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指導者リレーコラム特別編 大阪指導者対談 細川慎介(長野FC)×今村康太(RIP ACE)<前編>

  • 2021.10.18

    指導者リレーコラム特別編 大阪指導者対談 細川慎介(長野FC)×今村康太(RIP ACE)<前編>

AFG

日本国内で中学2年生の年代における強化が難しいとされるなか、街クラブが主体となって大会を立ち上げた。その名も「Copa Azuflagy U-14」。今年6年目をむかえる通称「AFG」は、関西地区の6県(大阪・兵庫・京都・奈良・滋賀・和歌山)から48チームが2部に分かれて戦いが繰り広げられている。大会設立の経緯と思いはどんなところから生まれたのか。「Copa Azuflagy U-14」を主催するRIP ACEの今村康太氏と長野FCの細川慎介氏に話を聞いた。

―「Copa Azuflagy U-14」を主催するRIP ACEの今村さんと長野FCの細川さんにお話を伺います。まずは大阪府でサッカークラブを運営するお二人の自己紹介をお願いします。

今村 こんにちは。僕はRIP ACEで代表を務め、小学5年生と中学3年生の指導を担当しています。うちのクラブはキッズ(未就学児)、小学生のジュニアと中学生のジュニアユースのカテゴリーを持っています。

細川 こんにちは。大阪府でも南の方に位置する河内長野市で、長野フットボールクラブのU-15(中学3年生)の監督を務めています。長野フットボールクラブはキッズからジュニア、ジュニアユースのカテゴリーで活動していて、僕はU-15に加え、キッズのカテゴリーでも教えています。

―お二人はどのような縁で、「Copa Azuflagy U-14」を一緒に主催するほど親交を深めたのですか?

今村 まず、RIP ACEは僕たち桃山学院大学の仲間同士で立ち上げたクラブなんですけれど、実は当時スタッフには大阪府出身者が誰もいないんです。そのため、大阪に指導者仲間もいない状態でした。そのなかで手探りしながら試行錯誤をいろいろと繰り返していくなかで、細川さんに救ってもらった感じです。RIP ACEは堺市で、長野FCは河内長野市。お互いに大阪府南部を拠点にしているので、そのつながりで長野FCのホームグラウンドで試合をすることもたくさんありました。そこからの交流ですよね。



細川 今村くんと出会ったころはお互いに大阪府の3部とか2部とか、そのあたりのリーグ戦を戦っていたけれど、RIP ACEは衝撃的なサッカーをしていて。もう十何年前かな、僕自身、興味を持っていきなりRIP ACEの練習場に行って見学させてもらったり、そんな感じでいろいろと話をさせてもらうようになりましたね。

今村 細川さんから連絡をくれて、僕たちのジュニアの練習を見に来てくれたんですよね。僕らはクラブを立ち上げたときに、スタッフみんなが金髪だったり、ロン毛だったりして、周囲からも「なんや、アイツら」みたいな感じで、いろいろなところからめちゃくちゃ怒られることもあったのですが、細川さんは「そんなのもおもしろいよね」って(笑)。最初はそんな出会いでしたね。

細川 今村くんは、僕が30歳を過ぎてからの初めての友達(笑)。本当にリスペクトの気持ちしかないですよ。そういう存在です。

―おもしろい出会いですね(笑)。

今村 そうですね(笑)。今ではジュニアからジュニアユースまで全部のカテゴリーでどのチームよりも一番多く試合をさせてもらっていたりと、仲良くさせてもらっています。

―先ほどのお話にもありましたが、RIP ACEを立ち上げた当初は大変なことも多かったのですか?

今村 クラブを立ち上げたばかりのころは、日ごろの練習試合もなかなか組むことができず、すごく大変でした。だから、他の地域へ遠征に行ってチームを強化していましたね。立ち上げメンバーは4人だったのですが、僕は出身が東京都で、他の3人は滋賀県と宮崎県、福島県。夏の遠征などでは、みんながそれぞれの地元にチームを連れて帰って、地元のつながりで試合をやることもたくさんありました。ただ、僕たちにとって「恩師」みたいな怖い存在が、大阪にはいないので(笑)、今振り返ればどんどん新しいことにチャレンジできたなと思います。たとえば、僕だったら関東でチームを立ち上げていたら、たぶん向こうでいろいろと偉い方々にお伺いを立てながらやらなければいけなかったと思うんです。だから、クラブとしての勢いがついたのもこの土地の環境によるところが大きいのかなと。堺市などをはじめ、ちょっとずつこの地域のチームと仲良くしてもらう時期に入っていきました。

―立ち上げ当初の苦労を乗り越えて大阪府での活動がうまくいくようになったのは、何かきっかけがあったのですか?

今村 やはり結果が出るようになったことではないでしょうか。ジュニアユースが大阪府1部リーグや関西リーグに上がったくらいから軌道に乗り始めました。ジュニアユースを立ち上げた当初は1学年6人とか、3人とか、選手が11人も集まらなかったりと、4年目くらいまでは結果が出ない時期もあったのですが、11人がそろい出してからはトントン拍子で強くなっていきました。

―RIP ACEの指導方針が実績に結びついているのですね。では、話を「Copa Azuflagy U-14」に移します。この大会はお二人が立ち上げたのでしょうか?

今村 そうです。長野FCとRIP ACEの2チーム合同で立ち上げました。

―2015年にスタートした大会ですが、開催するきっかけとなったのはどんなことだったのでしょうか?

