サッカー専門トレーナーX
J1チーム専属トレーナーを経て独立し、現在Jリーガー・欧州プロサッカー選手たちを中心に様々な種目のトップアスリートのパーソナルサポートを展開。これまで国内外のプロサッカー選手、約200名のコンディショニングに関わってきた経験をもとに、コンディショニングを多元的に追求し続けています。
前回までは「インナーユニット」の上面の横隔膜への刺激と、横隔膜が大きく関与する呼吸の重要性をお伝えしました。
インナーユニットを安定させるには腹圧がしっかりと入ること同時に抜けないことがポイント! 腹圧がユニット内のどこかで抜けてしまえば、横隔膜が機能していても、結果的にパフォーマンスアップには繋がらないからです。そこで今回は、そのインナーユニットの下面を構成する骨盤底筋群についてのお話と簡単なエクササイズメニューをお届けします。
そもそも骨盤底筋群って知ってますか? 聞きなれない筋肉だと思いますが、いくつかの筋肉と隔膜の集まりで、実はいつもお世話になっています。骨盤の底の部分にハンモックを掛けるように張り巡らされていて、ウンチをする時なんかは、この骨盤底筋群が活躍します!
男女共通する骨盤底筋の主な役割と効果は簡単に4つ。
① 骨盤内臓器を支える。
効果:お腹の中にある内臓が落ちない。
② 息を吐く時に収縮。(横隔膜は息を吸うときに収縮)
効果:骨盤底筋の働きが良くなると呼吸も深くなります。
③ 排便、排尿をコントロールする。
効果:骨盤底筋には括約筋なども含まれ、排泄をコントロールしてくれます。
④ 骨盤を安定させる。
効果:骨盤・体幹の土台となり、姿勢やインナーユニットを安定させます。
今回は、その骨盤底筋を鍛える方法を2つ教えます! 骨盤底筋はお尻の穴をキュッと締める動作で意図的に収縮させることもできますが、大臀筋や股関節外旋筋群、内転筋とも連動しているので、骨盤底筋単独ではなく複合的に使ってトレーニングをしましょう!
① ヒップブリッジ&腹式呼吸:6呼吸を3セット
上向きに寝た状態で膝を立て、床からお尻を持ち上げる『ヒップブリッジ』でも骨盤底筋群が起動しますが、そこに腹式呼吸を加えれば、横隔膜が下に下がると同時に内臓も下に押し下げられて、これを受け止める骨盤底筋群がより働きます。バスタオルなどを両膝の間に挟み、内転筋をより効かせた状態で行うとより効果的です!
② ヒップウォーク:20秒を3セット
その名の通り、お尻で前後に歩く! 長座の状態で左右の臀部を交互にずらしながら前方向、後ろ方向に移動する。その際、腹圧を入れた状態(お腹をはじめ胴体に空気がパンパンに入っている状態)で、呼吸を止めずに行うこと!
骨盤底筋群への意識とエクササイズで、インナーユニットの土台をしっかりと発動させよう!