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3連勝を賭けたFC東京戦。パナスタが熱くなる!

今年も『GAMBA SONIC』の6月が到来!<br>3連勝を賭けたFC東京戦。パナスタが熱くなる!

  • 2023.06.07

    今年も『GAMBA SONIC』の6月が到来!
    3連勝を賭けたFC東京戦。パナスタが熱くなる!

J.LEAGUE PRESS

高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
photo by @GAMBA OSAKA

ホームゲーム時、パナソニックスタジアム吹田の内外で新たな体験を生み出そうと、ガンバ大阪の昨年から始めたサッカーと音楽をコラボレーションしたスタジアムイベント『GAMBA SONIC』。昨年はDef Techを招いて大いに盛り上がった同イベントが今年は6月11日のJ1リーグ第17節・FC東京戦で開催される。
今回の『GAMBA SONIC』は、関西の音楽界をリードするFM802とコラボレーション。試合前にはC&Kがリリースされたばかりの新曲『青青青』等を、ハーフタイムにはTHE BEAT GARDENがドラマ『六本木クラス』の挿入歌としても話題を集めた『Start Over』を歌う。同イベントはどんなふうに開催を目指し、そこにどんな思いを込めたのか。同イベントを取り仕切る、企画顧客創造部・集客事業課の奥永憲治氏に話を聞いた。

サッカーと音楽で、スタジアムを1つに。

Def Techの迫力ある歌声が響き渡る中で選手が入場し、ハーフタイムにはお馴染みの人気曲『My way』でスタジアムが1つになる。
思い起こすこと約1年前に開催された初めての『GAMBA SONIC』は、パナスタを大いに熱くさせた。

「昨年は、ホームゲームの際に毎回、Def Techさんの『Bolero』を入場曲に使わせていただいていた経緯もあり、生歌の『Bolero』で選手が入場し、ハーフタイムには大ヒット曲『My Way』を歌っていただきました。Def Techさんの素晴らしいパフォーマンスもあり、おかげさまで大変ご好評をいただいて、試合後にはたくさんの方がSNS等で発信してくださったり、嬉しいメッセージを送ってくださいました」

Poster

それを踏まえて2回目の開催となる今回は「昨年以上の楽しさを提供しよう」を合言葉に準備を続けてきたという。

「実は、昨年は我々も初めてのことで、いろんなことが手探りで…Def Techさんも僕が直接、事務所に電話をかけて直談判をするところからスタートしました。結果、たくさんの方にポジティブな反響をいただき、僕たちとしても一定の手応えを得られたのは良かったのですが、じゃあ今年はどうするか、どうすれば昨年を超えるイベントになるのかを考えたときに、音楽業界にはさほど詳しくない自分たちだけで全てを準備するには何かと限界があるな、と。というか、継続的に開催しながらイベントを育てていくためには、音楽業界に強いパイプのあるところと組む必要を感じ、今回はFM802さんに協力をお願いし、よりパワーアップした『GAMBA SONIC』を目指しました」

FM802の協力のもと、アーティストの選考にあたっては、昨年以上のインパクトを求めるべく2組の出演を模索。パナスタへの来場者は圧倒的に30〜40代が多いという顧客データをもとに、その年齢層に馴染みのあるアーティストとしてC&Kを、幅広い年齢層に知られた曲を歌うアーティストとしてTHE BEAT GARDENに白羽の矢を立てた。また選曲についても昨年同様、スポーツシーンを盛り上げられる、世代を問わずに楽しめるアップテンポな曲を依頼したと聞く。

「C&Kさんが歌う新曲『青青青』は偶然ながら、ガンバのチームカラーである『青』とリンクした曲ということもあって選んでいただきましたが、実は当日のお楽しみとして何曲かの特別メドレーで歌っていただく予定にしています。またハーフタイムを盛り上げていただくTHE BEAT GARDENさんの『Start Over』もたくさんの方に耳馴染みのある曲なので楽しんでいただけるんじゃないかと思っています。二組のアーティストさんにご出演いただくことで、よりフェス感を…とまではいかなくとも、昨年とはまた少し違う雰囲気で音楽を楽しんでいただけたらと思っています」

魅力的なのはビジターゴール裏以外のチケットが全て当日限定のTシャツ付きで販売されること。今年からユニフォームサプライヤーになったヒュンメル社がデザインしたオリジナルTシャツだ。

「ガンバファンの皆さんには定着しつつある『GAMBA EXPO』でも毎年、デザインを変えたTシャツ付きのチケットを発売していますが、この『GAMBA SONIC』も同じように、Tシャツ付きチケットとして販売します。今回は、ヒュンメルさんに音の振動の波形をイメージしたデザインをしていただきましたが、それぞれイベント当日限定のTシャツなので、毎年違うデザインのTシャツを集めていただく楽しみにもつながればいいなと思っています」

イベントを育てながら、集客につなげる。

そんなふうにガンバ大阪が近年、スタジアム内外でのイベントに力を入れているのは、既存のファン・サポーターに新たな楽しさを提供することはもちろん、コロナ禍によってスタジアムから足が遠のいてしまったファンを取り戻すためでもある。
事実、コロナ禍前、2019年の平均入場者数は27,708人だったのに対し、様々な制限が解除された今シーズンのそれは5月末時点で21,833人。毎回注目を集めるJ1リーグ戦の『大阪ダービー』が34,517人を集客したことにも助けられ、なんとか2万人は超えているものの、19年に比べると3〜4割の減少は否めない状況だ。もちろん、ガンバに限らず、プロサッカークラブの経営はチームの人気、成績に影響を受けるところも大いにあるが、そこだけに委ねて集客を目指しているだけでは安定的な経営につながらないと奥永氏はいう。

