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Vol.12 関西サッカーリーグは、残り2試合!

  • 2020.09.24

    Vol.12 関西サッカーリーグは、残り2試合!

BRAIN〜ズミの思考〜

8月23日に開幕した関西サッカーリーグも2試合を残すのみとなった。5試合を終了した時点でFCティアモ枚方は3勝2分の勝ち点11。得点12、失点4、得失点差+8で首位に立っている。今回はVol.10で触れた開幕戦以降の戦いを振り返ってみようと思う。

初戦を2-2で引き分け迎えた、第2節・レイジェンド滋賀戦。ティアモにとって大事なホーム開幕戦は入場規制もある中、200人ほどの方々の前で試合をすることができた。相手は5-4-1で自陣にブロックを敷き、ハーフウェーラインより前には全くボールを奪いにこない、徹底したカウンター狙いの戦い方。なかなか相手ゴールを脅かせない展開が続く中、前半終了間際の43分にFKのこぼれ球をDF市川恵多が落とし、それをMF井上翔太がペナルティエリアの外からミドルシュートを放って、待望の先制点を奪うことができた。
とはいえ、ビハインドを負ってもレイジェンドはボールを奪いにこない。前半の残り時間も、ティアモがDFラインでボールを回していても奪いにこないといった状況で時間が過ぎ、前半を折り返す。後半も同じ戦術を敷くレイジェンドに対し、57分に相手のカウンターをインターセプトしたボールがMF野沢拓也にわたり、右サイドからクロスを入れる。それをMFチョ・ヨンチョルが頭で合わせ2-0とリードを広げた。終始相手の特異な戦術に戸惑いつつも、ホーム開幕を勝利で飾ることができた。

ホーム連戦となる第3節対Cento Cuore HARIMA戦。前半15分に中央を崩した後、左サイドのMF加藤博人がグラウンダーのクロスをあげ、それをMF佐藤諒が流し込み、この試合も先制点を奪う。だが、その7分後。積極的に飛び出してくるHARIMAの左ウイングバックがカットインして放ったシュートがティアモDFに当たってコースが変わり同点に追いつかれてしまう。その後、交代で入った選手が負傷交代するなど難しい時間が長くなるが、80分にFKのこぼれ球をヨンチョルが押し込み2点目を奪う。ロスタイムを含む残りの約20分間は相手に押し込まれたがなんとか逃げ切り、2勝目をあげることができた。このホーム2連戦は35℃を超える猛暑の中で14時キックオフという過酷すぎる環境での試合だった。プロのカテゴリーではないとはいえ真夏の真っ昼間に試合をするのはいくらなんでも酷だ。地球温暖化が進む昨今、昼間の試合で人が倒れてからでは遅い。早急に見直すべき課題だと思う。

J-GREEN堺で行われた第4節の関大FC2008戦。昨年のリーグ戦では2戦2分と勝てていない相手だ。大学生らしく全員が必死で頑張り、どんな相手にも自分たちのスタイルを変えずに挑んでいく素晴らしいチームだ。立ち上がりに迎えた決定機を決めきれなかったティアモは、その後もなかなかシュートまで持ち込めない。前半終了間際には副キャプテンで守備の要、市川が負傷交代を余儀なくされるアクシデントがあり、その直後には中央を突破されて先制点を奪われた。後半は選手交代や攻撃の立ち位置など変えてチャンスをたくさん作ることができたが、1点を返すにとどまり、またしても引き分けに終わった。この試合の前半の不出来は完全に監督の責任だと感じている。選手のチョイス。やるべきことの整理。監督として力不足を痛感した試合になった。それでもまだ得失点差で首位に立てていたのが救いだった。

そして迎えた第5節のアルテリーヴォ和歌山戦。同勝ち点で2位につけるチームとの直接対決だ。相手は、長身2トップへのロングボールとリーグ最少失点を誇る堅い守備が特徴のチーム。この試合に向けて、ロングボールへの対応と攻撃のトレーニングには多くの時間を割いた。結論から言うと今年の公式戦では一番の出来だったと思う。相手のロングボールへの対応やセカンドボールへの反応も良く、何より全員の集中力が高かった。また、前半のうちにセットプレーから2点を先行できたのも大きかった。後半立ち上がりの15分間は相手に圧力をかけられ押し込まれたが、それを受けて途中出場した選手のパフォーマンスも素晴らしかった。交代枠の5人はいずれも前線の選手を送り込んだが強度の高い守備からボールを奪って早い攻撃を展開し、その5人で3点を追加して5-0で勝つことができた。もちろん最後まで集中力を切らさず、無失点で終えた守備陣の頑張りも素晴らしかった。

ここまでの結果を受け、ティアモは現在、首位の座をキープできている。2試合を残して、2位との勝ち点差は3。試合を重ねるごとにチームとしての結束、戦い方の成熟に手応えを感じる中で、9月26日にはポルベニル飛鳥と、10月3日にはおこしやす京都ACとの対戦が待ち受ける。いずれも枚方陸上競技場での開催というホームの利も味方につけて、直近のアルテリーヴォ戦のように立ち上がりから試合終了まで、集中力を切らさずに戦うことができるか。監督である自分自身の選手マネジメント力が問われる試合になる。

  • 小川 佳純Yoshizumi Ogawa
  • Yoshizumi Ogawa

    1984年8月25日生まれ。
    東京都出身。
    07年に明治大学より名古屋グランパスに加入。
    08年に新監督に就任したドラガン・ストイコビッチにより中盤の右サイドのレギュラーに抜擢され、11得点11アシストを記録。Jリーグベストイレブンと新人王を獲得した。09年には、かつてストイコビッチも背負った背番号『10』を背負い、2010年のリーグ優勝に貢献。17年にはサガン鳥栖に、同年夏にアルビレックス新潟に移籍し、J1通算300試合出場を達成した。
    20年1月に現役引退とFC TIAMO枚方の監督就任を発表し、指導者としてのキャリアをスタートさせた。

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