COLUMN

REIBOLA TOP > コラム > Vol.61 自力で這い上がる

Vol.61 自力で這い上がる

  • 2022.10.04

    Vol.61 自力で這い上がる

発源力

©GAMBA OSAKA

9月25日に、僕がガンバに加入して初めて、スタジアムにファン・サポーターの皆さんを招いて『ファン感謝デー』が行われました。残留争いの渦中にある今、また皆さんが一番喜ぶのは『勝利』だと考えても、もしかしたら複雑な思いで僕らの姿を見ていた人もいたかも知れません。ですが、僕たち選手は『ファン感謝デー』をシーズンを通した皆さんの応援に感謝を伝える日だと受け止めています。ましてや、近年はコロナ禍で、試合以外の場において皆さんと交流できる機会はなかなか設けられていません。であればこそ、この日の約2時間という限られた時間に僕たちなりの感謝をしっかり込めようと思っていました。
結果、約3600人もの方たちにご来場いただいき、スタジアムに沸き起こった笑い声や拍手を聞いても皆さんに楽しんでいただけたんじゃないかと思いますし、僕自身もとても楽しい時間を過ごせました。スタンドにいるファンの皆さんからいろんな思いを受け取って、すごく勇気ももらいました。それはきっと僕に限らず、選手、スタッフ全員が感じたことだったんじゃないかと思います。

だからこそ、柏レイソル戦は勝ちたかった。試合を終えて、今、一番に感じていることです。
ましてや、柏戦は、このコロナ禍では初めて、パナソニックスタジアム吹田での『声出し応援』が行われた試合でした。ウォーミングアップのためにピッチに踏み入れた際、最初に聞こえてきた貴史(宇佐美)のチャントを聞いて…彼のチャントは日本代表で一緒にプレーした際にも聞いていたことがありましたが、それを久しぶりに聞く懐かしさと、『声』の持つ威力に、思わず泣きそうになるくらい感動して、体にビリビリっと電流が走ったような感覚になりました。これまでもホームスタジアムの心強さは感じていましたが、僕自身、初めてのパナスタでの『声』だということもあって、別のスタジアムに来たような感覚さえ覚えたし、戦いに向かう背中を押された気もしました。個人的には実はこの日は、初めて息子と娘を抱いて入場していたこともあり、家族からもパワーをもらって向かった試合でした。

そんなふうにいろんな状況を味方につけながら、是が非でも欲しかった勝ち点3を掴めなかったことを、悔しく思います。試合のことを細かく話すとキリがなくなるので、僕なりに感じた3つの課題に絞って書きたいと思います。
まず試合全体で見ると、僕たちにもチャンスはあったし、ヒガシくん(東口順昭)のビックセーブに助けられたシーンもあったことからも、どちらに転んでもおかしくない試合だったと思います。ただ、内容としては早々に相手がブロックを敷いてきた展開の中で、前半こそ、貴史を中心にボールの動かし方もよく、いろんな攻撃を仕掛けられましたが後半は、相手が少し対応を変えてきて、ブロックがより強固になる中で、ボールが外で動くことが増え、なかなか中に入っていけなかったと感じました。もちろん、ブロックを崩すのは簡単ではありません。だからこそ、チームとしてどういうボールの動かし、人の動かしをして剥がしていくのか、アイディアが必要でしたが、その部分で、僕たち守備陣と、攻撃陣の考え方も少し揃わなかった気がしています。

2つ目は、お互いにショートカウンターに狙いを持っていた中で、明らかに柏のショートカウンターの方が、フィニッシュにまでつながる回数も多かったし、威力を持っていたように思います。それに対してうちは、いい形でボールを奪っても「さぁ、仕掛けるぞ」というときにパスがずれて結局、遅攻になってしまうとか、ボールを持った人を「追い越す動き」も少なく、それによってまたボールが後ろに下がってやり直すというシーンが多くなってしまいました。つまり、柏がブロックを敷いていたことで一見、うちが優勢に試合を進められたように見える部分もありましたが、ショートカウンターの成功率を考えると、最終的にゴールは割らせなかったとはいえ、柏の方が狙い通りのサッカーをしていたんじゃないかと感じました。

そして3つ目は、この2つの課題に連動することですが、ホームサポーターがいる方のゴールに向かって攻めた後半。あれだけの声援を味方につけて戦うためにも、また貴史というキッカーがいることを考えても、セットプレーにつながるような状況を数多く作り出すことができれば間違いなく相手にプレッシャーを掛けられたはずですが、そのセットプレーがゼロに終わったのも情けなく感じた部分です。
もちろん、ここに挙げた3つは、あくまで大きな部分で細かな課題、修正点はたくさんあります。僕ら守備陣の間でも、試合後、状況に応じた判断のリマインドはしましたし、先に書いた相手に引かれた展開の中でのボールの動かし方、前線との連動をいかにしていくかの話し合いもしています。そして、今の僕たちに必要なのは、話し合うだけではなく、それを結果につなげていかなければいけないということも痛いほど感じています。でもだからと言って、とにかくガムシャラに頑張る、だけでは結果につながらないのも事実です。だからこそ、繰り返しスタッフ、チームメイトと話をして、気持ちを揃えて残り3試合に向かいたいと思います。

松さん(松田浩監督)がおっしゃっていたように、僕たちに残された試合は3試合しかないですが、自力でここを勝ち切れば状況を変えられる可能性は残っています。他の試合の結果がどうとか、残留を争うチームの敗戦を願うとか、そういうことではなく、自力で自分たちはこの状況から這い上がる。その強い気持ちを持って残りの3試合に臨みます。

  • 昌子 源Gen Shoji
  • Gen Shoji

    1992年12月11日生まれ。
    兵庫県出身。
    11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
    18年12月に完全移籍が発表されたトゥールーズFCでもすぐさまレギュラーに定着したが、2シーズン目はケガに苦しみ、長きにわたり戦線離脱。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年2月にガンバ大阪への完全移籍が発表された。
    日本代表にも14年に初選出。18年のワールドカップ・ロシア大会でもレギュラーとして活躍した。

  • アカウント登録

  • 新規会員登録の際は「プライバシーポリシー」を必ずお読みいただき、ご同意の上本登録へお進みください。

REIBOLA RADIO 配信中!