「先日、2022年度のクラブ経営状況が開示された通り、昨年の我々の入場料収入は7億100万円でした。コロナ禍で無観客試合や入場者数が制限された試合の多かった21年に比べれば増収となったものの、コロナ禍以前の19年は…この年はガンバU-23がJ3リーグを戦っていたので一概に比較はできないとはいえ、約12.4億円の入場者収入があったと考えれば大幅に減少しています。そのことからもガンバ離れ、スタジアム離れをしてしまったファンの皆さんをいかに取り戻すかは、今後も安定してクラブを運営していくための大きな課題だと思っています」

であればこそ、『このカードを観戦したい!』だけではなく『このイベントの時に試合を観たい』という人も増やしたいと言葉を続ける。

「昨年、GAMBA SONICを行った6月18日の横浜F・マリノス戦は残念な結果に終わりましたが、顧客満足度としては80%くらいの方に好意的な反応をいただきました。それに対して、イベントの実施もなく、試合も負けてしまったという際の顧客満足度は45%くらいでした。もちろん、サポーターの皆さんが一番に『試合』を楽しみにしていらっしゃることは重々承知していますが、そのデータからも、パナスタに足を運ぶ楽しみにつながるイベントの提供もまた試合観戦のきっかけになるかも知れないと考えています。それによって、対戦相手に関係なく、パナスタに足を運ぶ楽しみを見出していただいて、これまで以上にたくさんの方にご来場いただくことになれば…より圧倒的な『ホーム感』が生まれ、ひいてはそれがチーム、選手の後押しになり、勝利に繋がるんじゃないか、とも考えています」

記憶に新しい、先日のJ1リーグ13節・横浜F・マリノス戦では初めて、クラブマスコットのモフレム祭りならぬ、『モフレムデー』を開催。モフレムフェイスシールのプレゼントや、モフレムデー限定グルメの販売を始め、ハーフタイムには『ジャンピン・バンピンモフレム』を歌う高岡陽子さんとモフレムダンスの振り付けをしたhanaさんがガンバチアと共にLIVEパフォーマンスを披露しスタジアムを盛り上げた。『モフレムデー』もまた定着を目指すイベントの1つだと聞くが、今後はこうしたイベントをある程度、時期を定めて開催していく予定だという。

「冒頭に、イベントを育てる、とお話ししましたが、我々、顧客創造部はどのイベントに対しても、それを共通認識にしています。今回の『GAMBA SONIC』も然り、一度開催して終わり、ではなく、それをアップデートしながら継続することが、イベントの定着にもつながると考えているからです。また、そのためには、例えば『6月はGAMBA SONICの季節だね』『夏休みだからそろそろGAMBA EXPOがあるね』というふうに、毎年、同時期に開催していく必要も感じています。それによって、例えば家族連れの方が夏休みなどの予定を立てる際に『花火も楽しめるからパナスタに行こうか』的に、選択肢の1つに入れてもらいやすくなるのかな、と。もちろん、対戦相手によってご来場いただくカードを選んでいただくのも1つですが、今後は観戦理由の1つにイベントが挙がるくらい、各イベントを育て、かつ観にきていただく方のマインドにも訴えかけていける取り組みを考えていきたいと思っています」

話を戻そう。そうした運営側の思いのもと開催される、今回の『GAMBA SONIC』。昨年はコロナ禍にあり、マスク着用が義務付けられ、声を出した応援も禁止されていたが、今年は違う。試合同様、声を張り上げて一緒になって歌うことも、立ち上がって盛り上がることも可能だ。つまりは昨年以上に、ライブ感を楽しめることだろう。
昨年の『GAMBA SONIC』はケガのリハビリ中だったことから、純粋に同イベントを楽しんだという宇佐美貴史も昨年以上の盛り上がりを期待していると話す。

「実はC&Kさんの曲は、中学生の頃から聴いていました。『ぼくのとなりにいてくれませんか』や『みかんハート』『ドラマ』は今でもクラブハウスに行き来する車中でよくかけています! 昨年の『GAMBA SONIC』はケガでリハビリ中だったので、試合前、ハーフタイムともDef Techさんの素晴らしい歌声を楽しみ、メンバー外になったチームメイトと『めちゃめちゃ格好いいな!』って興奮したのを覚えていますが、今回も間違いなくC&KさんとTHE BEAT GARDENさんの歌声がパナスタを席巻することでしょう! もっとも僕自身はメンバー入りした場合、ロッカールームにいる可能性が高いので、うっすらとしか聞けない可能性もありますが(苦笑)、皆さんはせっかくなので、声を張り上げ、昨年以上にノリノリで楽しんでいただきたいですし、その高揚感を切らすことなく前後半、より熱く応援していただければ嬉しいです。もちろん、僕たち選手は、試合を盛り上げられるようにプレーでしっかり戦います。当日、スタジアムでお会いしましょう!(宇佐美)」

6月11日はいつもとは違う熱狂が渦巻く『GAMBA SONIC』に、今シーズン初のリーグ『3連勝』を目指すFC東京戦を観にパナスタへ、ぜひ。

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