ヨンチョル 僕の目には去年までの選手としてのズミさんも、監督をやっているズミさんも、あまり変わらないように見えるんですけど、自分ではどうなんですか?
小川 僕自身は選手だった去年と、監督になった今年では発言一つとっても全然違うよ。監督の言葉って影響力が大きいというか。選手の立場で「もっとこうしよう!」って伝えるのと、監督として言うのとでは全く違うインパクトになってしまうだけに、選ぶ言葉や伝え方もすごく慎重に、冷静に言葉を発している自分がいるしね。
ヨンチョル 僕のイメージだと指導者って、スクールのコーチから始まって、アカデミー世代を教えた後、トップチームのコーチを踏んで、監督、とステップアップしていく人が多いと思うんです。でもズミさんはいきなり監督になって…それって難しくないですか?
小川 もちろん、難しさは感じているけど、僕は予てからそのステップを踏むのが嫌だったというか。もちろん、そんな風にキャリアを積み上げている人のことは否定しないし、そうしてステップを踏む中で学べることもたくさんあるとは思う。ただ、その段階を踏んでいると、最終的にJクラブのトップチームの監督にたどり着くのにすごく時間がかかるから、最速で監督になれる方法はないかなと考えてもいた。だからこそ、ティアモからオファーをもらって、「監督」という仕事に携わりながらその経験を詰めることに魅力を感じて気持ちが動いたんだと思う。
ヨンチョル 監督の仕事に楽しさは感じていますか?
小川 めちゃくちゃ楽しい。でも、選手をしているより考えることも多いし、選手の時以上にいろんなことに目を配らなければいけないからね。そう言う意味では、改めていかに選手が楽だったのかを実感してる。ちなみに、ヨンチョルの目には監督としての僕の姿はどう映ってる? 言いにくいか(笑)?