サッカー王国ブラジルの選手や監督たちを中東の地へ送り込む仕掛け人がいる。KIRAHT SPORTSという会社で代理人を務めるFlavio Viana氏だ。確かな能力を持つフットボーラーたちを高額で移籍させ、彼らの活躍を後押ししている。そんなFlavio Viana氏に、中東のサッカー事情と代理人としての成り立ちについての話を聞いた。(前編)
―まず、現在の代理人の仕事を始めるようになった経緯を教えてください。
Flavio 私は2012年まで、ブラジルの小さなクラブでプロサッカー選手としてプレーしていました。そのとき、たまに私たちの試合を見に来るサウジアラビア人の方がいて、ある日、彼から「選手を紹介してほしい」と言われたんです。
―サウジアラビア人からいきなり依頼があったのですね。ポルトガル語でコミュニケーションを取っていたのですか?
Flavio いえ、私は英語もちょっとしゃべれるので、サウジアラビア人の彼とは英語で会話をしていました。その話を進めていったところ、彼は中東でエージェントの仕事をしている人から「ブラジルから選手を送ってくれる人を探してほしい」と依頼されていたようです。それで私の元に話があり、友達の選手を一人、そのサウジアラビア人に紹介しました。それが代理人業の始まりでした。
―現役のサッカー選手だったときから、すでに代理人業も始めていたのですか?
Flavio 本格的に始めたのは2012年に選手を引退してからです。もともとエージェントの仕事に興味があって、現役時代から代理人になることを考えてはいたのですがね。翌2013年から代理人の仕事に力を入れるようになり、現在に至ります。代理人の仕事を始めたときには通訳としてもすぐに動き回らなければいけなくて、もうサッカーをプレーしている余裕なんてありませんでした。最初にサウジアラビアに送り込んだ選手が向こうのリーグで得点王になったことで「もっと選手を紹介してほしい」という依頼が多くなり、さらにブラジル人選手をサウジアラビアに連れていったんです。当時も忙しい毎日でしたね。お金もすごく入ってきて、それを機に一気に軌道に乗った感じでした。