ドイツのマインツU-23で指導するジモン・ペシュ氏(SIMON PESCH)。今の仕事に就くまでの思い、そしてどのような経緯で指導者になったのか。ドイツのクラブの伝統やスタイルの背景から、現状で取り組んでいることについて聞きました。
―今回はドイツのマインツU-23で指導をされているジモン・ペシュ氏(SIMON PESCH)にお話を伺います。まず、ジモン氏が指導者になったきっかけを教えてください。
ジモン 私はケルン体育大学に入学し、当初はスポーツジャーナリズムを専攻していました。その学生時代にアルバイトのような形で、「タクソフィット(正式名称:タクソフィット・ファースト・ユーゲント・フースバル・シューレ)」というチームで8歳以下の小さな子たちの指導を始めたんです。それで、指導者という役割がすごく楽しいことに気づき、指導者として仕事をしたいと思うようになりました。
―どのようなところに指導者の楽しみを見いだしたのでしょうか?
ジモン 上のレベルに行けば行くほど、いろいろな可能性が広がっていくということです。それからはこの仕事に対する興味や愛情がどんどん湧いてきて、そして今、指導者を職業にすることができています。
―もともと、サッカー選手としての経験もあるのですか?
ジモン レベルの低いアマチュアチームでセンターバックとしてプレーしていました。そのときにいい指導者に出会えなかったことも、自分が指導の勉強をする上での一つのモチベーションになっています。当然のことながら、指導者はいつもチームや選手のパフォーマンスの責任を持つ立場にいますので。
―その後は、どのような指導者キャリアを歩んできたのですか?
ジモン タクソフィットでU-11監督やU-17コーチ、U-19コーチも務め、それからフォルトゥナ・デュッセルドルフに行きました。現在、日本代表の田中碧選手が所属していることでも知られているクラブです。そのフォルトゥナ・デュッセルドルフではU-16コーチを経験し、その次にアレマニア・アーヘンのトップチームのコーチになり、そこからプロの指導者としてのキャリアが始まりました。