柴田 麗Urara Shibata
管理栄養士/公認スポーツ栄養士
大学にて体育の教員免許を取得後、カラダを動かすことから食べることの世界に興味を持ち、栄養学を学んで管理栄養士を取得する。筑波大学修士過程を修了した後、05年に明治製菓株式会社(現・株式会社明治)に入社。
様々な競技のトップアスリートの栄養サポートに携わり、19年3月に退社。現在はフリーで活動している。好きなスポーツに出会うことは人生を豊かにすると信じてやまない。
今年は長い梅雨が明けたと思ったらいきなり猛暑の日々。プロ選手でさえ暑さでクタクタになる人も…。サッカージュニアの皆さんも急激な気温の変化に体調管理に苦心しながら、練習を充実させるために様々な対策を講じているのではないでしょうか。
対策のひとつとして参考にしていただきたいのが、練習や試合の合間に食べる(飲む)差し入れです。サッカージュニアのカラダをつくる大事な補食になるので、暑い中でも食べやすくエネルギー補給や疲労回復の助けになるものを選びたいですね。エネルギー補給が目的なら炭水化物(糖質)が多く含まれるもの、疲労回復なら炭水化物(糖質)やたんぱく質などが含まれるものをおすすめします。
例えば、昔からある差し入れのひとつ、レモンのはちみつ漬け。レモンのクエン酸でスッキリ感があり、はちみつと砂糖の糖分で疲労回復を促します。その他にも、100%果汁ジュース、バナナなどの果物を凍らせた物、エネルギーやリカバリーゼリー、スポーツドリンクなどです。手づくりの差し入れの場合は、衛生面に十分に気をつけてください。
最近、通常の水分とは違う形状で体温上昇をより効果的に抑えられる可能性があると、注目されている飲料があります。「アイススラリー」という形状の飲み物です。小さな氷の粒が液体に混ざった、柔らかいシャーベット状の飲料です。身近な飲み物ではフローズンやスムージーなどがこれに該当します。冷たく、涼しそうなイメージがありますね。アイススラリーの氷の粒が液体に変わる時に体内の熱を吸収することなどから、スポーツドリンクなどの液体より体温上昇を抑える効果があると期待されています。飲むタイミングは水分補給と同様に運動の前や運動中が推奨されています。
ただし、アイススラリーはとても冷たく、胃腸への影響が考えられますので、1度でたくさんの量を飲むのは体調管理上、おすすめできません。通常の水分補給のドリンクと併せて活用するようにしましょう。
スポーツドリンクを凍らせて液体のスポーツドリンクや水と一緒にミキサーにかければアイススラリー状の自家製ドリンクが作れます。保冷ポットに入れて、持参すれば熱中症対策にもなります。
残暑も厳しいようです。充実したサッカーの練習をするために、差し入れのひとつとして試してみてはいかがでしょうか。