールドカップ・ロシア大会に出場したことで自分の言葉が持つ影響力について考えるようにもなりました。
これは、キャリアに並行して自分の交友関係にも変化が生まれ、サッカーに関係なく企業の社長さんや著名な方と会う機会が増えたことも影響していると思います。上に立つ人、リーダーと呼ばれる人の話し方や考え方に触れる機会が増えたことで、自分の言葉への責任や重みを実感するようになりました。
言葉で何かを伝えるときに心がけているのは、まず『上から目線』にはならないということです。もちろん、後輩には敢えて厳しいことを言うことはありますが、そういう時は一方的に言葉を吐くだけではなく僕なりにフォローを入れることもセットで考えます。僕も若い時には先輩方にそうやっていろんなことを教えられ、成長できたと思っています。また、基本的なスタンスは「聞かれたら答える」に決めています。何でもかんでも自分の考えを押し付けることがいいとは思っていないし、僕の言葉を必要としていない選手もいるかもしれないからです。もっとも「チームの勝利のためにできることをすべてやる」のが仕事なので、試合や練習などオンザピッチで必要だと思うことはどんどん言いますが、実はオフザピッチではそこまで自分から話しかけることはあまりなく、基本「待ち」の姿勢だし、意外と大人しいです(笑)。

■Q.プロとして行動する上で、心がけていることはありますか? 

細かいことを挙げればきりがないので、大きなくくりでいうと、一緒に働く人たち、支えてくれる人たちに感謝の気持ちを持って行動することは常々意識しています。サッカー界ではプロサッカー選手がスポットライトを浴びることが多いですが、僕たち以外にもいろんな人がサッカーに関わって仕事をしています。ガンバでも1つの試合を成立させるためにたくさんの人が力を貸してくれています。昨年、コロナ禍ではよりそのことを痛感したし、J1リーグの34試合を成立させることがどれだけ大変なことかも思い知りました。僕たちはその人たちを代表して試合を戦い、皆さんの拍手をもらっているからこそ、そのことは常に心して仕事をしなければいけないし、行動しなければいけないし、支えてくれる人たちのためにも優勝しなければいけない、と思っています。

■Q.答えにくい質問だと思いますが、鹿島アントラーズからいいオファーが来たらどうしますか?

なぜかこの質問が多かったのですが、選んでしまったので答えます(笑)。
鹿島に限らず、どのチームであっても、いいオファーについては一旦、必ず考えます。いいか悪いか別としても『オファー』というのはある意味、プロサッカー選手である自分への評価だからです。
もちろん、このコラムでも話したことがあるように、昨年、Jリーグへの復帰を決めた僕に真っ先にオファーをくれたガンバ大阪には大きな恩を感じています。まだリハビリ中で復帰のメドも立っていない僕に、チーム編成が終わっていたはずの時期にオファーを出すのは決して簡単ではなかったと思うだけに尚更です。だからこそ、ガンバのために全力を注ぎたいし、『タイトル』獲得の力にならなければいけないという思いもめちゃめちゃ強いです。
でも仮に、僕がこの先、全く試合に出られなかったとしたら、プロサッカー選手として出場機会を求めるのは当然のことだと思います。例えば自分が32歳、33歳と年齢を重ねていったときには、1年契約より3年契約のオファーに魅力を感じるかもしれません。プロサッカー選手の寿命の短さを踏まえ、将来を考えて、あるいは家族を養うために、より大きな金額を提示してくれたチームに心が動くかもしれません。鹿島の曽ヶ端準さんや川崎フロンターレの中村憲剛さんのようにワンクラブマンでキャリアを全うできれば理想ですが、それが叶う選手はそう多くないというのもプロサッカー界の現実だと思います。
というようなことを総合して考えても、鹿島だから、ということではなく「いいオファー」に関しては自分の現状としっかり向き合いながら一旦考える、が僕のスタンスです。もっとも今は、どこからもそんな話はないので想像することすらないです(笑)!

(次回に続く)
  • 昌子 源Gen Shoji
  • Gen Shoji

    1992年12月11日生まれ。
    兵庫県出身。
    11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
    18年12月にトゥールーズFCに完全移籍。すぐさまレギュラーに定着するも2シーズン目はケガに苦しみ長期の戦線離脱に。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年から3シーズンはガンバ大阪で、23年は鹿島アントラーズでプレー。24年はFC町田ゼルビアに完全移籍となった。
    14年に日本代表に初選出。2018FIFAワールドカップ ロシア出場。

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「強化した肉体とプレーがどんなふうにリンクするのか、すごく楽しみ」