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Vol.9 苦手な食べ物をどう考える?

  • 2019.09.11

    Vol.9 苦手な食べ物をどう考える?

連載コラム(食・栄養) 戦うカラダは自分でつくる

  • 柴田 麗Urara Shibata
  • Urara Shibata

    管理栄養士/公認スポーツ栄養士
    大学にて体育の教員免許を取得後、カラダを動かすことから食べることの世界に興味を持ち、栄養学を学んで管理栄養士を取得する。筑波大学修士過程を修了した後、05年に明治製菓株式会社(現・株式会社明治)に入社。
    様々な競技のトップアスリートの栄養サポートに携わり、19年3月に退社。現在はフリーで活動している。好きなスポーツに出会うことは人生を豊かにすると信じてやまない。

あるジュニアチームの指導者の方との打ち合わせで、印象的なお話がありました。

「子供たちには、嫌いな物も食べるように言っている。理由は、嫌いな物を避ける習慣をつけると生活の中でも練習でも嫌いなことを避けるようになるから。例えば、地道な基礎練習や勉強などです」

なるほど…。好き嫌いは奥が深い…。

では、栄養素・カラダづくりという側面から、苦手な物を食べないとどうなるかについて、考えてみましょう。

子どもを対象とした食材の好き嫌いについては、数多くの調査が実施されています。それらの結果を見ると、ゴーヤ、ピーマン、トマト、ナスなどずらりと野菜の名前が上位に並びます。苦い、味がしないなどなど理由は様々です。

子供の味覚は大人と比較すると敏感です。苦味、酸味などは毒や腐敗などのシグナルとして本能的に避けやすい味なのです。それが野菜嫌いにつながっているとも言われています。好き嫌いの調査結果は当然だと言えるでしょう。

野菜の主な栄養素はビタミンやミネラル、食物繊維、野菜の色の一種であるポリフェノールなどがあり、風邪やケガの予防、回復などカラダの調子を整える働きをしています。特にハードな練習をした場合は、疲れで一過性的に免疫力が落ち、風邪の症状が出現する確率が高くなります。その予防にこれらの栄養素が働いてくれます。

野菜にはこのような役割があるので、コンディションよくサッカーの練習にのぞめるカラダを作るには、嫌いな物だけれども食べたほうがいいなぁと思います。ただ、苦手だとわかっている食べ物をすすめたり、すすめられたりするのはお互いにストレスだというのもよくわかります。

苦手を克服する方法は人それぞれです。また苦手な食材があるのは成長段階だから、ということも忘れてはいけません。食経験が少ない子どもたちは、色々な食べ物に会い、様々な味を経験していくと、味覚の変化とともに食べられるようになることも多くあります。

ですので、食べないからと言って、野菜が全くない食事にしてしまわないように心がけましょう。生野菜だけでなく、スープにしたり、炒めたり、和えたり、ドレッシングにしたり、子どもが好きなメニューのカレーやシチューハンバーグなどに入れたり。見た目や食感を変えてみると食べられることもあります。そうすると、自分から好んで食べられる野菜が見つかるかもしれません。

長い道のりに感じますが、あきらめずに「苦手なものが1食くらい食べられない時があってもいっか」と思いながら、取り組んでみましょう。

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