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Vol.41「2021シーズン、ありがとうございました!」

  • 2021.12.07

    Vol.41「2021シーズン、ありがとうございました!」

発源力

©GAMBA OSAKA

2021シーズンの戦いが終わりました。まずは昨年からのコロナ禍にあってもガンバへの多大なるご支援、ご声援をいただいたスポンサーやホームタウンの皆さんに感謝の気持ちを伝えたいと思います。ありがとうございました。

そしてサポーターの皆さん。今年は無観客試合も多く、テレビの向こうで応援してくれた人も多かったんじゃないかと思います。スタジアムの入場制限が5000人から1万人、現在の2万人と少しずつ増えるとともに、タオルマフラーやフラッグを使った応援がOKになったという変化はありましたが、相変わらず声を出した応援はできない状況が続き、もしかしたらスタンドに座っていても、もどかしさを感じながら試合を見守ってくれていたかもしれません。また何より、今年は皆さんにたくさんの勝利を届けられず、歯がゆさや悔しさを募らせてスタジアムを後にした方も多かったはずです。ですが、そうした状況にあってもみなさんが最後まで後押ししてくれたことで、決して誇れる結果でないとはいえガンバはJ1残留を決めることができ、来年、再びJ1リーグに挑戦する権利を掴むことができたと思っています。ありがとうございました。

今シーズンは、本当にいろんな戦いがありました。シーズン当初に思い描いていた戦いからは程遠く、正直、序盤での新型コロナウイルスによる活動休止が、年間を通していろんな面で影響したことを考えれば、もしかしたらJリーグの中で最も新型コロナウイルスの影響を受けたクラブだったと言えるかもしれません。ですが、正直、僕はこれもサッカーだと思っています。
よくチームは生き物だと言いますが、どれだけキャリアを積み上げても同じシーズンは1つとしてなく、長いシーズンの間には様々な問題に直面します。それを乗り越えられたと思っても、すぐにまた大きな壁が目の前に立ちはだかることもあるし、乗り越えられたと思っていたことが実はうまくやり過ごせていただけだった、と後から気づいたこともあります。何が良くて、何が悪いのか。結果が全てとされる世界では、勝てばOKと思われがちで、確かにそれも一理ありますが、その結果を導き出す過程に目を向ければ、勝てたから全てOK、負けたから全てダメとは言い切れません。
そういう意味では、このたくさんの負けを味わったシーズンも、僕は決して無駄だったとは思っていません。どんな状況にあっても、誰一人として現状を諦めることなく、常にプライドを持って相手に立ち向かい続けたこと。もがいて、苦しんで、でも前を向いて進もうとできたこと。その事実はJ1残留を引き寄せただけではなく、今後のそれぞれのキャリアにおいても、必ず力になると僕は信じています。

余談ですが、37節の湘南ベルマーレ対徳島ヴォルティス戦後、監督である智さん(山口)が挨拶をされている時に、徳島サポーターから心ない発言があったという事実をニュースで知りました。それを受け、徳島の社長がクラブを代表して謝罪されたという記事も目にしましたが、それを読みながら今回の件はどのクラブにとっても決して他人事ではないなと感じたし、僕自身も改めてガンバファミリーについて考えました。
思えば、この発源力において僕は繰り返し、皆さんのことをファミリーだと思っていると伝えてきました。これはピッチで戦う選手、陰でサポートを行ってくれるスタッフ、支えてくれるスポンサーやホームタウンの皆さん、応援してくれるサポーターの皆さんなど、ガンバに関わる全ての人たちが年齢、性別、立場に関係なく、また、誰が上で、誰が下でもなく、共に勝利を目指す仲間だと信じているからです。
ですが、この家はあまりに大きく、例えば、自分の家族のようにいつだって目が行き届く場所にいて、顔を突き合わせていろんなことを相談しながら人生を進んでいけるような関係性にあるわけではありません。顔を合わせたことのないファミリーもたくさんいます。でもだからこそ、それぞれがガンバの一員であることを自覚した上で、より互いへのリスペクトを持ちながら、それぞれが自分の言動に責任を持って行動しなければいけないし、その場限りの感情に揺り動かされることなくガンバという家を守り、支えなければいけないのだと思います。そして、そうした一人一人の心がけがあってこそ、ファミリーとしての結束が強まり、ひいてはそれがクラブとしての風格や結果につながっていくんじゃないかとも思っています。
来シーズンはぜひ、みんなで強いガンバファミリーとしての姿を示せるシーズンにしましょう。2021シーズン、ありがとうございました。


<追伸> 名古屋グランパス戦の試合前には僕の200試合出場セレモニーを行っていただきました。ガンバのユニフォームを着て、息子と写真におさまることができ、最高でした!もしあの時の様子をスタンドから撮影されている方いらっしゃったらREIBOLAのTwitter宛に送ってもらえたら嬉しいです。

  • 昌子 源Gen Shoji
  • Gen Shoji

    1992年12月11日生まれ。
    兵庫県出身。
    11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
    18年12月にトゥールーズFCに完全移籍。すぐさまレギュラーに定着するも2シーズン目はケガに苦しみ長期の戦線離脱に。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年から3シーズンはガンバ大阪で、23年は鹿島アントラーズでプレー。24年はFC町田ゼルビアに完全移籍となった。
    14年に日本代表に初選出。2018FIFAワールドカップ ロシア出場。

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