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Vol.39 沖縄から世界へ!沖縄初なでしこリーグ参戦を目指す女子サッカーチーム エナジック琉球DEIGOS 取締役CMO/岩井香寿美

  • 2023.05.31

    Vol.39 沖縄から世界へ!沖縄初なでしこリーグ参戦を目指す女子サッカーチーム エナジック琉球DEIGOS 取締役CMO/岩井香寿美

PASSION 彼女たちのフィールド

沖縄初なでしこリーグ参入を目指す女子サッカーチーム・エナジック琉球DEIGOSの取締役CMO。チームのサポートを続けながら、競技の垣根を超え様々な女子スポーツクラブとも協力し、女性の活躍できる社会実現や、選手のデュアルキャリア形成、スポーツチームを通した地域コミュニティをつくる活動など多岐に渡り活躍中。

―チームに関わる事になった経緯を教えていただけますか?

岩井 経緯を最初から話すと長くなりますが、実はわたしはサッカー経験がないんです。学生の頃にはハンドボールをしていました。高校まで福岡で過ごし、18歳で琉球大学に進学して沖縄に来ました。卒業後はそのまま旅行会社に就職して、旅行雑誌にたずさわる仕事をしていました。
その経験を活かして独立して会社を立ち上げ、デザイン制作やWEB関係の仕事を始めた時に元同僚が女子サッカーチームに関わるという話があり、広報業務を仕事として請け負ったことがチームに関わるきっかけになりました。
チーム広報を手伝う事になった当時はサッカーを全然知らなかったんです。むしろ野球派だったんですよ。笑

―ご自身の活動内容について教えてください。

岩井 サッカーのルールも知らない私のような人たちが楽しめるようにするにはどうしたらいいのかを考えました。
サッカーに限らず、女子スポーツは男子と違ってプロ化が確立されているスポーツが少なく、みなさんに知られていないというところがあって。だからこそ、よりいろんな方法で知ってもらうって大切だなと思っています。
更に地域の方とのコミュニケーションをとれる場面を作って、より応援してもらえるチームにしたいと思い、活動してきました。
現在は広報だけでなく、チームの経営にもたずさわってます。
九州女子サッカーリーグは4月から11月がシーズンで、その時期は毎週末試合があり、平日はその準備などで忙しくなります。オフシーズンは選手の受け入れや新シーズンへの準備、またサッカーキャンプ誘致などをしています。

―沖縄のサッカー事情について教えてください。

岩井 あまり知られていませんが、実は沖縄はサッカーがとても盛んな地域で、全国で3番目ぐらいに女子サッカーの競技人口があり、とても人気のあるスポーツなんです。
ただ、私たちのクラブが創設されるまでは、サッカーをしている子どもたちがいても、上手い子は高校から県外に出てプレーをしており、より上のレベルでのプレーを目指すとなると県外の高校や大学へ行くことが普通でした。なでしこリーグでやりたいと思っても県外のチームにいくしか競技を続けられない状況だったんです。
更に沖縄の賃金水準が全国平均で低いこともあって、高校卒業後の競技継続を考えていたとしても経済的な理由で県外へ出ることを諦める子もいたりしました。
そんな時に私たちのチームが受け皿となることで諦めずにサッカーを続けることができたり、またここから全国のもっと強いチームでプレーできる機会に繋げたり未来を広げられるのでは、という想いから琉球DEIGOSを創設するきっかけになりました。
もともとJリーグクラブ・FC琉球のマネージャーだった、現・代表の新垣勇太が企業のチャレンジ支援を受けて女子チームを立ち上げる事になり、最初はFC琉球の女子チームとして「琉球DEIGOS」ができました。
現在、エナジック琉球DEIGOSは、なでしこリーグのひとつ下のカテゴリー、九州リーグ1部で戦っています。昨シーズンは、なでしこリーグ入替予選大会へ出場し、惜しくも負けてしまいましたが、県勢としては初めて全国大会で勝利をあげることができました。