今村 僕は自分の担当するカテゴリーの指導に一生懸命になっているので、U-14の現場には時間があるときにちょっと顔を出しているくらいで実際にこのU-14(中学2年生)のカテゴリーを見る機会はなかなかないのですが、U-14は公式戦のない学年だということは知っていて、細川さんと「真剣勝負の場を作りたいね」と話していたんです。それで「Copa Azuflagy U-14」を立ち上げました。

細川 今村くんと「南大阪で本気で取り組むような高いレベルのU-14の大会を開催せえへん?」みたいな話をしましたね。それにU-14を見ている指導者は若手も多いから、そういう若手指導者も育って、選手も本気になれるような大会にできたらいいんちゃうかあ、って。そこからどんどん話が膨らんでいって、大会をスタートすることができました。ただ、実は大会の正式名称をあまり知られていないんですよ(笑)。

今村 「コパ・アズフラージ(Copa Azuflagy)U-14」というのが正式名称なんですけれど……。

細川 アズフラージの「アズ」は長野FCの「青」をイタリア語で読んだ「アズール」から。「フラ」はRIP ACEの迷彩色を意味する「カモフラージュ」から。それに、相乗効果という意味の「シナジー」を合わせて「アズフラージ(Azuflagy)」という大会名にしました。

今村 名前が長いので、最初はみんな「コパ」って呼んでいたんですよ。

細川 その大会名を広めようとしたのですが、覚えるのが難しくてね(笑)。

今村 でも、他のほとんどの大会も「コパ」がつくから、それなら呼び方を「“AFG”に統一しよう」って。

細川 それで2、3年目くらいからは「コパAFG」という呼び方に固定されました(笑)。

今村 はじめは「AFGって何なの?」と聞かれたりもしましたが、今では関西のみなさんも「AFG」って呼んでくれています。

細川 RIP ACEとうちの“相乗効果”という大会名にしているけれど、今はみなさんにとっても相乗効果が生まれているので、なんかおもしろい現象やなと思います。

―大会名にはそのような意味が込められているのですね。2015年に初めて開催した当初は、やはり立ち上げ時ならではの問題や課題もあったのではないでしょうか?

細川 いや、苦労した記憶はあまりないですね。僕自身は南大阪の10チームくらいでやれたらええかなと、最初は考えていたんですけれど、今村くんは「それやったら関西全域で一気にやってしまいましょう」とその上を行く構想を持っていて、この大会を大きくしてくれました。

今村 「中学2年生って真剣勝負できる場がないから、こんな感じで大会を開きたいんだよね」っていろいろなチームに声をかけたら、初年度から42チームも集まったんです。でも、それは長野FCが主催していることも大きいです。1年間を通して長野FCがグラウンドを提供してくれるという恵まれた環境があってこそですよ。サッカーで使用できるグラウンドもなかなかないので当初はそこが一番ネックになるかと思っていたのですが、その心配も一切なくなりました。だから、僕もこの大会を開催することが難しいと思ったことはあまりありません。

―チームやグラウンドの確保など、スタート時から多くの要素に恵まれて運営できているのですね。

今村 僕らも運営しているという感覚はあまりなくて、参加チームのみなさんと一緒に大会を作っている感じです。運営のミーティングも楽しいですよ(笑)。みんなでランチを食べながら、いろいろなことをしゃべったり。懇親会も今はコロナウイルス感染症拡大で開けないけれど、以前は60人くらい集まって、にぎやかなパーティーみたいな感じでした。だから、苦労を感じることはあまりなくて、むしろ楽しいんですよね。

細川 懇親会はめちゃくちゃ多くの人が集まりましたね。言うたら、もうキャラクターが濃い人ばっかり(笑)。関西サッカー界の偉い方々やすごい人たちも来るし、若い指導者もそこに入っていく。そのように盛り上がっているのを見ると、僕らもやっていてよかったとすごく思いますね。

今村 それも関西の人たち“ノリの良さ”なんじゃないかなと思っています(笑)。この大会は関西で開いているからこそ、うまくいっているのかもしれませんよ。これが関東で開催しようとしたら、多くの課題や問題が発生するだろうと、みなさんから結構言われたりもしますので。

細川 まあ、土地柄なのか、大阪の人たちは特に仲がいいので、本当にみなさんに歓迎してもらえて、僕たちの感触もよかったです。たぶん、みなさんも「そんな大会があったらええな」みたいに考えていたんじゃないかな。結局はみなさんが欲していた大会やったのかもしれません。それに、RIP ACEが作ってくれたホームページも選手全員の写真付きでかっこええしね。

今村 簡単なSNSとかだけじゃなくて、ちょっとカッコいい大会の公式ホームページを作ることで、運営側も「本気だよ」っていうことを感じてもらう狙いもありました。あと、しっかりとメンバー表に名前を書いて審判に提出することもルールとして義務付けていて、それで参加チームも公式戦のように「ちゃんとせなあかん」という空気感が自然と出てきたのではないかと思います。

細川 そんな感じでいろいろと工夫したこともあって、みなさんも「楽しそうな大会が始まるなあ」という感じで賛同してくれました。抽選会はすべてのチームの関係者に参加してもらったし、懇親会でも参加チームのワクワク感がすごく感じ取れました。最初から盛り上がって、いいスタートを切れましたね。

指導者リレーコラム特別編 大阪指導者対談
細川慎介(長野FC)×今村康太(RIP ACE) <後編>
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