(取材日/2019.05.29)
中澤 アキは何歳で海外に行ったの?
家長 25歳になる年です。
中澤 あれ? もう少し若くなかった? あ、その前に期限付きで大分やセレッソでプレーしているからか。
家長 そうですね。でも、俺は結果的にそうやって移籍を繰り返して良かったと思っています。海外は特にそうでしたけど、大変なところに身を置くと自分の力のなさがわかるから。実際、ガンバにいた時も俺、勘違いしていたと思うんです。周りがうまいから活かしてもらっていただけなのに、自分で何でもできている気になっていた。それに気づけたのは、ガンバを出てからだし、若いうちにそういうことを経験できたから、今の自分もあると思っています。
中澤 でも、かといって、ガンバ時代と今とでアキのプレーが大きく変わったのかと言えば、そうでもないよね。今日の練習を見ていても、声を出して頑張ろうって感じではなく、相変わらず淡々とやっている。ただ、以前は自分のスタイルを貫くことに一生懸命だったように見えたけど、今は自分のスタイルを貫くために、前を向いてボールをもらうようになった、とか自分が活きる方法や、周りを活かすことも知って、よりアキ自身が際立つようになった。それはたぶん、ガンバを出てから在籍したチームでいろんな苦労をしてきたからなんだろうね。それに比べたら、今は結構楽にプレーできているんじゃない? アキのスタイルにもあっているチームだしさ。
家長 確かにそれはあります。
中澤 ただ、昔のように自分を甘やかしてはいない、と。
家長 それはもう…大人なんで(笑)。それに俺は川崎より下位の大宮アルディージャから来たわけで、そういう意味での自分の身の丈もわかっているつもりだから。
中澤 大宮にいた時はJ2降格も、J1昇格も経験しているけど、そういう苦境に立たされた中で、自分はもうダメかもって思ったこととかある?