―今、活動している上で大切にしていることはなんですか。

岩井 チームを立ち上げた理由に、沖縄の子たちがサッカーを続ける環境を作りたい、夢を諦めないようにしたいという思いがありました。
9年間活動する中で、県内にある他の競技、ラグビーやハンドボールをしている女性と接して、女性がスポーツを通して活躍する場所、女性が活躍している姿を私たちがお見せすることが大切なことと感じています。
そうすることで、沖縄にいる全ての女性の方々が元気になったり、こんな風になりたいとか、自分のやりたいことを諦めないで続けられ、女性が自分らしく輝ける社会づくりに貢献できると思っています。
その為に今、様々な活動をしています。
女性活躍社会って言われていますが、それはそんなに簡単な事ではなくて。
選手たちがサッカーに打ち込める環境づくりをすること。
そのためには選手活動により理解を深め、多くの方に知ってもらいサポートしていただける企業をもっと増やし、選手継続ができるサポート環境をつくることが必要だと痛感しています。
クラブ運営としてはサッカーをする環境を与えるのは当然ですが、いずれは選手たちはスパイクを脱ぐ時が来ます。その時からいわゆるセカンドキャリアが始まるのですが、脱いだ時から始めるのは遅いと思っています。選手でいる時から福祉に興味があるとか、接客が好きとか、関心がある分野ってあると思うんです。
そういう要望に応えて、クラブ側が職場環境を用意できれば、選手生活をしながらキャリア形成も同時にすることができて、選手としても社会人としてもステップアップしていける。これが本来の意味での「デュアルキャリア」の形成に繋がり、選手たちの人生のお手伝いがチームとしてもできると思っています。
スポンサー様には金銭的な支援のほか、選手たちが働きたい職種で働くこと、サッカーをやりながら働くということを理解してもらい、選手生活とキャリア形成が可能な職場環境のサポートをいただくことが必要です。
私も今3歳の子どもがいますが、幼い子どもがいても今までやってきた仕事をやりたいっていうお母さんもたくさんいると思います。子育てがあるから仕事の時間がとれなかったり、やりたい仕事ができなかったり、あきらめないといけないことが沢山あるかもしれません。
その時にあきらめなくても実現できる環境をつくりたい。
選手たちの働き方を通して、時間的制約や業務負担の差異が出てくる人に対して、働き方への理解や柔軟な業務調整など協力いただける企業が増えること、そして社会全体に拡げていくことが女性活躍社会へ近づくと思っています。
私たちがチームでやってきていることが、きっといつか社会に役立つと思っています。

―今後の展望について

岩井 選手たちがエナジック琉球DEIGOSに入ってくれて、選手を終えた後もこのチームに関わってよかったな、沖縄に来てよかったなとか、もっと沖縄に住んでこんな事としたい、こちらで勉強して帰ってからこんな事をしたい、と思うきっかけにしてもらえたらと思って、そのために今後のクラブのあり方についていろいろ考えています。
単純にサッカーチームの運営だけでなく、クラブとしてもそういう思いを持った選手たちを支えられるような新しい事業をしたいと思っています。
これまでもホームタウンで地域活動として、子どもたちにサッカー教室をしたり、高齢者の介護予防事業として体力測定や運動指導をしたり、フードドライブ活動として子ども食堂の支援をしたり。選手主体でおこなうことで地域の人とコミュニケーションがとれる場をつくってきました。
その中で、今は地域のコミュニティ形成の場があまりないという課題が見えてきました。
私自身、田舎で育ったこともあって、近所におじちゃんおばちゃんがいて、家に遊びに行ったり、時には怒られたりして、みんなで子育てしてるみたいなところがありましたが、今は少なくなってると感じました。
拠点にしている市町村や近隣の大学、スポンサー企業と産官学連携し、スポーツを軸としてクラブや選手が媒介となって、運動する機会やこどもの居場所づくり、高齢者との交流の場など、地域の人の健康増進をすすめられるような複合型コミュニティづくりのプロジェクトをすすめているところです。
賛同してくれる方々と地域の方々の居場所づくりをして、それをチームの居場所にもしつつ、その中で子どもからお年寄りまで子育てやコミュニケーションを取れる場をつくりたいと思っています。

―最後に発信しておきたいことがあれば

岩井 サッカーに限らず、ラグビー、ハンドボールや野球など、女性アスリートって意外と身近にたくさんいるので、みなさんにはそれを知ってもらいたいですね。
現在、競技の垣根を越えて一緒に盛りあげようと、様々なイベントに参加してプロモーションやPRをしています。
みなさんの身近にもきっとたくさんいるので、そういう機会を気にとめてもらって、競技観戦に是非足を運んでいただきたいです。
女子スポーツの試合を一度行ってみたら意外とおもしろくてはまった、という方は結構いらっしゃいます。
ひたむきにがんばる選手を見ると元気が出ますし、応援したくなったと言ってもらえると私たちも元気になります。ぜひ競技を観に行っていただきたいです。
そして今年のエナジック琉球DEIGOSは、なでしこリーグに絶対昇格しますので、ぜひ私たちをより一層応援してほしいです。4月からリーグが開幕し、9月にはなでしこリーグの入替予選大会があるので、それに向けて頑張っています。昨年は昇格が叶わなかったので、今年こそはと思っています。
沖縄初の全国リーグ「なでしこリーグ」参入を目指してますので、応援よろしくお願いいたします。

<プロフィール>
岩井香寿美(いわい かすみ)

1986年福岡県出身。琉球大学進学を機に沖縄へ渡り、大学卒業後大手旅行会社に就職。旅行雑誌制作にたずさわる。WEBや広告制作会社を設立。2014年よりエナジック琉球DEIGOSの広報を担当。2019年に取締役CMOに就任。

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