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Vol.51 初めて味わったとてつもない悔しさと、ヴィッセル神戸戦の完封勝利

  • 2022.05.10

    Vol.51 初めて味わったとてつもない悔しさと、ヴィッセル神戸戦の完封勝利

発源力

©GAMBA OSAKA

ルヴァンカップのセレッソ大阪戦、J1リーグ11節・北海道コンサドーレ札幌戦と、先発メンバーから外れました。14年以降、コンスタントに試合に絡めるようになってからはプロサッカー人生で初めての経験です。厳密にはチームで調子が良くても日本代表にいくと控えメンバーになるとか、連戦やケガなどの状態もあって先発を外れることはありましたが、コンディションが万全の状態で、連戦でもないのに普通に先発から外れたことはなく…。当然ながら、めちゃめちゃ悔しいし、自分に対して腹立たしくもあり、いろんな感情が渦巻きました。特に今シーズンは、ここ数年、悩まされていた右足首への不安が完全に取り除かれて、ごく自然に右足を出せるようになっていたし、試合でもイメージ通りに体が動くのを感じていただけに余計に悔しさも大きかった気がします。

もちろん、メンバーを決めるのは監督で、結果が全てのこの世界において、試合に出られない=監督が求めているパフォーマンスに届いていないと受け止めなければいけないとは自覚しています。実際、直接的に自分自身が何か失点に絡むような大きなミスをしてしまったとか、チームのピンチにつながるようなミスを何度も繰り返してしまったということはなくてもチームが勝っていない状況が続いていたのは事実で、そのことに対しての責任も感じていました。ただ…これは、プロサッカー選手で、試合に出られないとなった時に誰しもが抱く感情であるはずですが、試合に出られない事実に納得することは微塵もなく、正直「なんで使ってくれへんねん!」という思いが消えることはありませんでした。

とはいえ、当たり前のことですが練習の手を抜くとか、やるべきことを怠ることは絶対にしたくないと思っていました。ベテランの域にある自分がそれをすることのチームに与えるマイナス影響は理解していましたし、何よりそれでは自分が、自分に対して納得できないと思ったからです。加えて、先にも書いた通りコンディションがいい状態が続いていたからこそ、これを落としてしまうのはもったいないとも考えていました。
また試合に出られないと決まったら、チームのために全力でサポートに回るのも当たり前のことで、だからこそ、試合に絡めなかったいずれの試合も僕自身は全力でチームを応援しながら一緒に戦っていたつもりです。札幌戦の前半終了間際に純ちゃん(一森)がPKを止めてくれた時、真っ先に抱きつきに行ったのもその気持ちの表れでした。
そうしてチームのために自分にできることを考えながら、今シーズンはあまり見ることのなかったベンチからのいろんな景色を見ることができたのも自分にとってはプラスにしようと思っていました。実際、チームのパフォーマンスを客観的に見て、それに応じて自分のプレーを想像できたことはもちろん、試合の展開に応じて、スタンドにいるサポーターの皆さんがどんなリアクションを取るのか、どんな表情をしているのか。カタさん(片野坂知宏監督)が試合中にどういうリアクションを取っているのか。コーチがどんな姿勢でいるのか。メディカルや他のスタッフの動きは?などを観察しながら、自分なりに感じられたことが多かったのも収穫になったと思っています。

そうした中で再び先発のチャンスを得た12節・ヴィッセル神戸戦はディエゴ(クォン・ギョンウォン)と初めて4バックのセンターバックとしてコンビを組みました。相手が10人になったとはいえ勝てる保証があるわけではないし、逆に展開が難しくなることもある中でチームとして結果を出せたこと、完封で締め括られたことは良かったと思っています。また数的優位の中で攻撃のチャンスを数多く作りながらもゴールを決めきれない時間が続いた中で最後までチームとして焦れずに試合を進め、ディエゴがJリーグ初ゴールを決めて「このまま入ららないんじゃないか」という嫌な雰囲気を払拭してくれたこと。途中から出てきた選手がチームに勢いを与えてくれて、加点できたこともポジティブな面だと思っています。もっとも後半、神戸のイニエスタ選手から武藤嘉紀選手にパスを通され、決定的なゴールチャンスを与えてしまい…結果的に純ちゃんがしっかり止めてくれましたが、あの1本を…たかが一本ですがされど一本の隙をチームとして与えてはいけないという反省が残りました。そこはまたチームとしてしっかり見直して次に向かいたいと思います。

また個人的には鹿島時代、自分が試合に出られない時から私生活でも食事に連れて行っていただくなど、お世話になったサコくん(大迫勇也)と初めてJ1リーグの舞台で対戦できたのも嬉しかったです。鹿島時代、紅白戦でサブ組に入っていた際、いつも対峙するのがサコくんと慎三くん(興梠/札幌)の2トップで「Jリーグの試合に出られなくても鹿島の紅白戦で十分鍛えられるんじゃないか」と思った記憶がありますが、当時と同じくピッチで感じるサコくんはやはり素晴らしいFWでした。多少、体をぶつけてもビクともしない下半身の強さ、対峙するDFをあえて誘って来るような仕草、胸トラップするのかなと思ったらヘディングをしてくるといった細かな技術の使い分けなど、試合の中でいろんな駆け引きをしてきて「やっぱ、めっちゃ嫌なFWやな」と思いつつ、でもそれを久しぶりに体感できたのがすごく楽しかったです。と同時に、やっぱりこの感覚は試合に出ないと味わえないものだからこそ、改めて自分も熾烈を極めるポジション争いにしっかり打ち勝ってピッチに立ち続けられる選手でありたいと思いました。
最後に、この試合は今シーズン初めて…というか僕が加入してからのガンバでは初めての2万越え…26,490人もの方がパナソニックスタジアム吹田に観戦に訪れてくださり、その中でプレーすることができ、ガンバクラップで勝利を喜び合えたのも嬉しかったです。「こういう雰囲気の中でもっと試合がしたい」と思えたことも、自分にとっては大きなパワーになりました。

  • 昌子 源Gen Shoji
  • Gen Shoji

    1992年12月11日生まれ。
    兵庫県出身。
    11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
    18年12月に完全移籍が発表されたトゥールーズFCでもすぐさまレギュラーに定着したが、2シーズン目はケガに苦しみ、長きにわたり戦線離脱。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年2月にガンバ大阪への完全移籍が発表された。
    日本代表にも14年に初選出。18年のワールドカップ・ロシア大会でもレギュラーとして活躍した。

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