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Vol.23 J1リーグ開幕戦での戦列復帰。

  • 2021.03.02

    Vol.23 J1リーグ開幕戦での戦列復帰。

発源力

©GAMBA OSAKA

FUJI XEROX SUPER CUP2021でのベンチ入りに続き、J1リーグ開幕で先発出場することができました。昨年末に右足首の手術を受けた際は正直、開幕戦のピッチに立つことを目指しながら、間に合わないことも覚悟していましたが、結果的には予定より約1ヶ月も早い戦列復帰ができました。右足首を手術してからはひとまず、公式戦に出場することが目標だったので、それを開幕戦で実現できて素直に嬉しいです。改めて復帰に際して尽力してくださったメディカルスタッフの皆さんに感謝しています。
また、何より一緒に復帰までの道のりを歩いてくれた妻、息子にもすごく助けられました。Vol.20でも書いた通り、昨年末に手術をしてから年明けまで病院で過ごしたため、クリスマスも年末年始も一緒に過ごすことはできなかったし、オフシーズンもオフらしい時間を過ごせたのは近場に一泊二日で出掛けたときだけでしたが、何一つ文不満を言うでもなく食事を含めたたくさんのサポートをしてもらいました。手術を決断する時も、リハビリ中も「絶対に開幕に間に合うから!」と何度、励まされたかわかりません。そういう意味では妻と息子、また支えてくれたたくさんの人たちと一緒に立てた開幕戦のピッチだったと思っています。

それだけに、開幕白星を届けたかったのですが、残念ながらヴィッセル神戸戦ではそれが実現できませんでした。79分の失点シーンも、チームとしてのいろいろなアプローチの甘さがあったとはいえ、僕自身の古橋亨梧選手への対応が一瞬、遅れたのは事実です。どういう試合展開になっても、最後のところで体を張って防ぎきるのがセンターバックの使命だし、世界的にも上位を争っているチームは、センターバックが安定しています。実際、後ろが失点しなければ負けることはありません。そう考えても、やはりあの隙を見せてしまったのは自分のミスとしてしっかり反省しなければいけないと思っています。

ただ、それはしっかり受け止めながらも、1つのミス、敗戦に立ち止まってしまうべきではないし、開幕戦で結果を出せなかっただけで、今後の戦いを悲観的に考えるのは違うと思っています。今シーズンは新しいチャレンジをしていて、最初から全てがうまくいくはずがないと考えても尚更です。それに、今シーズンは開幕から3月にかけて、AFCチャンピオンズリーグの関係でJ1リーグを7試合、戦います。つまり、あっという間に序盤戦が進んでいくと考えても、大事なのはしっかりと気持ちを切り替えて次の試合に向かうこと。それに、遅れて合流した外国籍選手も含めてこの先、個々のコンディションが上がっていけば、間違いなくチームの成熟度も高まっていくと信じています。そう思えばこそ、僕もしっかりと自分とチームに矢印を向けて戦っていきたいと思います。

ちなみに、術後の右足首ですが、公式戦を戦って改めて感じたのは「手術をして本当に良かった」ということでした。今だから言えますが、昨年は正直、試合を戦いながらも、ボールを蹴ること自体に恐怖を感じるような痛みがずっと抜けないシーズンでした。練習でさえ自分に対して「俺の良さって1対1じゃなかったっけ? こんなに弱かったか?」って思うことが多く、常にフラストレーションを抱えながらサッカーをしている感覚がありました。そう考えると、パフォーマンスとしてはプロになってからどん底のシーズンだったと思います。
でも、手術をしたことで自分に感じていたフラストレーションは取り除かれ、昨年を10とするなら今は2〜3くらいの痛みしか感じなくなっています。ドクターによれば、この2〜3が0になるにはかなりの時間がかかるそうですが、昨年を思えば、僕自身はノンストレスでボールを蹴れています。であればこそ、この先は上がっていくだけです! 今シーズンこそガンバの『タイトル』獲得にしっかり関わっていけるように、チーム内での熾烈なポジション争いに打ち勝ってピッチに立ち続けたいと思います。

その『タイトル』を目指す上で、乗り越えなければいけない壁、昨年の王者、川崎フロンターレとのFUJI XEROX SUPER CUP2021は敗戦に終わりました。2-3というスコアについて、周りからは「あの川崎相手に2点のビハインドをよく追いついた」という声も聞こえてきましたが、その言葉を言ってもいいのは第三者だけで、僕たち選手を含め、このクラブに関わるガンバファミリーは、絶対に「よく追いつけた」で終わってはいけないと思っています。「よく追いつけた」と言っている時点で、すでに川崎との力の差を認めているようなものだからです。そうではなく、昨年を含めれば川崎に4連敗してしまった悔しさを真正面から受け止め、次に対戦するときには絶対にやり返す、白星を奪ってやるという思いをしっかりと胸に据えてシーズンを戦っていくこと。それを6月の対戦で絶対に晴らすこと。そのためにも、先に書いた個人のコンディションと、チームの成熟度を高めながら、勝利をもぎ取ることでチーム力を膨らませていきたいと思います。

  • 昌子 源Gen Shoji
  • Gen Shoji

    1992年12月11日生まれ。
    兵庫県出身。
    11年に米子北高校から鹿島アントラーズに加入。14年には自身初のJ1リーグフル出場を実現するなど主軸選手に成長を遂げ、16年のJ1リーグや天皇杯優勝、18年のAFCチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
    18年12月にトゥールーズFCに完全移籍。すぐさまレギュラーに定着するも2シーズン目はケガに苦しみ長期の戦線離脱に。その状況を踏まえてJリーグへの復帰を決断し、20年から3シーズンはガンバ大阪で、23年は鹿島アントラーズでプレー。24年はFC町田ゼルビアに完全移籍となった。
    14年に日本代表に初選出。2018FIFAワールドカップ ロシア出場。

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