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Vol.40 残留争いと『未来のガンバ』。

  • 2021.11.16

    Vol.40 残留争いと『未来のガンバ』。

発源力

©GAMBA OSAKA

11月7日の大分トリニータ戦で戦列復帰をすることができました。チームにとっては勝てば自分たちでJ1残留を決められるという試合で、後半から出て一気に気持ちと体をフィットさせていく難しさを感じながらの45分でしたが、失点をしないことを考えつつ、今の自分にできることを表現することに集中していました。特に前半はラインが低く、セカンドボールもほとんど相手に拾われていたことからリズムを見出せない状況が続いていたし、何より負けている展開だったので思い切りよくプレーすることと、ラインをあげることを意識していました。それによって前半はDFラインに吸収されていたボランチの陽介(井手口)と悠樹(山本)がセカンドボールを回収できるようになれば、2トップの貴史(宇佐美)とパト(パトリック)が後ろまで下がる必要がなくなって、より攻撃に転じやすくなるというイメージでした。また、ここ最近は外から試合を観る時間が続いていた中で、チームに戻った時に自分が何をすべきか、何をチームにもたらすことができるか、イメージしていたことを口で伝えるだけではなく、プレーで表現することも心がけていました。結果的に、後半は無失点で乗り切りながら、2つのゴールを奪って逆転勝利をおさめることができ、残留を決められたと考えれば、最低限のミッションは果たせたと思っています。

今回は、その『残留争い』について話そうと思います。
僕のキャリアにおいて初めての経験となったそれは、過去に経験したことのない特別なプレッシャーを感じる戦いでした。正直、これまで経験した『上位争い』では、近い順位のチームの結果や勝ち点を全く気にすることはありませんでした。例えば同日に自分たちより早い時間帯に上位を争う他チームの試合が行われていても「自分たちは勝っているからこの順位にいる」という心の余裕から「他は関係ない。とにかく自分たちが勝てばこのポジション(順位)を明け渡すことはない」と思えていましたが、残留争いは違います。「負けている状況が続いているから下位に低迷している」という自覚は、目に見えないところで自分の中の『自信』を削り取っていくせいか、同じ残留を争う他のチームの勝敗が気になったし、正直、実際自分たちより下位のチームが勝つとすごく焦りを覚えました。J2降格というプレッシャーがかかっている分「自分たちが勝てばいいんでしょ」とは純粋に思えないというか、目の前の試合に対してそういうマインドで臨んでいても、自然と一人一人の判断やチームの動きが変わっていくのを感じました。
そのことからも、改めてこの世界は勝つことによる『自信』がチーム、個人に対してどれだけ大きな影響力を持つのかということを痛感しました。もちろん現代サッカーでは特に、メンバーや戦術も結果には大きく関わるものだとは思います。でも、それ以前に、というか、それを表現できるかどうかも『自信』のあるなしがすごく影響するな、と。ボールを持った時の判断も前向きになるのか、後ろ向きになるのか、思い切って仕掛けることを選べるのか、ボールを大事にしようと考えるのか。一つ一つの判断が大きく変わるのを感じたし、ひいては、本来備えている選手個々のポテンシャル、技術をも左右してしまうほどの影響力を持つようにも感じました。

ですが、結果的に僕らはその残留争いを乗り切り…情けないミッションでしたが、3試合を残してJ1残留を確定させることができました。それによって残りの3試合は、見えないプレッシャーから解放された上で、1つでも順位をあげることを目標にした『未来のガンバ』に向かう戦いが始まると思っています。
残留を確定させたという最低限の結果ゆえ、『自信』を復活させたとは言い切れない部分もありますが、少なからず見えないプレッシャーから解放されたことによるプラスの効果はあるはずです。特に若手選手は『残留争い』という重い状況では全くノビノビとプレーできなかったはずで…僕ら経験のある選手はそういう状況を若手選手に背負わせてしまったことを反省しなければいけないと思っていますが、ここから先は、そういう重さからも解放され、自分らしく勝負することを積極的に選択して欲しいと思っています。と同時に、経験のある僕らも、チームを牽引する立場としてのプレッシャーから解き放たれた中で思い切りよく判断し、勝負するシーンを数多く作り出したい。特に、対戦相手にはJ1屈指の堅守を見せてきた名古屋グランパス、J1屈指の攻撃力を示してきた川崎フロンターレが含まれます。『残留争い』がなくなった状況で、この2チームに対して自分たちがどんな攻撃、守備を示せるのか。個人としてもチームとしても『本当の今』を知る機会にもなると思っています。

また、チームとしても、この3試合の結果次第では、同じ大阪のライバル、セレッソ大阪より上の順位に行ける可能性も残しているという事実にこだわらなければいけないと思っています。というか、僕自身は、そういう部分にどれだけ執着を持って残り3つを戦えるかが、来シーズンにつながっていく力にもなっていくんじゃないかと思っています。
繰り返しますが、ここからの3試合は個人にとってもチームにとっても『未来のガンバ』に向けた大事な戦いです。しかも、僕たちはそのうち2試合をホームで戦うことができます。そう考えても、今シーズン、僕らと同じように悔しい思いをたくさんしてきたサポーターの皆さんに『未来のガンバ』を感じてもらえるような戦いをしたいし、できるだけたくさんの皆さんとその時間を共有したいと思っています。残りシーズンもあと僅かとなりましたが、最後まで応援よろしくお願いします。

  • 昌子 源Gen Shoji
  • Gen Shoji

    1992年12月11日生まれ。
    兵庫県出身。
    11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
    18年12月に完全移籍が発表されたトゥールーズFCでもすぐさまレギュラーに定着したが、2シーズン目はケガに苦しみ、長きにわたり戦線離脱。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、今年2月にガンバ大阪への完全移籍が発表された。
    日本代表にも14年に初選出。18年のワールドカップ・ロシア大会でもレギュラーとして活躍した。

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