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Vol.19 『ケガを知って強くなる!⑤ 〜初期ではないときの酸素欠乏による痛み』

  • 2020.03.04

    Vol.19 『ケガを知って強くなる!⑤ 〜初期ではないときの酸素欠乏による痛み』

連載コラム(コンディショニング) カラダを知って、強くなる!

  • サッカー専門トレーナーX
  • J1チーム専属トレーナーを経て独立し、現在Jリーガー・欧州プロサッカー選手たちを中心に様々な種目のトップアスリートのパーソナルサポートを展開。これまで国内外のプロサッカー選手、約200名のコンディショニングに関わってきた経験をもとに、コンディショニングを多元的に追求し続けています。

今回は『ケガの初期ではないときの酸素欠乏による痛み』についての話に入っていきます。

ケガの初期の段階を「急性期」と呼びます。その痛みとはコラム16で説明した4つの痛みのうち「侵害受容性疼痛」、「炎症性疼痛」にあたり、ケガをして数日間〜2週間ぐらいの時期を指します。すなわち、それ以降の痛みは、すべて「初期ではないとき」に当てはまります。

何度もお話ししてきたように、私たちのカラダは60兆個の細胞で構成され、それらの細胞は酸素をエネルギー源にして生きています。呼吸で取り込んだ酸素は、全身10万kmもある血管の中に血液と共に運搬されます。

赤色の筋肉にはたくさんの血管があり、筋肉細胞はもちろん全身の細胞に酸素を供給するポンプの役割を担っています。そして、血管のあるところには必ず神経が存在します。神経は最も酸素を必要とする細胞なので、誰よりも先に酸素をもらうために必ず血管と一緒に存在するのです。
ですから神経細胞は酸素が少ないという状況に敏感に反応します。コラム17では『ふくらはぎの肉離れ』を例に挙げて説明しましたが、簡単に復習すると、肉離れによって筋肉内の血管が壊れて酸素供給が不足すると、組織修復を知らせるために末梢神経と脳が『痛み』という信号を使って本人に気づかせるというわけです。

そんな風に損傷した最初の数日間は脳や体が色々な物質を出し、脳とのやりとりを交わしながら修復作業を盛んに行いますが、実は数日〜数週間を過ぎ、「安静にしていれば特に痛みがない」という状態になると、脳やカラダは「修復に必要な手は尽くした!」と判断し、本業である生命維持に関わる様々な働きの方に戻っていってしまいます。
ですが、実際は、急性期ほどではないものの痛みを感じることがほとんどでしょう。
本来、発痛物質の放出が止まり、酸素の供給が回復すれば痛みはなくなりますが、損傷した箇所の筋肉組織がまだカサブタになったばかりのような状態だったり、シコリやコリを残しているような状態だと、その部分の毛細血管がホースが絡まっているような状態にあるため、ホース内の流れが悪くなり、その周囲の神経が「なんか、息苦しいよ〜」と脳に助けを求めるのです。これこそが「急性期ではないときの酸素欠乏による痛み」の原因です。
同じ姿勢でずっといたり、冷えによって筋肉が硬直状態になり『腰痛』が起きるように、筋肉が固まってしまうことで、筋肉中のホースである毛細血管が圧迫され、部分的な酸素供給が悪くなり、「息苦し〜よ〜」と脳に伝達し、「なんとかしてくれ〜」と訴えるために痛みというシグナルを発生させているのです。

さらに言えば、ケガでカラダを動かさない間に筋肉が硬くなってしまったり、反対に緩みすぎてポンプの機能が落ちてしまい、組織への酸素供給が悪くなると『慢性期の痛み』の原因になります。慢性期に入ってしまったら、血液の流れを良くするようにお風呂で温めたり、ストレッチやマッサージを心がけ、ケガの箇所と全体に酸素をしっかりと送り届けるようにしましょう。それが痛みを長引かせない秘訣です。

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